VIRGIN BMW | 第9回 再びロシアへ ユーラシア大陸横断

第9回 再びロシアへ

  • 掲載日/2007年02月09日【ユーラシア大陸横断】
  • コラムニスト/Erik Andreas Jorn

BMWで走る海外ツーリングの画像

シャワー代わりに塩水湖で水浴び
気分爽快で旅を続けます

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ホワイトレイクを出発して数日後、モンゴル最大の湖があるウヴス・ヌールにやってきました。ここは巨大な塩水湖で、海水の5倍の塩分を含んでいるのだとか。私は1週間ほどシャワーを浴びていなかったので、ここで少し泳ぐことに。少し寒い日でしたけれど、何と気持ちいいことか! 濡れた体も、さんさんと照る陽射しのおかげですぐに乾いてくれます。その日の夕方、ノースウェスタンアイマグ(「北西県」だと思ってください)の首都「ウラン・ゴム」に到着しました。湖で水浴びはしていましたが、やはり熱いシャワーと暖かいベッドに有りつけるのは楽しみです。1週間食べ続けたトマトパスタも、もう飽き飽き。ちゃんとした料理を食べたくて仕方がありません。しばらく探して見つけたホテルは「熱いシャワーは出るし、レストランもあります」とのこと。少しのんびりしましょうか。

しかし、いざチェックインを済ませ、レストランに向かおうとすると「レストランは少し前に閉店した」と…。じゃあシャワーを、と思ったら「熱いシャワーは20時以降から」と言うではありませんか。まったく話が違いますが、この旅ではそんなことは珍しくはありません。近所のレストランで人肌程度の温かさの酷い食事を取り、シャワーを浴びるため20時前に宿へと戻ります。宿のスタッフは「蛇口を捻って5分くらい水を出しっ放しにしていろ。そうすれば温かいシャワーに変わるから」と言っていました。その通りにして5分以上待っていても“very cold”が“cold”になった程度…。ちっとも暖かいシャワーに変わりません。スタッフに文句を言うと、少しだけ冷たくなくなったシャワーに手を当て「暖かいじゃないか!」と。私が言う“cold shower”がモンゴルでは“hot shower”みたいです。寒さの感覚が違うんでしょうね(笑)。とは言え、久しぶりにベッドで寝てぐっすりと気持ちよく寝ることができました。朝凍えて目を覚ますことがないだけHappyです。朝食がチェックイン時に言われた「コーヒー、パン、チーズ」ではなく「インスタントコーヒーとビスケット」だったのにも驚かされましたが、ここはモンゴルです。気にしない気にしない。

偶然見つけた村で歓待を受ける
素朴で優しい人柄に触れました

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この日のウチにロシアとの国境に辿りつきたいと考えていたのですが、国境に向かうためには大きな山を2つも越えなければならず、かなり時間がかかりそうです。最も高いところの標高は2500mもありかなり寒いはず! 山頂は遠目に見てすぐわかるほど冠雪しています。ただ、2つの山の間には寒いけれど非常に綺麗な高原が広がっているという話ですから、ちょっと楽しみです。いくつかの川を越え、谷を降っていると小さな村を見つけました。ちょうどのどを潤したかったですし、国境までの道を聞こうと村の雑貨店に立ち寄ることに。お店のオーナーは非常にフレンドリーで「私たちのゲルに一晩泊まっていきなさい」と声までかけてくれました。地方に行けばモンゴルの人は素朴で優しい人が多いですね。街ではいろいろトラブルもありましたが、ここに立ち寄って心が和みます。モンゴル特有の移動式テント「ゲル」は円の形をしたテントで、直径は小さいものだと2mくらいから、大きいものだと20mもの大きさのゲルもあるそうです。

