VIRGIN BMW | 初めてBMWに乗るライダーによる「R1200ST試乗座談会」 特集記事&最新情報

初めてBMWに乗るライダーによる「R1200ST試乗座談会」

  • 掲載日/2006年06月23日【特集記事&最新情報】
  • 取材協力/BMW Motorrad Japan  文・写真/青木 タカオ
R1200ST試乗座談会の画像

スポーティな走りとツアラーの快適性を高次元で両立
あらゆるライダーの要望に応えた万能マシン

根強い人気を誇っていたR1150RSの後継モデルとして登場したR1200ST。斬新なフォルムに秘められた最先端の走行性能は、ユーザーのみならず国内外のメディアでも高く評価されている。“ロングディスタンス・スプリンター”という新しいコンセプトを掲げ、スポーティなライディングと長距離ツアラーとしての快適な走りの両立を目指して開発。

その心臓部は、R1200GSで高い評価を確立した1169ccのEVOボクサーエンジンを、圧縮比を上げるなどして最高出力を100psから110psにアップ。車重238kgの軽量ボディには、ブレーキレバー操作で前後が連動するパーシャリーインテグラルABS&EVOブレーキをはじめ、テレレバー、EVOパラレバーなど、BMWが持つ最先端のテクノロジーが盛り込まれている。

シートは2段階、ハンドルは3段階に高さ調整ができるなど、あらゆる体格のライダーに対応。フロントスクリーンも手動により、高さを変更することができる。電波式の盗難防止装置を標準装備し、イモビライザーと併せ盗難に対する防御力も高めている。

チンタラ走るよりも積極的にライディングすると楽しい。
BMWってこんなにスポーティだったんですね

まーくん●BMWっていうと、もっと大きくてツアラー色の強いモデルをイメージしてましたけど、R1200STというのは、軽そうだしスポーティなデザインですね。

高橋さん●はじめて実車を目の当たりにしましたが、近未来的というか独特のマスクですね。

小倉さん●SF的なフロントマスクで、ヨーロッパ的なデザイン。縦2灯式っていうのは斬新。ただ、車体の後ろ半分があんまり好きじゃないなぁ。もう少しボリューム感がある方がボク好みかな。

まーくん●ボクは嫌いじゃないですよ。軽快なイメージで、センスいいと思います。GSアドベンチャーから乗り換えるとコンパクトに感じますね。なんだかホッとしますよ。リヤまわりにはキャリアが標準装備されてるんですね。BMWって、やっぱりツーリングを前提にしてるのかなぁ。

高橋さん●BMWは大きいモデルが多いからSTは小さく感じますけど、サイズ的には普通のスポーツバイクですよね。キャリアの装備は大歓迎ですね。ボクの場合は、ツーリングに使えるかどうかがバイク選びの基本ですから。(笑)

まーくん●なるほどです。足着き性はすごく良かったですね。ポジションもコンパクトに感じました。

高橋さん●ニーグリップ部分はやや広めに感じたかな。シートは柔らかくて座り心地が良かったけど、好みに分かれるでしょうね。

まーくん●ボクの好みだと、もう少し硬い方が良かった。シート高は780mmと800mmの2段階に変えられるんですね。高速道路では高い方が良いかな。シートの座る面とステップとの距離が広がるから、ヒザの曲がりが緩くなって、ポジションが楽になりますもんね。

小倉さん●シート高の変更は慣れればすぐに出来そうだから、足着き性が心配な人は普段はロー、高速道路ではハイっていう使い方もありですね。

高橋さん●なるほど。車体はスリムで軽快でした。チンタラ走るよりも積極的にライディングすると楽しいバイクですね。BMWってこんなスポーティなバイクだったんだなぁって、走り出してすぐに思いましたよ。いつもハーレーに乗ってるから、STがみなさん以上にスポーティなバイクに感じてるはずです。(笑)

小倉さん●そういえば高速道路ではみなさん、かなりの速度域で走ってましたよ。(笑)

