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最新の横置き4気筒のK1200GTか 横置き水冷4気筒エンジン+デュオレバーの「K1200GT」か、それとも伝統のボクサーツインを搭載する「R1200RT」か。“究極のツアラー”と世界中で評価を得ているこの2台から、どちらか一方を選ぶというのは非常に難題だ。今年5月下旬にデリバリーがはじまったばかりの話題のニューフェイスK1200GTは、最新の水冷並列4気筒エンジンを搭載。先代までの縦置きクランクを横置きに改め、22psという大幅なパワーアップを果たすが、エンジンを超低重心に配置し、ニューシャーシ+デュレバーの組み合わせにより、国産4気筒モデルとは一線を画す操縦安定性を確保しているのが特徴だ。
一方、2005年にフルモデルチェンジされたR1200RTは、伝統の空冷水平対向2気筒エンジンとテレレバーの組み合わせで、長距離ツアラーとしての快適性にさらに磨きをかけ、スポーティさもますます高めている。今回も試乗し、自らのお気に入りの1台を選び出すのはBMWビギナーの青木武史さん。それをサポートするのは、BMW専門誌をはじめ二輪誌各誌で活躍するフリーライター青木タカオの青木コンビだ。最強スピードツアラー比較5番勝負。究極の対決とも言えるこの2台の勝負。さぁ、青木武史さんはどちらに軍配を上げるか!
その前に、カタログを見ておきたい! なんて人はこちら
K1200GTは、前回乗せていただいたK1200SやRと同じエンジンなんですよね? スポーツツアラーが大好きなボクとしては、K1200シリーズの中でイチバン気になっていたモデルです。いかにもヨーロッパ的なデザインでボク好みですし。デュオレバーは前回の試乗で好印象だったし、今回も楽しみです。それからR1200RTは、いよいよボクサーツインに乗れるっていう感動があります。というのもボクは、BMWの水平対向2気筒エンジンに乗るのは初めて。昔のモデルは、もっとエンジンが左右に大きく張り出しているカンジがありましたけど、新しいのはそうでもないですね。外装とキレイにまとまっているから、そう感じないのかも。サウンドは、両車ともにやはりジェントルですね。大人のバイクってカンジがします。(BMWビギナー青木武史さん)
K1200GTが搭載する並列4気筒エンジンは、K1200Sの最高出力167ps/10,250rpmに対し、低中速域を充実させるために152ps/9500rpmとわずかに落とされているが、このクラスのツアラーとしてはトップクラスのパフォーマンスを備えている。走り出してすぐ気付くのが、K1200SやRよりも扱いやすいということ。高速巡航の快適さは、もちろんRやSを凌ぐ。RTは1169ccの水平対向2気筒で110ps/7500rpmを発揮。ハイウェイクルージングはもちろん、低速トルクも豊かで市街地での扱いやすさも特筆しておきたい。両車ともパーシャリーインテグラルABSを装備し、ブレーキのコントロール性、制動力は申し分なし。ボタンひとつで自由に高さ調整ができるウインドシールドの装備も、ツアラーとしての魅力を一層高めている。
身長175cmのボクは、両車とも足着き性に問題はなかったですね。RTは大柄なボディに不安を感じましたが、さすがにボクサーツインの車体は軽くて取り回しも苦にならない。上体の起きたゆったりとしたポジションで堂々とした気持ちで乗れますね。ポジションの自由度は大きいし、これなら長距離を乗っても疲れないでしょう。次にGT。こちらもやっぱりゆったりしてますね。でも、シートが前傾していてシャープな形状であることなどから、ツアラーとしてだけでなく積極的に走りも楽しもうっていう姿勢もうかがえる。ポジションの自由度が高いから下半身も積極的に動かせるから純粋にライディングが楽しめそう。ドーンと座るカンジのRTよりも、スポーティな気分にさせてくれるGTの方がボクは好みでしたね。タンクのえぐれが跨ったときの足の形にジャストフィットするカンジも良かった。スポーツ走行も積極的に楽しもうというGTに対し、RTはどこまでも走っていきたくなるようなゆったりしたポジションでしたね。
