VIRGIN BMW | GSの名を冠した単気筒モデル「F650GS」の登場 GSナビ

GSの名を冠した単気筒モデル「F650GS」の登場

  • 掲載日/2008年07月01日【GSナビ】

F650GS

BMWバイクGSシリーズの画像

GSの名を冠した単気筒モデル
F650GSの登場

今回のGSナビではF650GS(単気筒)を取り上げた。現在では並列2気筒エンジンを搭載した新型F650GSも登場しており、もはや“GS”の符号がボクサーエンジンの専売特許ではないことは周知の事実だ。しかし、2000年当時、この単気筒のF650に“GS”の名が冠されたことは、画期的な出来事だった。

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このモデルの先代にあたるF650ファンデューロはドイツ(BMW)、オーストリア(ロータックス)、イタリア(アプリリア)の3カ国3メーカーの合作という「ユーロバイク構想」として脚光を浴びたが、その成り立ちゆえにBMWの正式なシリーズとしては認知され難いという側面をもっていた。しかし、今回取り上げたこのモデルに“GS”という符号が与えられたことにより、“F”は熱心なBMWファンからも正式なシリーズとして迎えられ、それと同時に、「GS=ボクサー」という呪縛を解かれたとも言えるのだ。また、エンジン自体は引き続きロータックス製単気筒であったが、インジェクションやABS、キャタライザーといったBMWらしい装備が与えられていたことからも、BMWのこのモデルに対する思い入れが窺える。

このモデルを改めて振り返ると、800ccの2気筒となった現行F650GSが、なぜそのモデル名を受け継いでいるのか、おぼろげながら見えてくる。そのような意味で、このF650GSはとても重要なモデルだと言える。

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先代に比べると格段に軽快なデザインが与えられたF650GS。オフロード性能が強化されたことを表現しているかのようだ。

発展性を見据えた設計と
本気の作りこみ

F650GSを詳細に見てみると、BMWがこのモデルに対して発展性を見据えた真剣な作りこみを行っていたことが明らかになる。まず、車体の基本骨格であるメインフレームは、ステアリングヘッドとスイングアームピボットを直線的に結んだツインスパータイプのブリッジチューブフレームを新開発。各部の剛性も最適化され、アプリリアのペガソをベースとしていた先代よりも大幅に洗練された車体構成となっていることが分かる。

また、エンジンもボアストロークなどの基本設計に変化はないものの、インジェクションによる燃料供給や圧縮比のアップによる出力向上、プラグのシングル化、冷却系やクラッチの見直しなど、数々の改良が施されている。

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F650GSとなりメインフレームや足回りも完全に新設計されている。強化された車体により、タンデム・積載時の安定性も向上した。

また、エンジンマネージメントに関しても、ボッシュ製のモトロニックからBMWが独自に開発したBMSと呼ばれるコントロールユニットに改められ、コンパクト化の実現とともに始動時のアイドリング制御なども自動化。チョークレバーもこのモデルから廃止されている。オプションであったABSはその重量2.1kgと、従来型から約3kgも軽量化され、省電力化も図られた。

さらに、省スペースと容量確保、キャタライザーの装備を実現するためにマフラーを左右2分割化するというアイデアも投入されている。このように、F650GSは先代のコンセプトを受け継ぎつつも、もはや全く別物と言える構成となっており、このモデルに対する当時のBMWの本気が伝わってくる仕上がりとなっている。

オン・オフ両面での進化を遂げた
F650GSの可能性

先代のややぽっちゃりとしたデザインと比較すると、このF650GSでは全体的にスポーティーな外観が与えられた。それは走りの面でも同様で、安定志向が強かった先代と比較すると軽快なハンドリング与えられている。それに合わせるかのように、エンジンのレスポンスも向上しており、右手をひねることで車体を安定させる走りも容易。ハンドリングとエンジンをトータルでチューニングしたかのような走りはさすがBMWと言ったところだ。

また、インジェクションの躾も秀逸。アクセルが低い開度の時は穏やかに、意図的に開けた時は積極的にレスポンスするので、キャブレターに慣れたライダーも戸惑うことはない。この3,500回転から6,500回転で元気なキャラクターを見せるエンジンを駆使すれば、相当な早さでワインディングを楽しむこともできる。

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ツインテール風に見えるマフラーを装備したリアビューは新鮮だった。スイングアームに搭載されるマッドガードが“GS”であることを主張。

そして、F650GSの発売当初は大幅にオフロード性能が強化されたことも話題となった。先代の走りはどちらかと言うとスクランブラー的だったが、このF650GSからデュアルパーパスモデルとしての純度が高められているのだ。もちろん、前170ミリ、後ろ160ミリというサスペンションストロークは本格的なオフロードモデルではないことを示しているが、それでも足回り全体のチューニングが上手くまとめられているため、林道などでは十分な吸収性と路面追従性を確保している。

また、オンロードでは軽快なハンドリングもオフロードでは相対的に安定志向となり、元気の良いエンジンとの相性も悪くない。フラットダートであればかなり豪快な加速を楽しむことができる。

オン・オフ、ツーリングを程よくこなせるオールラウンダーぶりはこのF650GSで熟成極まったと言えるだろう。そしてその優れたコンセプトはモデル名と一緒に新型に引き継がれた。しかし、バランスに優れる単気筒モデルが姿を消した現在、このF650GSの魅力が再認識されるべき時期にきているのかもしれない。

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F650GSに与えられた新しい顔つきは既存ユーザーからも好評だった。また“GS”として欠かせないオプションは一通り設定されている。

F650GSの特徴

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完全新設計の車体と足回り

ステアリングヘッドからリアのスイングアーム・ピボットまでを直線的に結ぶメインフレーム。剛性バランスも最適化されている。

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数々の改良がほどこされた水冷4ストロークDOHCエンジン

外観からは想像も出来ないほど多くの改良が施されたエンジン。ヘッド周りの構成から、そのスポーティなキャラクターが想像できる。

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軽量化と省電力化を両立 新開発のABSシステム

オプション設定された省電力の新型ABS。一挙に3kgの軽量化を実現し、その重量はなんと2.1kg。当然、運動性の高さに寄与している。

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BMWが独自開発したマネジメントシステム

独自開発したBMSと呼ばれるコントロールユニットを採用。コンパクトなシステムだが、各部のセンサーと連携してきめ細かい制御を実現。

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省スペースと大容量を両立 ツインテール風のマフラー

ツインテール風マフラーの凝った構造を示すイラスト。排圧をコントロールする左側は排気口が小さい。キャタライザーは右側に内蔵。

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都会的なデザインのハンドル周り

メーターパネルには非対称のレブカウンターとスピードメーター並ぶ。デジタルのオド/トリップメーター、時計を装備している。

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