VIRGIN BMW | 第7回 ニューボクサーの登場 BMWバイクの歴史

第7回 ニューボクサーの登場

  • 掲載日/2008年02月06日【BMWバイクの歴史】
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R1100RSの登場
革新的な新世代ボクサー

1993年ついにボクサーエンジンがリニューアルされました。バルブ駆動方式は従来のOHVからハイカムシャフトコントロールに進化し、さらに4バルブ化されるなど、エンジンの内容はすべてを刷新。また、高度に電子制御されたフューエルインジェクションを組み合わせることで良好なピックアップを実現しており、完全なるスポーツエンジンとしてのキャラクターを与えられていました。

R259と呼ばれるこのユニットは、水平対向2気筒・空油冷4サイクル4バルブOHCという形式で、1085ccの排気量から最高出力90馬力を発生。点火系とインジェクションシステムを集中的にコントロールするモトロニックと呼ばれるシステムで制御され、3元触媒装置を装着することで、より一層のローエミッションが実現できるように配慮されていたのです。

この革新的なニューボクサーを搭載した最初のモデルがR1100RSです。1992年のケルン・ショーで発表されたこのモデルは車体も革新的で、エンジンを車体の強度メンバーとして利用したフレームレス構造とともに、A型のアームを追加することでフロントサスペンションの性能を飛躍的に向上させたテレレバーサスペンションを採用していたのです。

また、制動力のアップにも余念がなく、ブレーキもABS IIに進化。著しく性能がアップしたコンピューターの恩恵により、さらに細かいブレーキ制御を可能としていました。その他、3段階に調整可能なシートやハンドルバー、ダイヤル可変式のウインドシールド、豊富なオプションによる利便性など、先進的な装備とアイデアを満載し、R1100RSは世界中のライダーやジャーナリストから高い評価を受けたのです。

F650の登場
ヨーロッパ3カ国の合作

1993年にBMWは注目すべきラインナップを追加しています。それが当時唯一の単気筒モデルであったF650です。軽快なオンオフモデルのパッケージで纏められていたF650は、オンロードでの使用も十分に考慮したモデルで、それ故にまったく新しいジャンルを意味する“ファンデューロ”という愛称が与えられていました。

興味深いのはその生産体制で、オーストリアのエンジンメーカーであるロータックスが開発した水冷4バルブDOHC単気筒エンジンは、BMWによって細部に設計変更が加えられ、さらにイタリアのアプリリアで車体が組み立てられるという、ヨーロッパ3ヶ国の合作となっていたのです。F650の車体構成はアプリリアのオンオフモデルである“ダコタ”とほぼ共通で、テレスコピック式フロントフォークやチェーンによる駆動など、BMWの他モデルと比較すると極めてコンベンショナルなもの。しかし、実際に走らせると各部のセッティングや味付けはまさしくBMWで、ワイドなトルク特性や優れた加速性能などを誇っていました。

さらに、エンジンはイタリアンの血統を受け継いだシャープな吹け上がりを実現しており、スポーツシングルとしての性能は、あのビモータのBB1スーパーモノにもこのエンジンが採用された実績からも窺い知れます。

装備面でも、アジャスタブルのリアサスペンションや独特のハンドル形状、フェアリングデザインなどに独自の技術が活かされており、BMWのモーターサイクルとして相応しい仕上がりになっていましたが、後にフェアリングの大型化やオンロード重視のバリエーションモデルF650STの追加投入などが実施され、多くのファンを獲得しています。

R1100GS/R/RTの登場
R1100シリーズへの世代交代

1994年から1995年にかけては、新世代ボクサーR259を搭載したニューモデルが続々と発表されました。1994年に発表されたR1100GSは、その巨体と特徴的なデザインが注目を集めました。

また、先代のR100GSがフロントに21インチホイールを採用していたのに対して、新しいGSは19インチホイール。このことからも、このモデルが先代とは明らかに異なるオンロードやロングツーリングでの性能を重視したモデルであることが想像できました。エンジンや車体にはR1100GSのキャラクターを考慮した変更が施されたものの、車体はほぼR1100RS同様の構成とされ、フロントにはテレレバー、リアにはシャフトドライブの癖を抑えたパラレバーが採用されています。

この組み合わせは、GSというモデルに新たな魅力をもたらしました。オンロードでの快適なツーリング性能と、エンジンの低重心を活かしたオフロードの高い走破性を両立した、まったく新しいジャンルのモーターサイクルとして世界中から高い評価を受けたのです。

1995年にはR1100R/850Rロードスターが発表されました。このモデルは前年に発表されたR1100GSをベースにしていましたが、そのデザインはシンプルでベーシックなもの。エンジンとサスペンションには、このモデル専用のチューニングが施され、ストリートでの使い勝手に優れるエンジン特性とシャープなハンドリングを実現していたのです。

また、抜群のコーナーリング性能はワインディングを走るライダーからも好評で、一般的なベーシックモデルとは次元の異なる仕上がりとなっていました。小排気量モデルであるR850Rも単なる廉価版という位置づけではなく、通好みのモデルとして高い評価を受けました。それは、1100とはまったく異なるシャープな吹け上がりを実現したエンジンと、旋回性・安定性に優れる車体の組み合わせが、スポーツライディングを愛する多くのライダーから認められたからに他なりません。日本でも良好なセールスを記録したR1100RTも1995年にデビューしています。

車体構成はR1100RSとほぼ同様としながらも、抜群の運動性能とパーフェクトなツーリング性能を高い次元で融合させたこのモデルは、新旧のファンから、もっともBMWらしいモデルとして絶賛されました。大柄でありながら、スポーティーでエレガントなフェアリングは、走行中も角度調節可能な電動式のスクリーンと合わせて、ライダーを風圧や悪天候から完璧に保護。気温が低い場合にオイルクーラーを通過した暖気を手元に導くダクトや、標準装備のオーディオ用スピーカーやアンテナなど、豪華な快適装備も話題になりました。

しかし、このモデルの本当の価値はあらゆるオンロードを快適に、スポーティーに走破する、正真正銘のグランドツアラーとしての走りにこそあったのです。

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