シートは両車とも2段階に調整が可能なんですね。体格に合わせて選択できるのは嬉しいです。ボクの場合は、足着き性に不安はないのでハイシートにしました。足の曲がりが楽になり、ポジションは一層楽になりますね。(BMWビギナー青木武史さん)
シート高のカタログデータを見るとRTが780/800mm、GTが800/820mmと、GTの方が若干高くなっている。このシート高は、小柄な人には足着き性に不安を感じさせる高さだが、低重心がゆえに取り回しは想像以上に楽なはず。ポジションはやや腰高だが、先代と比べれば自由度は圧倒的に上がっており、走行中に積極的に姿勢を変えることができるゆとりがある。ロングツーリングで長距離を走ったときの疲労感にも大きな差が出るはずだ。青木武史さんがジャストフィットすると感じたポジションは、おっしゃるとおり長距離ツーリングだけでなく、ライディングを楽しもうという意志が感じられる。 一方、RTのポジションは上体の起きたポジションで、ツアラー然としたもの。しかしながら足着き性も良く、シートの座り心地も快適そのもの。GTよりも、さらにゆったりとした気持ちにさせてくれるポジションだ。
市街地走行で、RTは辛いかなって思ってましたが、そんなことまったくありませんでした。なんたってハンドリングが軽くてヒラヒラ感がものすごくある。エンジンは上品なサウンドで全域でフラット。吹け上がっていくカンジが気持ちよくて、これがBMWの水平対向エンジンかって妙に感心しちゃいました。低中速がトルクフルで、これなら高速道路をおりた後、一般道をノンビリ走るのも悪くないですね。超高速で移動できるハイスピードツアラーなのに、ゆったりと市街地も乗れる。これがフラットツインの素晴らしさなんでしょうね。
RTから乗り換えるとGTは一層パワフルに感じる。行きたいところへ即座に行けるクイックな反応が好印象。機敏さがあってツアラーとしてだけでなく、スポーツバイクとしてでも高次元なモデル。重さを感じさせない2台は、都内で渋滞にはまっても大丈夫でしょうね。ただ、実際に車体はかなり大きいので、スリ抜けは少し不安でした。とは言うものの、普段はガンガン行くところを、少しだけ抑え気味にしておこうって感覚ですよ。決してスリ抜けが苦になるというわけではありません。(BMWビギナー青木武史さん)
ガソリン満タン、走行可能状態にしたときの車両重量はGTが300kg、RTが281kgと19kgの差が2台にはある。燃料タンクはRTが27リットルでGTが24リットルなので、RTの車体はこのクラスとしては非常に軽いのがわかる。ちなみにヤマハのFLR1300ASは乾燥重量で268kgあるから、GTも決して重くはない。R1200RT、K1200GT、いずれも高速道路でのハイスピードクルージングはもちろん、低速トルクが豊かで一般道でも扱いやすい。ただし、都心部など混雑した道路状況ではやはり辛い面もある。40km/h以下でクルマについていくような走り方をする場合は正直ストレスを感じる。この両車においては、市街地がイチバン苦手なステージであることは否めない事実だ。
K1200GTはポジションもしっくりくるし、思いのまま走ってくれますね。旅バイクと決めつけるのは間違いで、想像していたキャラクターとはだいぶ違います。ポジションの自由度が高くて積極的にコーナーが攻められる。スポーツバイクといっても遜色ないレベルですね。なんと言っても低重心で、路面に貼り付いていくようなトラクションの良さを感じましたよ。
まったく別の感覚ですが、RTもひけをとらない。RTは魔女がホウキに跨って空を飛んでるみたいにスムーズにコーナリングできる。ボクサーツインのコーナリング性が高いのは、雑誌などを読んで知っているつもりでしたが、こんなに軽快だとは。バンク角も深いし、これは面白いですね。ただ、スロットルレスポンスがGTにくらべると物足りない。車体は軽くて扱いやすいんですが、絶対的なパワー感がもう少し欲しい気がしました。正直、ワインディングを走る時間が足りなかったですね。オプションのESAを使う時間もありませんでしたが、標準設定のままでもサスペンションに不満はなかったです。次回は箱根あたりでじっくりワインディングを楽しみたいところです。(BMWビギナー青木武史さん)