まーくん●高橋さんがおっしゃるとおり、STはのんびりクルージングするよりも、ある程度のスピードでキビキビと走った方が楽しいバイクですよね。ボクもBMWは、もっとノンビリしたキャラクターを想像してたんですが、すごくスポーティ。STに関しては、スーパースポーツって言ってもいい次元ですよ。

高橋さん●いくらでもスピードが出そうなバイクでした。まーくんは、カッ飛んでましたね。(笑)

まーくん●あははは。(笑) 相当な速度域でもエンジンは音をあげないし、車体も安定してる。ブレーキもしっかりしてるから恐怖心を感じない。

小倉さん●エンジンは6000から7000rpmへ引っ張っていくところが特に気持ちいいですよね。

まーくん●ドゥカティのスーパーバイクみたいにドッカンとパワーが出るのではなく、フィーリング的にはまろやかな感じ。だけど、猛烈なパワーが出てるからすごい。

高橋さん●いつの間にか、ものすごい速度レンジで走ってましたね。空冷でもこんな速いエンジンがつくれるんだなぁって感心しちゃいました。車体も安定してるし、最新のバイクってすごいんだなぁって思いましたよ。

ニュートラルなハンドリングで
自分の曲がりたい方へバイクが曲がってくれますね

小倉さん●そういえば、ウインドスクリーンは3段階の高さに調整できるんです。イチバン上にして走ると身体がすごく楽でしたよ。

高橋さん●そんなの気付かなかったなぁ。ボクは試してませんよ。

まーくん●ボクも知らなかった。手動式なんですね。電動式なら気付いて使ってたと思います。

高橋さん●やっぱり高速巡航性は、次元が高いですね。これなら500kmぐらい一気に走れそう。BMWに乗ってる人が1日にものすごい距離を乗るわけが解りましたよ。

小倉さん●同感です。高速道路も良かったけど、コーナーリングも楽しいですね。

まーくん●もー、最高ですね! 倒し込みは軽快だし、浅いバンク角でも向きがグイグイ変わります。ドカで走ってるときに、後ろからコイツが来たら譲っちゃいますよ(笑)。

小倉さん●ニュートラルなハンドリングで、自分の曲がりたい方へバイクが曲がってくれますね。

高橋さん●車体が小さく感じるから、ボクサー初心者のボクたちでも乗りこなしてる感じがありました。ボクサーツインエンジンの出力特性は、すごく乗りやすかったなぁ。

まーくん●アドベンチャーと同じエンジンを搭載しているのに、味付けがまるで違う。別のエンジンのように感じました。

小倉さん●アドベンチャーはノンビリどこまでも走って行こうっていう気にさせてくれるのに対して、STはガンガン走り込んでやろうって気になりますね。

高橋さん●そうそう。そこが好みの分かれるところ。ボクはアドベンチャーのフィーリングの方が良かったなぁ。

まーくん●スポーツバイクが好きなボクは断然、STがいいですね。デザインもいいし、運動性能はドカにも負けない。高速道路は楽だし、ワインディングも楽しい。

ブレーキングに神経質にならずに済むっていうのはありがたい。
長距離を走るときなんか、特に威力を発揮しそうです

小倉さん●インテグラルABS&EVOブレーキはどうでした? レバーを軽く引くだけでブレーキ効きますよね。

まーくん●安定して減速できるので心強い。コントロール性もよかった。どんな時でも強力なブレーキングができるっていうのは、本当に強みですよ。

高橋さん●イグニッションオフの時にタッチが変わるので、最初は違和感がありました。取り回しの時もイグニッションをオンにすることで解決しましたけど。

まーくん●そうですね。それから、エンジンをブルンって吹かすと左右に振れるトルクリアクションもBMWならではですね。

小倉さん●そんなところもボクサーエンジンは個性的でカッコイイですよ。左右の張り出しは想像していたよりも感じなかった。スリ抜けの時なんか気になるんじゃないかなって思ってたんですけど。

