VIRGIN BMW | #07 楽しくライディングするヒント S1000RRの楽しみ方

#07 楽しくライディングするヒント

  • 掲載日/2011年07月06日【S1000RRの楽しみ方】
  • 文・写真/淺倉 恵介
S1000RRの画像

BMW製スポーツバイクの最右翼である S1000RR。そんな S1000RR だから、自由自在に乗りこなしたいもの。今回は、MFJ公認インストラクターの資格も取得している高田さんが、ウェブ上ライディングスクールをプチ開催。気になるサスセッティングについても語ってくれました。

スポーツするなら「フォーム」が大切
ライディングフォームを考える

“S1000RR の楽しみ方” と題したこのコラムも、今回で7回目を迎えました。僕自身はレースに出場したり、走行会を走ったりと S1000RR を存分に楽しんでいるのですがですが、そこで少々考えました。果たして僕ひとりが楽しんでいて良いものだろうか? このコラムでは “S1000RRの楽しみ方” を、皆さんと共有すべきなのではないだろうか? と。そこで、今回は S1000RR の走りをより楽しむためのヒントをご紹介しようと思います。

バイクの楽しみ方は人それぞれですが、S1000RR は BMW きってのスポーツモデル。やはりその走りを楽しんでおられる方がほとんどでしょう。走りを楽しむのなら、自由自在にマシンを操りたいと思うもの。バイクの乗り方は文章だけでレクチャーしきれるものではありませんが、いくつかのポイントはお伝えできると考えていますので、ここではライディングフォームについてお話しようと思います。

S1000RRの画像

S1000RRの画像

まずは右の上下2枚の写真を見てください。ひとつのコーナーで、ほぼ同じ角度から撮影したものですが、随分と違った印象の写真になっています。ひとつは間違ったフォーム、もうひとつは正しいフォームで走ったものなのですが、どちらが正しいフォームか判りますか? 上の写真が間違ったフォーム、下の写真が正しいフォームで走ったものです。多分、ほとんどの方が間違ったフォームに、何か違和感を覚えられたのではないでしょうか? 2枚の写真を見比べると、上の走りは単純に不格好に見えます。人間の感覚とは面白いもので、たとえ理屈はわからなくても、正誤を見分ける能力が備わっているようです。おそらくアンバランスに感じるものを、直感的に拒否するのでしょう。ここからは間違ったフォームの、どこがいけないのかを説明しながら正しいライディングフォームについて考えていきましょう。

間違ったフォームで、まず問題なのが目線です。このコーナーは回り込んだヘアピンカーブで、撮影されている場所はコーナーの頂点からやや手前。本来なら下の正しいフォームのように、ライダーの目線はコーナーの出口に向いていなければなりません。間違った方のフォームのままでは、コーナーのアウト側に飛び出してしまいそうです。そうでなくてもラインが大きく膨らんでしまい、曲がりきれないかも!? と、怖い思いをするのは間違いありません。誰もがライディングの基礎として「バイクはライダーが見ている方に向かう」と習ったことがあるでしょう。基礎中の基礎ですが、コーナリングの最重要ポイントのひとつです。「コーナーが上手く曲がれない…」と悩んでいる方は、とにかくコーナリング中は必ずコーナー出口を見るように心がけてみてください。それだけで、あなたの悩みは解消するかもしれません。

次に全体的なポジショニング。間違ったフォームの方は身体が内側に入りすぎていて、上体が不自然に立っています。この体勢ではライダーの体重が腕に乗ってしまうので、バイクのセルフステアリングを邪魔してしまいます。マシンのバンクにあわせ、ステアリングが切れようとするのを乗り手が止めてしまっている状態です。このアングルからは見えにくいですが、外足のつま先も外側を向いていて下半身はガニ股状態になっています。無理にヒザを擦ろうとして下半身を少しでも路面に近づけようとすると、こういうフォームになることがあります。下半身によるマシンのホールドも甘くなりますし、カッコ悪い上に重心が定まらず、しかもバイク本来の旋回性能をライダーが妨害しているという最悪のフォームといえるでしょう。対して正しいライディングフォームでは、下半身でしっかりとマシンをホールドし、上体は自由に動けるようにしています。これなら、マシンのセルフステアを妨げずに、スロットル操作や荷重の移動が行えるというわけです。

