VIRGIN BMW | BMWバイク比較インプレッション「R1200GS vs R1200GSアドベンチャー」 特集記事&最新情報

BMWバイク比較インプレッション「R1200GS vs R1200GSアドベンチャー」

  • 掲載日/2006年12月11日【特集記事&最新情報】
  • 取材協力/BMW Motorrad Japan  コメンテーター/青木 タカオ、青木 武史
BMWバイク比較インプレッション「F800S vs F800ST」

最果ての地までライダーを導く旅の相棒R1200GS
スタンダードのGSか、サバイバル性を高めたアドベンチャーか!

1980年に初代R80G/Sが誕生して以来、パリ・ダカールラリーを幾度となく制覇するなど数々の伝説を生みながら、最強のサバイバルバイクとして世界中で人気を獲得してきたGSシリーズ。1980年のR80G/S誕生から26年を経て、現在のラインナップではR1200GS、そしてR1200GSアドベンチャーの2本立てとなっている。両車とも基本構成は同一とし、エンジンは100ps/7000rpmのパワーを発揮する1169ccの空冷OHC4バルブ水平対向2気筒エンジンを搭載。バランスシャフトを採用し、ボクサーエンジンが生み出す振動を低減している。大柄ながらスリムな車体に左右に張り出したエンジンが、伝統的なGSスタイルだ。GSのコンセプトはゲレンデ&シュトラッセ、道を選ばない点にある。高いウインドプロテクション効果を発揮する大型スクリーンを備え、テレレバー&パラレバーの前後サスペンションの組み合わせは、乗り手に優しい作動性と高い走破性を両立。悪路も走れる装備やロングランを強く意識した車体構成は、ライダーに旅心を与えてくれる。「旅の相棒」として、多くのファンを魅了し続けるのも頷けるというものだ。

さて、GSとアドベンチャーの装備に注目してみよう。R1200GSはガソリンタンク容量20L、車両重量240kg。これに対し、R1200GSアドベンチャーは、タンク容量33Lに拡大。スクリーンを大型化し、エンジンガードやタンクガードを追加。前後サスストロークを20mm延長するなど、よりサバイバル力を高めた仕様となっているが、車両重量は258kgと、わずか18kgの増加にとどめている。価格設定は、スタンダードのGSが197万4000円~199万5000円なのに対し、アドベンチャーは217万3500円。この2台の装備と価格差は、GS購入を検討している人を大いに迷わすだろう。

今回も試乗し、自らのお気に入りの1台を選び出すのはBMWビギナーの青木武史さん。それをサポートするのは、BMW専門誌をはじめ二輪誌各誌で活躍するフリーライター青木タカオの青木コンビだ。最強サバイバルバイクGS比較5番勝負。青木武史さんはどちらがお好みか!

今回のモデルはボクにとって、とても新鮮ですよ。ハンドガードが付いているオフロード車みたいな装備やポジションで、ダートも行けるっていうキャラクターはアダルティで高級感があるBMWのイメージからは想像できませんでした。でもBMWって、パリ・ダカなどのラリーレースに出場して、いつも優勝してるんですってね。ボクの中ではBMWのオフロードモデルって、いままではイメージできませんでしたが。聞けば1980年からGSシリーズの初代モデルが登場していて、ラインナップの中では常にトップクラスの人気があったとか。チョッピリ驚いたけど、タフで信頼性があるドイツ製のオートバイ、BMWならアリだってすぐに考えを改めました。

実車2台を目の当たりにしたら、人気があるっていうのも頷けますね。もっとオフロードモデル的なのかと思っていたけど、やっぱりBMWはBMW。高速巡航が得意そうで、どこまでも走って行けそうな長距離ツアラーの香りがプンプン。グリップヒーターやABSブレーキなど装備は豪華で、例に漏れず高級感がある。デザインも洗練されているのが好印象です。ただ、車体の大きさはハンパないですね。BMWはどのモデルもすごく大きいですが、GSシリーズはその中でも特別大きいですよね。究めたライダーが最後に行き着く、バイクの王様って感じです。(BMWビギナー青木武史さん)

