モデル

当時の世界最高速度
216km/hを達成した名機

BMW初の750ccとして、先に登場したサイドバルブの「R62」と比較すると、「R63」にはよりスポーティなOHVエンジンが搭載されていました。「R62」の78mm×78mmというスクエアのボア・ストロークに比べ「R63」は83mm×68mmとショートストロークになっていたことからも、そのエンジン特性を窺い知ることが出来ます。750ccという大排気量とこのエンジンの性格から「R63」は、ある記録へのチャレンジに使用されました。そう、1929年にエルンスト・ヘンネによって行われた世界最高速度記録への挑戦です。「R63」にスーパーチャージャーを搭載した車輌をアウトバーンへ持ち込み、ヘンネと「R63」は周囲の期待通りの結果を成し遂げました。1929年というモーターサイクル黎明期に『時速216km』という記録を打ち立てたのです。もちろん、偉大な車輌として「R63」の勇名は世界に広がりました。

その当時のMotorradとしては最速の速さを誇った「R63」にはBMWのコストを惜しまない姿勢が垣間見えます。同時期のモデルである「R62」より、材質のいいピストンを採用するなどがそうです。BMWが世界に向けて、その実力を声高に訴えかける、フラッグシップとしての誇りが感じられるモデルです。

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