K1200GT、R1200RT、2台のツアラーに乗ると、ハイスピードツアラーだからといって、スポーツ性が犠牲にされていないところがBMWの素晴らしさであることを思い知らされる。リラックスしたポジションのままペースを上げていけば、相当なスピードレンジでワインディングを駆け抜けていることに驚かされる。GTはさらに積極的なライディングが可能で、その気になればスポーツバイクのペースに匹敵する旋回性を持っている。センターに座ったまま、安全マージンを十分残しながら攻め込んでいけるRTも、想像以上のハイペースがキープできる。やはり車体の軽量さでアドバンテージを受けており、バンク角も非常に深い。いずれのモデルにもオプションでESAが装着されていたが、これをスポーツモードに切り替えれば、走りが一層楽しくなる。
高速道路に乗ると2台の真価が解りますね。両車とも甲乙付けがたい素晴らしさ。スピードレンジはK1200GTの方が20kmくらいプラスアルファで走る感覚ですが、ホントに長い長い距離を走ったときの疲労度はRTの方が少なそうですね。たとえば、東京-鹿児島を往復するとかそういう次元で。どちらも快適性は最高に近いんで、これは究極な話ですけど。(笑) どっちのモデルにも装着されている電動で調整できるウインドプロテクションも気に入りました。高速走行時にウインドを目一杯上げると、ホントに楽チン。少しぐらいの雨なら身体も濡れないでしょうね。
エンジンはやっぱりKの方が好みかな。パワフルに吹け上がっていくカンジは並列4気筒ならでは。4発好きなボクとしては馴染みやすい。RTのボクサーツインはハイスピードレンジになってくるとレスポンスがチョット悪い。クルマの間を練っていくようなクイックな走り方をしようと思うとGTに軍配が上がります。RTは追い越し車線をノンビリ走っていくのが本当に気持ちイイですね。ノンビリといっても速度域はノンビリじゃないんですけどね。気持ちはゆったり走れるからスゴイ。急制動も前後連動のABSブレーキだから安心してガツンとレバーを握ることができる。バイクを信頼して超高速で走れるっていうのは、このクラスならではですね。(BMWビギナー青木武史さん)
いよいよ高速道路。先に言っておくが、この両車はこのステージでは世界中のあらゆるモデルを集めてもトップクラス。もの足らない部分は到底見つかりそうにない。しかし、単純にハイスピードを競うなら、K1200GTの勝ちだ。デュレバー+低重心位置搭載の水冷4気筒は、オートバイの常識を越える安定性と快適さ。プロテクション効果も高く、快適度も非常に高い。RTの本来持っている高速巡航性の高さは、長い旅をすればするほど感じることができるだろう。いつまでも走っていられるマイルドさがあり、安定感がある。オプションとしてオーディオもあるので、長旅で退屈することはなさそうだ。オプションといえば、どちらのモデルもクルーズコントロールが備えられている。ハンドル左のスイッチで速度設定ができ、スロットル、ブレーキ、クラッチ操作ですぐに解除できる。混雑していて、日本の道路では使えないだろうと思うかもしれないが、慣れてしまえば短い距離でもそのメリットは大きい。たとえ一瞬でも、右手の力を抜けるというのは疲労軽減に大きく貢献するからだ。さらに冬場に重宝するグリップ&シートヒーターも両車備えており、こちらもありがたい。
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コメンテーター BMW比較5番勝負に参加するコメンテーターをご紹介します。 ![]() 二輪誌を中心に執筆活動を続けるフリーライター。16歳で中型二輪免許を取得して以来、バイク歴は17年と長い。'89年式BMW R80を所有しているが、最近は最新モデルにも興味津々。年齢33歳、身長174cm、体重67kg。 ![]() 青木 武史 アイドルのグラビア撮影など、売れ筋一般誌でも活躍中の新進気鋭の若手実力派フォトグラファー。10代の頃はレーサーレプリカでヒザを擦って走っていた走り屋さん。現在の愛車はFJR1300。年齢27歳、身長175cm、体重75kg。 |