VIRGIN BMW | #05 ついに本番!その結果は…!? HP2メガモトもて耐参戦記

#05 ついに本番!その結果は…!?

  • 掲載日/2009年09月03日【HP2メガモトもて耐参戦記】
  • 取材協力/Tras  文/新田 正直
HP2メガモトもて耐参戦記の画像

がんばれ!『Tras チーム』

2008年にはHP2 Sportで参戦し、「もて耐史上初」となる外国車優勝を遂げたトラスチーム。今年はディフェンディング・チャンピオンとして、HP2 Megamotoで挑戦します。レース本番は8月22日(土)。当日はBMW BIKESのヒミツ集会&HP2オーナーズミーティングも同時開催し、みんなでトラスチームを応援しました。たくさんのご声援・ご参加、ありがとうございました!

“もて耐”の本番は
決勝前日の朝から始まる

夏休みなんか無し(正確には無くなった?)! モトパーク高橋社長のおかげで、メガモトは無事に復活しています。ここで高橋社長の作業語録を。

高橋社長「まいちゃったよ~。載せ替えたR1200Sのエンジンに問題あってさ~、おまけにミッションも壊れてるし! おかげでエンジン3回も載せ替えちゃったよ~。インジェクション・ボディもデカくてさ…大変だったよ~!」

高橋社長は声と態度がデカイだけじゃなく、異常な早さで的確な仕事をこなす、寛大な心の持ち主です(違った切り口でレポートしているBMW BIKES Vol.48も併せて確認してくださいね)。

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まるでプロのレーシングメカニックのような『クラタサイクル』のお2人は、鶴岡さんと共に『MOTO LAVORO』神宮司さんのモトグッチレーサーを走らせていたこともある、2気筒のレーサーが大好きな人たち。「好きこそ物の上手なれ」ってことですね。

決勝前日

スポーツ走行枠は30分×3回、1時間×1回の計4枠ある。我々のメガモトは2回目の走行から走り出すことにします。心なしかピットではピリピリと緊張感が張り詰めています。

新田「んんん! 明らかにストレート・スピードが速くなっている。タイムはどう? やっぱり14秒の壁は厚いな…」

という感じですが、ライダーは愉しそうにライディングしています。ピットに戻ったライダー小川君に聞いてみると…

新田「どうなの小川君?」
小川「スんゲー速くなっていますよ! サスの動きもかなり良くなっているし、だいぶ乗り易いマシンになりましたね! 明日は12秒台で走れると思いますよ!?」

そこへ間髪入れずに高橋社長。

高橋社長「あったりめ~だ~小川ぁ! 誰がエンジン組んでると思ってんだ!」

と、冗談交じりの本音。気の合う仲間の【Tras & elf Racing】チームは淡々と仕事をこなしながら、明日の準備を完璧なものとしました。

そうそう、なぜサスの動きが良くなったのか!? 予選での転倒後、サスのチェックを兼ねて以前から武藤さんがお世話になっている、東京都調布市の『株式会社 MHプロダクツ』さんでオーバーホール&ファインチューニングをしていただいたのです。これが大正解! 少ない投資で見違えるメガモトになったのです。

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安定していて速い小川順次さんとメガモトの後姿! カッコいいでしょう?「小川にBMW乗らしたら一番安心していられるだよね~」とは柳澤さんのコメント。確かに!
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「オイ高橋おめ~●●●どうなってんだ?」っとオヤジ(柳澤)さんに言われ、「岩間ぁ~~」と岩間さんを呼ぶ高橋社長。口の表情は「ま~」ですかね?
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「ぼくはバーハンドルじゃなきゃ乗りたくないんですよネ」と言う近藤さんの走り。これだけバーハンドルがピタッとはまっている走りカットも無いでしょう! 後続の【137チームモトパーク】のターゲットに?

決勝前夜

サーキットホテルで永山監督を交え、決勝スティントを組み込みます。ここからは毎年鈴鹿から夜を徹して“もてぎ”入りする『ササキスポーツクラブ』岩間さんの出番です!