まーくん●市街地も楽に走りますよね。低回転域でもトルクが太いし、瞬発力もすごい。

高橋さん●重心はやや高めに感じませんでしたか? これがBMWの特徴かなって思いましたが。

小倉さん●おっしゃるとおり、重心は高い感じがしましたね。だけど不安感とか、そういうのはないです。

高橋さん●テレレバー&パラレバーはどうでした? ボクはまったく普通のテレスコピックフォークと違いを感じませんでしたけど。スムーズに動くし、乗り心地も良かった。

小倉さん●テレレバー&パラレバーであるということは、普通に走っている分には言われないとわかりませんよね。ただ、ブレーキを強くかけた時なんかは姿勢の変化が少ないから、性能を実感できましたけど。

まーくん●ボクも同感です。違和感はまったくないんですが、コーナーの進入なんかでガツンとフロントをかけたときにノーズダイブしないで、安定した姿勢のままコーナーに入っていける。スゴイなぁって思いました。

高橋さん●ブレーキングに神経質にならずに済むっていうのはありがたい。長距離を走るときなんか、特に威力を発揮しそうです。

まーくん●メーターは大きくて見やすかったですね。なんだかR1200GSアドベンチャーと似てました。

小倉さん●表示がわずかに異なるだけで、ベースはGSシリーズと一緒みたいですよ。左に大きなスピードメーターがあって、右奥にあるタコメーターがありましたね。

高橋さん●ガソリンタンクの容量は21リットルかぁ。日本でのツーリングなら十分ですね。アドベンチャーは33リッターでしたっけ。化け物ですね、アレは。(笑)

小倉さん●BMWって、ヨーロッパ横断とかに向いてるんでしょうね。スポーツツアラーっていう呼び方がしっくりきますもんね。

高橋さん●高速道路で長距離を移動するっていう使い方にはベストでしょうね。

まーくん●ボクはアドベンチャーの方がよりツアラーだというイメージです。STは高速道路も快適だし、ワインディングでも楽しい。ツアラーと単純に言ってしまうのはチョット反対ですね。

小倉さん●なるほど。まーくんはSTがかなり気に入ったみたいですが、高橋さんはどうでしょうか?

高橋さん●アドベンチャーのフィーリングで、STの足着き性の良さ。これが理想。(笑)

まーくん●小倉さんがおっしゃるとおり、ボクは断然STが気に入りました! スーパーバイクに匹敵する運動性能と、長距離ツアラーらと肩を並べる高速巡航性と快適性。最新の装備も魅力的。ボクみたいに欲張りな人には、もってこいの1台ですよ!

参加者のみなさん

R1200GSアドベンチャー、R1200STの2台に試乗していただいた皆さんをご紹介いたしましょう。みなさん、興味は持っていたもののBMWの現行機種に乗るのは今回が初めて。一般道のみならず高速道路でも試乗した。

プロフィール
高橋さん
バイク歴14年。現在の愛車は1998年式ハーレーダビッドソンFXSTBナイトトレイン。V-MAXなど大型バイク歴も豊富だが、BMWに乗るのは今回が初めて。これまでのBMWに対するイメージは、高いスピードアベレージで延々に走っていられそうな長距離ツアラー。北海道を愛するツーリング派ライダー。身長167cm、年齢38歳。
プロフィール
小倉 嵩さん
バイク歴20年のベテランライダー。SRX400やSDR、CRM250などを乗り継ぎ、現在の愛車はダートトラックレーサー風にカスタムしたホンダGB250クラブマン。BMWのボクサーツインエンジンは個性的なデザインで興味津々。今回試乗したGSアドベンチャーは、ぜひとも手に入れたいと購入を検討中!? 身長173cm、年齢36歳。
プロフィール
まーくん
バイク歴14年。現在の愛車は2004年式ドゥカティ749R。ワインディングや高速道路をかっ飛ばすスポーツ派ライダー。スロットルはいつでもワイドオープンだ。これまで、旧ボクサーエンジンを搭載したR100RSに乗せてもらった経験があるものの、最新のBMWに乗った経験はなし。身長178cm、年齢32歳。
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