VIRGIN BMW | 第6回 六甲山走行比較 ボクサー新旧対決!

第6回 六甲山走行比較

  • 掲載日/2007年01月25日【ボクサー新旧対決!】
  • 取材協力/モトラッド阪神  コラムニスト/ターミー

BMWボクサー新旧対決の画像

寒い季節がやってきた
発電が弱い我がハチマル

お久しぶりです、編集部ターミーです。
我がハチマルは少々のトラブルはあったものの元気に走り回っておりましたが、諸々の事情でしばらく間が空いてしまいました…。2006年5月の納車以来、7ヶ月で約8000kmを走っています。なかなかのペースですね。オイル交換も2度行い、うち一度は後学のためすべてのオイルを自分で交換してみました。4種類もオイルがあるなんて面倒臭いですね。オイル量の計量をするのが面倒で面倒で…。現行のRシリーズはシャフトドライブがメンテナンスフリー(に近い)のが羨ましいです。

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さて、いつものように試乗してのレポートなのですが、その前に電気系のオハナシを。寒い季節になるとOHVのハチマルと普段からテストに使用している現行Rシリーズとでは始動性のよさに大きな違いを感じました。ハチマルは、寒い朝にエンジンをかける際にはちょっと苦労します(私のだけかもしれませんが)。チョークを引き、セルを長めにかけっ放しにしつつスロットルを少しだけ開け、エンジンに灯を入れる。我流ですがそんな方法で始動させています。一方、現行のRシリーズはEFIによる電子制御。どれだけ寒かろうが一発始動です。ちょっと羨ましい…。

また、我がハチマルは始動時にセルを長く回しますし、純正グリップヒーターを使うことも増えてきています。ちょっとした街乗りだけで使っていると、バッテリーが上がりそうになったことも何度か起こりました。バッテリー充電器が自宅にあるので、充電は自宅でもできるので深刻なトラブルには遭っていませんが、電気系はなんとかならないか、と冬が始まる前に対策を取ることに。4回目のコラムで少し触れましたが、ハチマルは「オルタネーターの発電量」に不安があったのです。メカが嫌いな方に簡単にご説明しますと、オルタネーターとは走行中のバイクの力を利用して発電を行うパーツで、BMWは年式によって発電量に差があります。ちなみに私の1985年式R80のオルタネーターの発電量は280ワット。現行のR1200STは720ワットと2倍以上の発電量の違いがあります。現行のRシリーズは電子部品が多いので発電量の大きなモノが取り付けられているのでしょうね。現行ほどとは行かなくても、バッテリーに不安なく気楽にハチマルを楽しめるようになりたいので、発電量が450ワットの某オルタネーターを取り付け、ただいま実験中です。アイドリング時から発電が行われるようになり、オルタネーターへの不安は今のところ無くなっています。古いモデルはこんなところに不安もありますが、発売から20年以上たったモデルの対策パーツが手に入るのはさすがはBMW、ですね。

ちなみに現行モデルはABSや少し前まで採用されていた電子サーボアシストのブレーキなど、電気を食うパーツがふんだんに盛り込まれていますが、オーナーの方々に話を聞く限りこまめに乗ってやっていれば、それほどバッテリー上がりのトラブルには遭わないみたいですね。

軽快な動きのR1200ST
でも排気量がありすぎかな

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さて、今回の試乗ですがハチマルとR1200STの機構的な部分はおおよそ比較したのでちょっと長めに乗り、走行して気づく差異についてご紹介しましょうか。「サスペンションの話題は?」と言われるかもしれませんが…非常に難解は話題ですのでまだ書けません。

今回はいつもお世話になっている「モトラッド神戸」ではなく、「モトラッド阪神」でR1200STをお借りしました。なぜ、モトラッド阪神なのか…それはすぐ近くに六甲山があるから。「試乗車で真冬に六甲を走るなよ」と地元の方に突っ込まれそうですが、Stop&Goが多い一般国道だとわからない部分を試してみたかったのです。神戸市内の中では寒さが一段と厳しい六甲山。そこを真冬にR1200STで乗ればどれくらい寒さに強いのか、もわかりますからね。車も少なく、コーナーもあり、標高の高い六甲山に突撃してきました。

