VIRGIN BMW | 第6回 走り方やマナー はじめてのヨーロッパツーリング

第6回 走り方やマナー

  • 掲載日/2013年02月01日【はじめてのヨーロッパツーリング】
  • 取材協力/オズ・インターナショナル、オーストリア航空 写真・文/佐川 健太郎
    ※ 2012年12月15日発行『BMW BIKES』Vol.61 P.74 「ヨーロッパ=ロングラン 使ってみてわかった R1200GS ホントの実力」にて、佐川健太郎さんによるヨーロッパツーリングの模様がレポートされています。

クラクションを鳴らしたり
煽るのは逆にカッコ悪い

けっこうな交通量の幹線道路を走っていたときのことです。我々のグループの先頭を走っていたドイツ人ライダーが急にバイクを止めると、ヘルメットのシールドを上げてモゾモゾしています。どうやら金具が外れてしまった模様。道の真ん中で、左右に退避できるスペースはありません。後ろからはクルマがどんどん詰まってきて、私としてはハラハラドキドキもの。そこで彼がとった行動はというと、落ち着き払ってヘルメットを脱ぎ、その場でシールドの金具を締め直して、またゆったりと被ってアゴ紐を結ぶと平然と出発していきました。その間、およそ5分。交通の流れを完全に止めていましたが、驚いたのはクラクションを一度も鳴らされなかったことです。後続のクルマは長蛇の列でしたが、みんな辛抱強く待ってくれていました。聞くところによると、よほど危険でない限りクラクションは極力鳴らさないというのがドイツ式マナーのようです。これに比べるとイタリアなどでは、トロトロ走っていると車間を詰められたりクラクションを鳴らされることもあります。ただ、悪意に満ちた幅寄せや強引な追い越しなど、身の危険を感じるようなことは一度もありませんでした。

BMWヨーロッパツーリングの画像

ドイツ・オーストリアの国境付近で出会った初老の BMW 乗り。しばし一緒に走ったが、ライディングの腕前はかなりのもの。派手ではないが平然と上手い。

それと感心したのは、弱者保護が徹底されていることです。街中では速度をぐっと落とすことは前回もお伝えしましたが、歩行者や自転車を追い越すときも、大げさなほど十分なクリアランスをとって横を抜けていきます。たまに渋滞していても、スクーターは除いて基本的にスリ抜けはしていませんね。バイクもクルマと同じように淡々と車列に並んで待ちます。日本人からすると「行っちゃえばー」と思うのですが、ヨーロッパ人からするとスリ抜けは“見苦しい行為”に映るようです。

BMWヨーロッパツーリングの画像
世界的なブームを反映してか、アルプス周辺でもアドベンチャーツアラーモデルが多い。中でも多いのが BMW だが、その2台に1台は R1200GS といった感じ。

「ピース」は出し方がキモ
クールにキメましょう!

ライダー同士のコミュニケーションといえば、すれ違いざまの「ピース」サイン! 日本では最近はあまり見かけなくなってしまいましたが、ヨーロッパでは健在です。世界中からライダーが集まってくるアルプス周辺の山岳景勝地では、皆気分が高揚しているのかもしれませんが、すれ違うほぼ全員ぐらいの勢いでサイン攻めに遭います(笑)。そこで、先手を打ってこちらから出す。これがヨーロッパ式マナーです。

ただ、これも現地のライダーに聞くと、いわゆる「ピース」の意味ではないようです。よく見ていると、左のハンドルグリップの下からさりげなく手を出す感じで、日本式の指を2本立てて前に突き出すスタイルだと相手は変な顔をします。同行したドイツ人ライダーからは「ライダーなんだからクールにキメろ!」とアドバイスされました(笑)。

ライダー同士、国籍や人種を超えて皆が旅の安全を祈ってサインを交わし合う。一瞬の邂逅ではありますが、まさに一期一会の出会い。ライダーであることを誇りに思える瞬間ですね。

BMWヨーロッパツーリングの画像
「陽気なイタリアン」と言ってしまえばステレオタイプに聞こえそうだが、やはり気さくなライダーが多い。カメラを向けると、何も言わなくてもポージング(笑)。
プロフィール
佐川 健太郎

モーターサイクルジャーナリストとして2輪専門誌やWEB等で活躍中。本サイトではニューモデル試乗やライディングテクニック講座【スマテクで乗りこなそう!】で講師を担当。公道で役立つ実践的な安全運転スキルからサーキット走行まで造詣が深く、ライテク関連の記事や映像も数多く手掛ける。『MOTOCOM』編集長。『ライディングアカデミー東京』校長。MFJ公認インストラクター。

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