VIRGIN BMW | 第5回 スパークプラグ講座 BMWカスタムパーツガイド

第5回 スパークプラグ講座

  • 掲載日/2008年07月22日【BMWカスタムパーツガイド】
  • 取材協力/Motorrad SHONAN Craft コラムニスト/滝本 幸一

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スパークプラグのカスタム
イリジウムプラグを考える

前回までのカスタムパーツは見た目の変化が大きく、明らかにカスタムしたということが分かるものばかりでした。しかし今回は、外観からは分からないのですが、実質的な効果が大きいプラグカスタムの紹介です。

オートバイの心臓、エンジン。その原動力である混合気を燃焼させるための火花を飛ばすパーツがスパークプラグです。この1000円程度の価格で購入できる部品から火花が飛ばないと、100馬力以上のパワーを誇るオートバイもただの重たい金属の固まりとなってしまいます。目立たないですが、スパークプラグはそれだけ大切な部品なのです。

カスタムパーツを知る

カスタムやメンテナンスの前に
良好なプラグの状態を知る

プラグが正常な状態での走りを覚えれば、イリジウムプラグ装着後の効果もより実感出来ますので、まずはプラグのメンテナンスについてご説明します。

ご存知の通り、スパークプラグは大きなネジに電極と絶縁体が付いただけのような部品ですが、燃焼室内の2000度以上の高温に耐え、イグニッションコイルから送られてくる2万ボルト以上の高電圧を受けて混合気に火花を飛ばし続けます。それゆえ、スパークプラグの電極は、酸化や火花放電による溶融や蒸散によって徐々に磨耗が進みます。つまり、スパークプラグで一番消耗するのが電極というわけです。電極が消耗するとその形状が丸くなってしまい、角から角に飛ぼうとする性質を持つ火花が飛びにくくなってしまいます。また、カーボンが中心電極外側のセラミック製絶縁体を覆ってしまうと、導体であるカーボンを伝わって電気が逃げ、全く火花が飛ばなくなります。こうならないように、プラグは定期的に点検し、必要があれば交換しなくてはならないのです。

プラグ点検時に掃除をする場合は、ワイヤーブラシ等の金属ブラシは使用しないで下さい。絶縁体に金属粉が付着するとリークして火花が飛ばなくなる時がありますから、掃除はナイロン製のブラシ等で行なって下さい。揮発性の高いパーツクリーナー等でカーボンを落とすのも効果的です。また、メーカーでは2輪車用プラグの交換目安を5,000km程度としていることが多いようですが、燃焼効率の安定しているインジェクション仕様の水冷4気筒エンジンなどでは20,000kmごとの交換が標準と考えていいでしょう。ただし、これはあくまでも目安ですので、使用状況などを考慮して交換しましょう。

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厳しい環境に耐えながら火花を飛ばし続けるプラグは消耗部品。定期的な点検が欠かせません。

予想以上に多いプラグの種類
愛車に適合したプラグを使いましょう

さて、BMWの場合はBOSHとNGKが純正プラグとして使用されており、これと同じ製品に交換すれば間違いはありません。また、プラグの磨耗が進んでいた場合は標準プラグや同等品に交換するだけでも十分効果が実感できます。ただし、プラグは予想以上に種類が多いので、注意しなくてはならないポイントをご説明します。

まず気をつけなくてはならないのが、ネジ径をはじめとする各寸法です。径が合わなければ当然取り付けられませんし、ネジの部分が長すぎるとピストンに当たってしまう可能性があります。次に熱価(プラグ表面に記載されているDPR6とかCR8などの数字の部分)です。これは、プラグが受けた熱を逃がす度合いを示しています。プラグから理想的な火花を飛ばすためには一定の温度に保つ必要があります。仮に、その温度が高すぎるとかぶる原因となり、低すぎると焼けやすくなり、最悪は焼きつくこともありえます。ですから、プラグの温度を調節するための熱価はとても重要です。そして、抵抗です。抵抗入りプラグの場合、一般的には品番に抵抗(レジスター=resistor)を示す”R”が表記されています。プラグの点火時に発生する電波ノイズはラジオやテレビの雑音となるだけでなく、インジェクション等に誤作動を発生させる可能性もあります。これを防ぐために抵抗を内蔵したプラグをレジスタータイプなどと呼び、現在ではほとんどの車種がこれを使用しています。そのほか、火花が飛ぶ電極部分の形状にも多くの種類があり、一般的なL型や複数のL型を持ったものとか、L型部分のない円筒状のものなどもあります。いずれのプラグを使用するにしても、寸法と熱価は純正と同等のもの使用することを強くお勧めします。

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現行Rシリーズのボクサーエンジンは1気筒あたり2本のプラグ(ツインプラグ)で点火しています。
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高度な電子制御によるツインプラグ化は、出力よりも環境性能の向上に重きを置いたものです。

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高性能プラグの代名詞
イリジウムプラグの効果

上記でご紹介した一般的なタイプとは別に、プラグ中心電極の素材に特殊な金属を使用し、着火性能を標準タイプより高めた製品があります。それが今回カスタムパーツとして取り上げるイリジウムプラグです。今や高性能プラグの代名詞となっているイリジウムプラグは、一般プラグと何処が違うのでしょうか?また、イリジウムプラグを使うとどう変わるのでしょうか?

イリジウムとは今話題のレアメタルとして取り扱われている金属で、パラジウムや白金などと同じ白金俗元素の一つです。言葉が難しいので軽く流しましょう(笑)。このイリジウムは、従来プラグの電極に使用されていた白金やプラチナに比べ硬度があり、耐熱性や耐摩耗性に優れ、最高の電極素材といわれています。この性質のおかげで、プラグの電極を細く加工することができるようになり、従来品より火花が飛びやすくなり着火性がアップしているというのがイリジウムプラグ最大の特長です。その結果として、混合気の燃焼状態が良くなり、エンジン性能を最大限に引き出せるのです。

文章にすると地味ですが、その効果をあなどってはいけません。
シリンダー内の混合気への着火性がよくなると、

【1】エンジンパワーがアップ
【2】加速性能がアップ
【3】始動性がアップ
【4】燃費がアップ

などの効果が見込めるのです。イリジウムプラグ自体の価格は従来品と比較するとやや高価ですが、それでも今までのカスタムの中で最も安価。目立たないですが、実用性という面では最も効果的なカスタムではないでしょうか。そして、環境のことを考えなくてはならない今の時代にもっともマッチしたカスタムとも言えるでしょう。消耗品なので今までのカスタムパーツとは違いますが、次回の点検のときに一度試してみたらいかがでしょう? 乗れば答えはすぐに出るはずです。

プロフィール
滝本 幸一

ボクサートロフィー参戦など、BMWでサーキット走行を楽しむMotorrad SHONAN Craft(神奈川県大和市)の店長。BMWといえばツーリング、という従来のイメージを塗り替えるため、ひたすらBMWでスポーツすることに情熱を傾けている。

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