岩間「え~、リッター8,6km/Lで計算して、満タン23,6L入るから…」

『ササキスポーツクラブ』では、BMW車検対応チタンマフラーをほぼ全車種ラインナップしており、我々のメガモトレーサーにもHP2エンデューロ/メガモト用チタン・フルエキゾーストマフラーを装着してパワーアップしています。佐々木社長、ありがとうございます!

決勝当日

前日の永山監督とのミーティングが盛り上がり、眠い目をこすりながら6時にピットへ到着するとあいにくの雨。でも8時には止み、スタートの10時には蒸し暑い天候へと変わりました。そこへなんと『トタル・ルブリカンツ・ジャパン』の伏見さんが“elf ギャル”(表現オヤジだ!)と共に登場! そのelf ギャルに傘を差して横に立ってもらったスタートライダー・小川君はとても嬉しそう! elfさん、本当にありがとうございました!

10:00スタート

小川君とても良いスタートです(やっぱりelf ギャル・パワーのお陰? たぶんそうだと思う)。さーここで今回のもて耐ライダーからの自己申告平均ラップタイムを公表しちゃいます。

小川:2分15秒
近藤:2分16秒
鶴岡:2分18秒
武藤:2分25秒

これは安全に、転倒せず、体力的にも問題がない状況をライダー自身が判断した、かなり控えめな自己申告タイムとなります。

小川君は当然のように14秒台で周回しています。エンジンも気持ち良く回っているし、とても良い雰囲気です。あっれ~? 気がつけば12秒台で周回し始めています! 小川君、すごいぞ~! 1時間経過時には2位に浮上! このままだとあと数分で1位になるはず。ピット内は騒然! サーキットアナウンスでは…

「昨年の優勝チーム135【Tras & elf Racing】が現在1位になりました!」

ピットは歓喜の声に包まれ最高潮!? 小川⇒近藤⇒武藤⇒鶴岡⇒小川⇒そして近藤のスタートから4時間04分36秒ラップ100周を記録!

しかしそれを最後に、メガモトは帰って来ませんでした。

時間も無い、パーツも無い中で組み上げたエンジンは、新品パーツが1つも無く、2台のエンジンから使えそうなパーツを拾い出して組み上げ、テスト走行を始めてから12時間の全開走行に耐えた後、悲鳴をあげてしまいました。幸いなことに、OHVレーサーのエキスパート、近藤さんのスティントだったので、冷静沈着・適切な判断で、ほかのライダーに迷惑をかけることなく安全にピットまでマシンを戻してくれました(感謝しています)。新品パーツを準備出来なかったのは、私の責任でもあります。

今回のエンジン・トラブルに関しては、中古パーツを使用していたため、その原因を“100%ココが悪い”という判断は出来ません。BMWオーナーさんに誤解を招くことにもなり兼ねますので、コメントは控えさせていただきます。

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準備も整い朝食タイム。「雨ならタイヤ交換無しで行けるんじゃないですか?」と言う永山監督の発言に、ライダー武藤さんとオヤジ(柳澤)さんは微妙な表情…こわばりながら笑っています。
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速い速い、小川さんの走り! この画像、メガモトオーナの皆さんは「要保存」ですよ!? アンダーカウル裏側のelfロゴが良い味出していると思いませんか?
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ついに1位浮上~!ピット内は大興奮!? モニターに表示される順位には、ポジション1【 Tras & elf Racing 】が燦然と輝き、最年長ライダー八木原さんをはじめ、我々のピットはこの日一番の賑わいを見せたのでした。
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適確な給油作業は、ボクサースポーツクラブ代表の高木さんとボクサートロフィー参戦中の笠井さんが担当です。しかし給油担当者は耐火服とマスクで防備するので誰だか分かりませんね。
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永山監督の合図を受けて近藤さんのスタート! この後、近藤さんは自己申告タイムを上回る2分14秒台で順調に周回を重ねるのですが、100周を終えてエンジンの悲鳴を察知することに…
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レッカー車から降ろされたマシンを“鈴鹿マイスター”の岩間さんがピットに戻します。それにしてもいつもフットワークが良いですね、『ササキスポーツクラブ』の従業員さんは!
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新田もガックリ、監督苦笑い? 「永山さん不完全燃焼でしょう?」と新田。「こんな筈じゃなかったんですけどね!」と永山監督。「来年もまた監督ですよね?」の新田の問いに、なぜか空を見つめる永山監督でした。
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リタイヤ届けを出しに行った武藤さんですが、既定集回数をクリアしていたのでマシンを押してのゴールが許可されました。17:00を待ち、歩いてチェッカーを受けます。当然ですが、ここは武藤さんの出番ですよね!
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みんなありがとう!

