VIRGIN BMW | BMWバイク比較インプレッション「K1200R vs K1200S」 特集記事&最新情報

BMWバイク比較インプレッション「K1200R vs K1200S」

  • 掲載日/2006年12月07日【特集記事&最新情報】
  • 取材協力/BMW Motorrad Japan  コメンテーター/青木 タカオ、青木 武史
BMWバイク比較インプレッション「F800S vs F800ST」

究極のスポーツマシンK1200Sか
ストリートファイターK1200Rか

F1など数々のモータースポーツで得た技術をフィードバックし開発された横置き4気筒エンジンから繰り出されるパワーは圧倒的。これから購入を検討している人には、新生K1200シリーズで最初に登場したフルカウル版「K1200S」か、デュアルヘッドライト採用で斬新なフロントマスクを持つネイキッドバージョン「K1200R」か、大いに迷うところ。BMWに乗るのは今回が生まれて初めてだという青木武史さんは、果たしてどちらを選ぶか!? さっそく比較5番勝負、いってみましょう!

K1200Rの顔は、SFロボットみたいですね。個性的でカッコイイけど、フルカウルで高速巡航性が高そうなK1200Sの方がボク好みかな。Sはウインカー埋め込み式のミラーなどデザインもいいですし。エンジンはずいぶん前傾してますね。BMWってフラットツインのイメージが強いけど、4発好きなボクとしてはこちらの方が違和感なく乗れます。ハンドリングはRの方が軽快ですが、Sもひけをとらないですね。もしかしたら、キャスターアングルなんかが若干違うのかなぁ。面白いのはテールライトレンズライトのカタチ。ホタルみたいで独特ですね。(BMWビギナー青木武史さん)

ネイキッドのK1200RとフルカウルのK1200S。エンジンは同じだが最高出力はK1200Rが163ps、K1200Sが167psと、K1200Rの方がやや抑えられているのだ。これはK1200RはSに比べて、低速に若干ふられているためで、市街地走行などの常用域で扱いやすいよう考慮されているから。さらにRは、Sよりもキャスターが0.4度立ち(キャスター角61度)、トレールを11mm短縮。その結果、ハンドリングの軽快さも増しているというわけだ。

両車とも足着き性は申し分なく良かったですね。身長175cmのボクとしては、どちらも両足ベッタリでした。BMWっていうと欧米人向けに作られていて、日本人の体型では無理なのかなぁってイメージでしたが、ゼンゼンそんなことないんですね。この感じだと160cm代の人でも乗りこなせるでしょう。ただRとSでは、ポジションがチョット違いましたね。Rの方が前傾気味で乗りやすかった。腰が高い位置にある感じで、そのまま手を伸ばすとグリップがある。もちろん、前傾といってもゆったりとした部類のモノで、長距離を乗っても疲れなさそう。ワインディングなんかでも、スポーティに走れるポジションでした。(BMWビギナー青木武史さん)

シート高はSもRも同じで790mm。実は日本仕様は前縁の細いローシートが標準装備されているのだ。だから、欧米人並みの体格を持っている人(足の長さに自信のある人)は、ドイツ本国仕様に変更するのも手。ポジションはSの方が前傾気味だが、かといってRが極端にアップライトかというとそうでもない。実際に跨ってみるとわかるが、程よく前傾していることに気付く。これはネイキッドとはいえ超高速走行が可能なことと、ワインディングもアグレシッブに攻められるっていうことを証明しているのだ。

正直、街乗りはどうかなって思いましたが、RもSも軽快。スリ抜けも体験しましたが、スイスイ行けますね。ボクは普段、都心をバイクで移動することがよくあるんですが、これなら問題なさそうですよ。低速トルクがあってダッシュ力もすごい。Rは見た目の通りヤンチャな感じにガンガン走れるし、Sもデカさを感じさせない。1200クラスとは思えないヒラヒラ感がありますね。話は違いますけど、ウインカーがプッシュキャンセル式で、慣れるまでチョット違和感がありました。それから、Sのミラーはホントによく見えますね。(BMWビギナー青木武史さん)

BMWは見た目の大きさとは裏腹に、走り出すと低速域でも不思議と安定していて、高速巡航が得意な大排気量マシンとは思えぬ軽やかな運動性能を感じさせる。実は、K1200RとK1200Sとではサイズや重さも結構違うのだ。Rは全長2230mmなのに対し、Sは2220mm。全幅はRが790mmで、Sは780mm。全高はRが1100mm、Sは1220mm。ホイールベースがRは1580mmで、Sは1571mm。ガソリン満タン走行可能時の重量がRは250kg、Sは254kgなのだ。参考にして欲しいぞ!