R1200GSに対しアドベンチャーはタンク容量を13Lアップし、航続距離700kmという驚異的な長距離走行を可能にしている。また、アドベンチャーにはエンジン&タンクガードや、より大柄なウインドスクリーン、オフ性能を意識したブレーキペダル、20mmストロークを延長した前後サスペンションなどを装備。メーターの機能もアドベンチャーの方が多機能化されているが、重量の増加は18kgに抑えられている(GS=240kg、アドベンチャー=258kg)。最高出力100ps/7000rpm、最大トルク11.7kg-m/5500rpmは同一で、フレーム、前後ブレーキ(フロントφ305mmダブルディスク/リヤφ264mmディスク)、タイヤサイズ(フロント110/80R19、リヤ150/70R17)など、基本構成は両車とも全く一緒だ。ノーマルのGSはクロススポーク仕様(199万5000円)とキャストホイール仕様(197万4000円)の2タイプ、アドベンチャーはクロススポーク仕様(217万3500円)のみだ。

実車を見ると「こんなに大きなオートバイに乗れるのか」って不安になりますが、跨がってしまえば意外にもポジションはコンパクトに感じますね。足つき性は思ったより良くて、悪かったら乗れないでしょうね。女性や小柄な人には厳しいでしょう。身長175cmのボクでスタンダードのGSは右足のみ出してベッタリ着地、両足出しなら少しカカトが上がる感じ。アドベンチャーは右足出しでカカトが浮く感じ。両足出すとつま先立ち状態です。試しにアドベンチャーのハイポジションを試してみたけど、いくらなんでもコレは高すぎる。身長180cm以上ないと無理でしょうね。ドイツ人ってデカイんですね。(笑)

両車ともハンドルは幅広で、リラックスしたポジション。ロングを走るにはうってつけのポジションで、タンクもしっかりニーグリップできる。アドベンチャーのオフ仕様なステップも違和感なく使えますね。(BMWビギナー青木武史さん)

車体の大きなバイクは足つき性が気になるもの。前後サスペンションのストロークを20mm延長しているアドベンチャーはシートも専用で、これに伴いシート高を50mmアップ。GSが840/860mmなのに対し、アドベンチャーは890/910mmというわけだ。 シート形状は先代の1150に比べればとてもスリム。これにより足つき性は改善されている。アドベンチャーはセンターバーにハンドルガードを備えた専用バーを採用している。跨がってしまえば両車ともとても軽く感じ、片足が地面に着けば、立ちゴケする恐怖心はそれほど感じないはず。エンジンガードとタンクガードが装着されているアドベンチャーなら万が一立ちゴケしても、ダメージはさほどないのが嬉しいかぎりだ。

K1200シリーズのような鋭い加速やエンジンの伸びはないけれど、ボクサーツインエンジンはやっぱり扱いやすくて乗りやすい。前回、R1200RTに試乗させていただきましたが、やはり同じ印象。左右に張り出したエンジンは、いかにもBMWって感じでカッコイイです。2台のGSはスリ抜けも普通にできて、市街地もストレスは感じませんね。堂々としたポジションで、クルマを見下ろす感覚はGSならではの優越感。アドベンチャーの方が上質な乗り味なのはどういうわけでしょうか。

センタースタンドがけにも挑戦しましたが、両車とも全く問題なく上がりました。なぜか、アドベンチャーの方が軽く感じましたね。今回はオフロードを走る機会がなかったけど、ダートでの乗り味がとても気になります。フラットなダートならハイスピードでガンガンいけそうですよ。大きなジャンプとかは無理そうですけど。(笑)(BMWビギナー青木武史さん)

基本構成を同一とする2台は、ファイナルも含めてギア比も同じ。ということは満タン状態の場合はタンク容量が13L多いアドベンチャーの方が、スタート時などでエンジン回転を若干上げることになるはずだが、特別意識しなければそれを体感することはまずないだろう。フラットツインは低中速のトルクもあって、市街地でもキビキビ走れる。乗り味は、ストロークが延長されているアドベンチャーは初期動作がソフトで乗り心地がいい。青木武史さんがアドベンチャーの方が上質な感じがすると言ったのは、前後サスの影響が大きいと思われる。また、センタースタンドがアドベンチャーの方が軽く感じたというのは、アドベンチャーはスタンドの形状と取り付け位置を変更しているためだ。今後、日本に入荷されるGSは、スタンダードも同様に改善されているはずだ。