久しぶりに乗るR1200ST、ハチマルとは違い冷寒時でも余裕の一発始動。ABSの作動音も懐かしいですね。クラッチを繋ぐ感覚がハチマルに慣れていたので、R1200STで走りはじめにあやうくエンストになりそうになってしまいました(笑)。六甲までの街乗りはいつもの試乗と変わりませんが、ハチマルに8,000kmほど乗ってきたせいか、初めての試乗のときと若干感覚が違っています。1169ccのエンジンは回せばいくらでもスムーズに加速してくれますが、低速でも安定しています。ハチマルの場合、エンジンが暖まるまでは低速では若干ギクシャクした感があるのですが…。ただハンドルポジションはハチマルの方が楽ですねぇ。「ちゃんとニーグリップしろよ」と言われそうですが、前傾気味のR1200STのポジションは、雑にバイクに乗る私にはちょっとしんどいかもしれません。ほんのちょっとの差なのですが、しばらく坂を登ったり降りたりしているとそう感じました。

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ほどなくして六甲山へ到着。私の大嫌いなワインディングが続く山道が始まりました。ハチマルの感覚で車両を恐る恐るコーナーに進入すると…予想以上に車両が倒れようとしているように感じます。慣れてしまえばこの感覚に合わせてキビキビとしたコーナリングができるのでしょうけれど。大柄な車体に似合わずクイックな動きですね。テクニックがない私でもつい突っ込んでしまいそうになります。コーナーの終わりでスロットルを捻ったとき、ハチマルでは車両が浮いたように感じるシャフトドライブ特有の癖があるのですが、パラレバー搭載のR1200STではそれがありません。…素直です(笑)。コーナー手前でフロントブレーキをかけてもフロントが沈まないのが面白く、ブレーキレバーを握ると前後ブレーキが両方かかるので制動力は充分すぎるほどあります。ハチマルの感覚で握ると強くかかりすぎるので注意ですね。ただ、排気量とパワーがありすぎるのでスロットルの微妙な加減が面倒臭いです(笑)。六甲山でスポーツ走行を楽しむなら…ひょっとしてF800シリーズくらいの排気量が調度いいのかもしれません。ハチマルだと登りが少々パワー不足のように感じていますから。実はF800シリーズ、結構そそられているんですよね。

乗ってるときの方が暖かい
カウリングの有り難さを実感

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R1200STがヒラヒラと走れることは十二分にわかりましたが、それよりも有難かったのはフロントのスクリーンです。真冬の六甲山は天候によっては雪が積もるほど寒く、聞いた話によると山頂付近では東北地方と同じくらいの寒さなのだとか。スクリーンの有無で、体感的な気温がどれくらい違うのか、それも実験してみたかったのです。ハチマル用に手に入れたビキニカウルを取り付けようと塗装中のこともあり「寒さ」の検証も今回の重要なテーマでした。

私のハチマルはグリップヒーターを取り付けてあるので、真冬でも手はポカポカ。手先がかじかむことはありません。この部分ではR1200STにも負けることはナシ。ただフロントがむき出しで、吹き付けてくる風で体温が奪われるのは何とも辛いものです。R1200STのスクリーン(高さは一番上にしました)はちょうど胸辺りまでの風を防いでくれるので、上半身は思ったほど寒くありません。下半身もカウリングに守られこちらも寒くない。真夏にツーリングをしているとBMWは目立ちませんが、真冬にツーリングをしているとBMWが増えたように感じますが、実際に真冬に乗ってみるとこれは頷けます。無理しなくても、楽しみながら走れてしまいますね。カウリングがまったくないハチマルの場合、グリップと足元以外は寒さにさらされていますから羨ましい限りです。ただ、エンジンから来る足元の暖かさだけはハチマルの方が上でした(笑)。ハチマルのむき出しのエンジンから足元に流れてくる熱気は冬場にはなかなかいいものなんですよ。普通の靴下を履くだけでダイジョウブです。

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冬場のR1200STは夏場より快適さを感じますね。六甲山を走る道中でちょっと休憩を。極端な話ですが、R1200STに乗っているときの方が、じっと休憩しているよりも暖かいと感じるくらいです。私のハチマルは下半身のカウリングはR100RTのモノを流用しない限りどうしようもありませんが、塗装中のビキニカウルを装着したら…上半身はかなり快適になるかも。私のハチマルはもう「モトラッド神戸」に預けてありますので、次回登場する際にはビキニカウルを装着してのインプレッションをお届けできるでしょう。BMWに装着されているスクリーンやカウリングは大小さまざまで、スタイルの好みはあるでしょう。でも、真冬は体を風から守ってくれるのって、ありがたいものですよ。

プロフィール
ターミー

28歳。体重約0.1トン。「ミドルクラスのバイクが好き」と公言してはばからないが本人はヘビー級の体重なのが不思議。今回購入した「R80」以外にもハーレー「XL1200C」とヤマハ「TT250R」を所有し、バイク馬鹿なのは確か。

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