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私が泊まったのは6mくらいの大きさで、室内の真ん中にストーブが据えられていました。内部は非常に暖かくなっています。地面に毛布を敷いてそこに座るのが作法のようで、椅子に座る習慣はありません。ベッドや家具などの家財道具はすべて壁際に並べられていて、ゲルの中心は広くくつろぐことができるスペースが広がっていました。 この日は泊めていただくだけではなく、夕食にも招待されたのですが、彼らの夕食は羊料理だったので丁重に辞退させていただきました。実は私はベジタリアンなんです…ゴメンなさい…。 この辺りの人は外国人を見ることが滅多にないせいか、私の周りにたくさんの村人が集まってきました。大勢の人から無言でじっと眺められていると、ちょっと緊張してきます(笑)。相手は英語を話せない、私はモンゴル語を話せない。けれど、フレーズブックとジェスチャーでカタコトのコミュニケーションを取ることにしました。ここでも活躍したのがお酒です。彼らはウォッカを、私は日本から持ってきていた日本酒を振る舞い、お互い言葉がわからないのにニコニコとしてきます。お酒がまわってきた頃に日も暮れ始め、だんだんと眠くなってきました。地面に寝袋を引き眠ることにしましたが、暖かいゲルの中は快適そのもの。ホテルに泊まったとき以上にぐっすりと眠ることができました。この日がモンゴル最後の夜になりましたが、最後の夜が最高の夜でしたね。

モンゴルとはいよいよお別れ
ロシアで舗装路の有難さを実感

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翌朝、お茶とチーズの朝食をご馳走になり村を後にしました。いくつかの川を越え、国境までに横たわる最後の山を越えると、モンゴル側で最後となる街に到着です。そろそろガス欠になりかけていたので、ここでガソリンを満タンにしておかないと。モンゴルでは小さな町だと質の良くないガソリンしか手に入りません。一番オクタン価が低いところでは76オクタンもの質の悪いガソリンが売っていました。「こんなに質の悪いガソリンでも大丈夫かな?」と心配でしたけれど、低オクタン価のガソリンでも私のR1200GSのエンジンは一度も悲鳴をあげることなく頑張ってくれました。ロシアに入ったら、ガソリンの質はよくなりますから、もう少しの我慢です。国境は街から思ったより近く、お昼どきに国境についてしまいました。近くにいた陽気なロシア人たちに聞くと、職員はお昼の休憩に入っていて2時間近く帰ってこないそうです。やることがないのか、彼らは昼間っからウォッカで酒盛りをはじめてしまいました。さすがはロシア人。「ロシアに戻ってきたんだな」と実感する光景です(笑)。職員が戻ってきて何の問題もなくモンゴル側の国境は通過。20kmほどの無人の荒野を走ればロシア側の国境です。ロシア側では1時間ほど書類手続きに時間を取られましたが、もう慣っ子なので気にもなりません。

ロシアVISA取得と健康面のトラブルで、モンゴルには長く滞在することになりましたが、やっとロシアへと戻ってくることができました。トラブルのおかげでモンゴルの雄大な自然とよき人との出会いを楽しめましたから、結果的にはよかったのかもしれません。ロシアに戻ってきて「国が変わったんだ」という実感はとても大きなものでした。モンゴルの悪路には多少慣れつつありましたが、ロシアのアスファルト道路を走るのは非常に気持ちがいいものです。ガソリンの質もよくなりました。これでエンジンを傷める心配からも解放されますね。また物価は上がりましたが、お店の品揃えも充実していて欲しいものを買うことができるのも嬉しい限りです。ロシアに入って、いろいろな面で旅がしやすくなりました。しかし、今の私には重大な悩みが1つあります…この8日間私はまともなシャワーを浴びていないんです。早く体を綺麗にしないと気持ち悪くて仕方がありません。ロシア側で最初に泊まったホテルはシャワーがなく、翌日のホテルに到着するまではシャワーを浴びることができませんでした。結局9日間もの間まともなシャワーを浴びることがなく、自分の体が発する匂いがありありとわかるくらいでした(笑)。9日ぶりのシャワーはたっぷりと1時間近くも浴びてしまいましたね。

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プロフィール
Erik Andreas Jorn

35歳。スウェーデン国籍。15歳のときに渡米し、アメリカで医学を学ぶ。大学卒業後に1年間海外を放浪し、その後来日。8年間を日本で過ごした後にR1200GSでのユーラシア大陸横断を企画し、現在は旅の途中。

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