来年に向けて…

“もて耐”を終えて、モトパーク高橋社長は必要な新品パーツの洗い出しをしてくれるはずです。年内の復活は無理だと思いますが、来年、メガモトレーサーは復活する予定です。メガモトを始め、BMWにお乗りの皆さんや興味を持っている皆さん。どうかメガモトの復活を祈り、是非また応援して下さい。この【 HP2 Megamoto もて耐参戦記 】全5回連載にご協力いただいた皆様、そして最後までお付き合い下さいました皆様、「ヤッタゼ!」と言うような記録は残せませんでしたが、皆さまの記憶に残ったことが、メガモトレーサーの最高の結果だと感じております。

応援、ありがとうございました!

2009年9月3日掲載
有限会社 トラス 代表取締役 新田正直

挑戦者
新田 正直 Masanao NITTA
ドライカーボン製品のデザインから設計、製造、販売まで、つねに新たな挑戦と遊び心をもってモノづくりに取り組む“ドライカーボンの職人集団” Tras代表。カーボンという“夢の素材”で、そのメリットを最大に活かしたハイクオリティな製品は世界トップレベル。自身もBMWオーナーとして、R100ロードスター、R1200RT、HP2 Megamoto(もて耐仕様)を所有。自社の技術力向上と新たな挑戦の一環として、2006年の鈴鹿8耐、2008年のもて耐など、周囲の人間と愉しみながらBMWでのレース参戦に挑む。毎年レーサーの製作(外装)を行い、単なる工業製品ではなく、誰もやったことのない付加価値のあるものづくりを目指すチャレンジャー。

がんばれ“Trasチーム”!

この記事に関するコメント(ご意見、ご感想、ご声援など)を受付ています。メガモトレーサー製作は、すべてプロフェッショナルの手により、豊富な知識と経験、確かな技術によって、レーシングユースを前提とし、参加する人やその周囲の人たちが愉しみながら行っています。

※ 現在はコメント投稿の受付をストップしています

これまでのコメント一覧

青ベコGS さん

お疲れ様でした(^_^)v来年楽しみにしています。

Tras 新田 さん

>青ベコGSさん
応援ありがとうございました!
お疲れ様だなんて、記録を残せなくてスミマセン(-.-)b
でも、記憶に残していただけましたでしょうか?メガモトレーサーを!
今後も皆様の温かいコメントが、チームを動かす原動力になっていくのだと思います。
今回の連載はこの5回で終了となりますが、また“ナニか”やりたいと思います!?
そのときはまた是非、ご注目くださいね!

46 さん

応援に行きました。
雑誌で見たメガモトレーサーは正直あんまりピンとこなかったのですがサーキットで見たら格好良い。
サーキットで映えるマシンでしたねぇ。
結果こそ残念でしたが、耐久レースの奥深さが垣間見れて楽しかったです。
今後の展開も楽しみにしてます!

Tras 新田 さん

>46さん
サーキットでの応援ありがとうございました!
サーキットでも似合うBMWを目指した創り込みをしていますので、そう言っていただけるととても嬉しいです。
またこのページを通じ、レースにもご興味を持っていただいたことをたいへん嬉しく思います。
今後の展開が具体的にスタートするときは、バージンBMWのサイトで一番初めに発表しますので、定期的に記事更新リストのチェックお願いしますね!

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