少しだけワインディングも走りましたが、デュオレバーいいですね。一般的なFフォークだと、ブレーキをきっかけにグンっと沈み込ませて回るんですが、デュオレバーだと姿勢変化がほとんどなく、そのまま旋回できる。ABSが付いているのも安心材料だった。ハイスピードでコーナーを回れているんだけど、高い安全マージンを確保している。コーナリング中に何か予期せぬことがあっても対応できる。これを知っちゃうと、10代の頃250や400のレーサーレプリカで、ヒザ擦って命がけで走ってた頃を思い出すと笑っちゃいますね。(笑)(BMWビギナー青木武史さん)

試乗車には両車共に、サーボモーターでリヤショックのスプリング・プリロードと減衰力をハンドル左のボタンひとつで自動調整できるESA(電子調整式サスペション/オプション)が装備されていた。ソロ、ソロ+荷物、タンデムが選べ、前後のダンピングはコンフォート、ノーマル、スポーツと、合計9通りの設定が可能だ。ワインディングで積極的なライディングが楽しみたいなら、スポーツモードをチョイスしてみよう。もうリプレイスサスはいらなくなった!?

なんたって加速が良いですね。どこまでもスピードが出そうでしたよ。特にSはプロテクション効果も高いし、どんなにスピードを出しても恐怖心をまったく感じなかったです。Rよりもプラス30~40km/hで走れる感じ。500~600kmぐらいの距離を一気に走りたいバイクですね。だからといってRで高速道路を走るとツマラナイかというと、その逆。戦闘的なポジションで、どんどんアクセルを開けたくなる。スピードメーターを見たらとんでもない速度域に入ってましたから、高速で物足りなさを感じることはまずないでしょうね。上体を伏せるとショートスクリーンの効果も判りましたよ。(BMWビギナー青木武史さん)

テレレバーに続く、BMWの先進サスペンションが「デュオレバー」だ。操蛇と緩衝システムを分け、アンチノーズダイブ機能生じさせるという考え方はテレレバーと同じ。しかし、サスが沈むとキャスターが立ち、加速時は寝る方向へと作用する動きはテレレバーとは対照的だ。要するに、アクセルを開ければ開けるほど直進安定性が増すように設計されているのがデュオレバー。K1200の圧倒的な直進安定性は、このデュオレバーがもたらしているのだ。

大人になった現在ならS
昔だったらRを選んだね

市街地、高速道路、ワインディングで2台を比較試乗しましたが、どちらか1台を選べと言われたなら、いまの自分だったらK1200Sに軍配です。高速巡航も楽しくて快適だし、ワインディングもかなりのハイペースで安心して走れる。パニアを付けて彼女と高速タンデムツーリングっていう使い方がベストですね。だけど20歳ごろだったら絶対にRだった。斬新なデザインもいいし、パフォーマンスも最高。街乗りもワインディングもガンガン走って、ヤンチャにカッ飛ぶ。羽を付けたら離陸しそうな加速が最高でしたね。それから、BMWって「値段が高い」ってイメージがありましたけど、これだけの内容を考えると決して高くないですよね。いまのバイク、乗り換えを考えていたから、今回の試乗は刺激になりました。今度の休日はディーラーへ足を運んでみようと思います。(笑) (BMWビギナー青木武史さん)

コメンテーター

K1200S、K1200R、R1200GSの3台に試乗していただいた皆さんをご紹介いたしましょう。 みなさん、国産バイクのオーナーの方々で、BMWに乗るのは今回が初めて。

プロフィール
青木 タカオ
二輪誌を中心に執筆活動を続けるフリーライター。16歳で中型二輪免許を取得して以来、バイク歴は17年と長い。’89年式BMW R80を所有しているが、最近は最新モデルにも興味津々。年齢33歳、身長174cm、体重67kg。
プロフィール

青木 武史

アイドルのグラビア撮影など、売れ筋一般誌でも活躍中の新進気鋭の若手実力派フォトグラファー。10代の頃はレーサーレプリカでヒザを擦って走っていた走り屋さん。現在の愛車はFJR1300。年齢27歳、身長175cm、体重75kg。
ピックアップ情報