これだけ大きな車体をワインディングで振り回す自信はなかったですが、いざコーナリングを攻め込もうと思うと、なかなかのハイペースで走れることに気づきました。2台ともハンドリングはとても軽快で素直。サスペンションもしっかり踏ん張る感じだし、ボクサーツインのバンク角は相変わらず深く、どこまでも倒して行けそうな感覚ですね。スロットルレスポンスも良く、いざというときはABSブレーキが頼りになる。撮影した場所はタイトなコーナーでしたが、日本にありがちなこういうコーナーでも重さを感じませんね。日本の山岳地帯に多いタイトコーナーが続くようなシチュエーション、リッタークラスのツアラーが苦手にしそうなステージでもGSなら楽しく疲れ知らずで走れそうですよ。(BMWビギナー青木武史さん)

走っている限り、このバイクの車重が240kg(258kg)もあるなどと意識することはない。ハンドリングは軽快で、バンク角も十分。フロントのテレレバーのおかげで、コーナー進入のブレーキングで、フロントノーズがダイブする動きも抑えられ、安定したままコーナーに入って行けるのだ。

また、加速時や減速時にリヤエンドが上下するという従来のシャフトドライブ車に起こる挙動を、ファイナルギヤとスイングアームの間にピポットを設けることでこの動きを抑制したのがリヤのパラレバーだ。軽量化と高剛性を両立し、バネ下荷重を低減。フロントのテレレバーともども、GSの高い旋回性に大きく貢献しているのだ。

高速巡航の快適さは「さすがBMW!」と唸ってしまいますね。前回試乗したR1200RTは素晴らしかったけど、GSも負けてないかも。ダートも行ける仕様と聞いて、正直、高速道路はダメだろうなと想像していましたが、それはまったくの誤解。どこまでも走り続けたくなるというGSの真価みたいなものを高速巡航で感じました。というのも、プロテクション効果が高く、エンジンがマイルドだから疲れ知らず。アドベンチャーはより防風効果が高く、満タンなら航続距離700kmというじゃないですか。これはスゴイ! 長距離ツーリングが大好きなボクとしては大きな魅力ですよ。

アドベンチャーの方がプロテクション効果が高いのは、スクリーンが大きい分もありますが、ディフューザーの効果も大きいんでしょうね。追い越し車線をどこまでもノンビリした気分で走り続けられますね。(BMWビギナー青木武史さん)

GSと比較して、アドベンチャーのスクリーンは高さも幅も大型化。ガソリンタンクとスクリーンの間にディフューザーも追加され、ウインドプロテクション効果をさらに高めている。スクリーンは両車とも可動式で、手動ダイヤルをまわせば6段階のポジションを選択できる。高速走行時はハイポジションに固定すれば、プロテクション効果をさらに向上することができる。冬場にありがたいグリップヒーターも備えている。

試乗するまではGSシリーズを勝手にオフ車とイメージしてたけど、この2台をオフ車と呼んでしまうのは間違いですね。高速巡航が得意で、ワインディングも軽快。市街地もストレスなく走れて、ダートで持ち味を発揮する。このカテゴリーはGSでしかあり得ないって感じです。

2台のGSのうちどちらかを1台を選べと言われれば、アドベンチャーでしょうね。20万円弱の価格差で、容量の大きいガソリンタンクやエンジン&タンクガード、ストロークアップした前後サスが装着されているならお買い得ですよ。足つき性が気になるならスタンダードのGS用シートに換えちゃえばいいと思いますしね。ギザギザなステップや機能がスタンダードよりも充実しているメーターもポイント高い。それよりもカラーリングも大いに迷っちゃいますね!オプションのパニアケースは絶対に装着するでしょう。 (BMWビギナー青木武史さん)

コメンテーター

K1200S、K1200R、R1200GSの3台に試乗していただいた皆さんをご紹介いたしましょう。 みなさん、国産バイクのオーナーの方々で、BMWに乗るのは今回が初めて。

プロフィール
青木 タカオ
二輪誌を中心に執筆活動を続けるフリーライター。16歳で中型二輪免許を取得して以来、バイク歴は17年と長い。’89年式BMW R80を所有しているが、最近は最新モデルにも興味津々。年齢33歳、身長174cm、体重67kg。
プロフィール

青木 武史

アイドルのグラビア撮影など、売れ筋一般誌でも活躍中の新進気鋭の若手実力派フォトグラファー。10代の頃はレーサーレプリカでヒザを擦って走っていた走り屋さん。現在の愛車はFJR1300。年齢27歳、身長175cm、体重75kg。