正しいライディングフォームの基本は、まずは視線の向け方、そして下半身でマシンをしっかりホールドし、上体は自由に動かせる姿勢を保つこと。このふたつを意識するだけで、ライディングフォームは随分良くなるはずです。是非、一度試してみてください。

S1000RRの画像
こちらの2枚の写真は、静止状態で間違ったフォーム、正しいフォームを再現したもの。左が間違ったフォームで、右が正しいフォーム。間違ったフォームでは体重が腕に乗ってしまっているのがわかる。これではセルフステアを阻害してしまうし、スロットル操作や、ブレーキ、クラッチ操作などのマシンへの入力が一呼吸遅れてしまう。また、正しいフォームでは上体がフロントに覆いかぶさるようにしており、マシンとライダーに一体感がある。対して間違ったフォームでは、腕がステアリングを前に押し出しているので、ライダー自身がフロントタイヤを遠ざけてしまっている。マシンとライダーがバラバラだ。目指すは “人車一体” のライディングフォームだ。

サスが変われば、走りが変わる
高田先生の “プチ” サスセッティング講座

S1000RR は、ノーマル状態で大変バランスの良いバイクに仕上がっています。けれども、せっかくフルアジャスタブルのサスペンションが装着されているのですから、ちょっといじってみるのも面白いのではないでしょうか? 自分に合ったサスセッティングが決まると、想像以上にバイクの走りは変わりますから面白いですよ。とはいうものの、サスセッティングを出すのはなかなか難しい作業です。ここでは S1000RR のサスセッティングについて、ちょっとしたヒントをご紹介しようと思います。参考にしてみてください。

出荷状態の S1000RR は、ピッチングモーションが出しやすいセッティングになっています。おそらく、スロットルオフだけでフロントサスが入り、コーナリングのきっかけを作りやすいようにという狙いでの設定だと思うのですが、ガンガン攻め込んでいくと若干フロントが頼りなく感じるようになるかもしれません。そんな時はフロントサスのプリロードを1mmほど締め込み、ダンパーはコンプレッション(圧側)もテンション(伸び側)も1ノッチか2ノッチ締め込んでみると、フロントにしっかりとした感触が出ると思います。リアサスは全体的に硬めの印象なので、逆にプリロードもダンパーも抜く方向で調整してみると良いでしょう。

ひとつ注意してもらいたいのですが、サスペンションのアジャスターを調整する場合は、一度に大きく設定を変更しないようにしてください。間違ったサスセッティングを施すと、ハンドリングが悪化して最悪転倒につながる場合もありますので、くれぐれも慎重に行うようにしてください。

S1000RRの画像

S1000RRのサスペンションのダンピングアジャスターは、前後ともコンプレッション/テンションそれぞれ10段階のアジャストが可能。しかもアジャスターはイグニッションキーで回転させる設計のため、ツーリング先のパーキングなどで気軽に調整できる。プリロード調整には工具が必要だが、ダンピングだけでも簡単に調整可能なのは嬉しい設計だ。
国際ライダー MFJ公認インストラクター
高田 速人
バイクのタイヤとメンテナンスの専門店「8810R」代表。1976年生まれ、東京都出身。中学2年でミニバイクレースを始め、高校卒業後はロードレースにステップアップ。1996年に国際ライダーへと昇格、全日本選手権や鈴鹿8時間耐久レースなど、豊富なレース経験を持つ。2010年は 【Tras & G-TRIBE + 8810R】 チームによる、S1000RR鈴鹿8耐への挑戦にライダーとして参加。2011年は S1000RR を駆り 、【Team Tras】 の第1ライダーとして鈴鹿8耐に参戦。15位獲得に貢献した。

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