VIRGIN BMW | R1200GS(2008-) 試乗インプレ

R1200GSの画像
BMW Motorrad R1200GS

R1200GS(2008-)

  • 掲載日/2008年06月05日【試乗インプレ】
  • 取材協力/BMW Motorrad Japan  取材・写真・文/VIRGIN BMW編集部

外観上はマイナーチェンジだが
走りに関する変更は見逃せない

新世代の水平対向エンジンR259ユニットを搭載したR1100GSが発売されたのは1994年のこと。オン・オフ問わず十分な性能を有していたR1100GSが長距離ツアラーとしても極めて優秀なパッケージであることが認識され始めると、"GS"はその勢力を徐々に拡大。その後に発表された R1150GS、R1150GSアドベンチャーも次々と成功を収め、2004年に発表されたR1200GSはBMWの最多販売モデルにまで上りつめたのである。

そして、そのR1200GSが2008年モデルでマイナーチェンジを受けた。10年以上の年月をかけて人気モデルへと成長し続けてきたGSだけにドラマチックな変化は期待しにくい状況だが、こうして実物を目の前にして見ても、キープコンセプトであることは明確。外観上の変化は予想通り少ない。シート、フロントフェンダー、フロントフォーク、タンク、テールライト、ブレーキライトの変更に気づくが全体的な佇まいは従来モデルを踏襲している。しかし、それとは対照的に走りに関わる部分には重要な変更が加えられた。エンジンは5馬力ほど出力が向上し、ミッションは全面改良。メーカーオプションとしてエンデューロESA、エンデューロASCが搭載可能となったことなどが大きなトピックスだ。これらの変更により、GSの走りがどのように変化したのか。これが今回のインプレッションの最大のテーマである。

R1200GSの特徴

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エンジンと駆動系は全面改良
エンデューロESA/ASCにも注目

それでは、マイナーチェンジ後のR1200GSを詳細に見ていくことにしよう。まずはエンジンだ。数値的にはプラス5馬力でしかないが、実は設計変更ではなくエンジンそのものが変更されている。R259ユニット以降、BMWのボクサーエンジンには細部の仕様が異なる2系統のユニットが用意され、GS系はロードスター系モデルとエンジンを共通化し、その他とは違うエンジンを搭載するのが常だった。しかし、このモデルとなってからは、チューニングこそ異なるもののR1200RTやST、そしてRと共通のエンジンを搭載している。これにより、最高出力は500回転、最高トルクは250回転ほど高い回転数で発生し、それぞれ7500rpm、5750rpmとなった。また、オルタネーターは720ワットに強化されたほか、状況に応じてレギュラーガソリンも使用可能とされている。

次に注目すべきは駆動系。トランスミッションが全面改良されたほか、ファイナルのギアレシオも変更を受け、実質的には別物になった。両方ともエンジンの変更に合わせて新たなギアレシオが与えられたGS専用品で、全体としてはややローギアード化されている。また、高回転型になったエンジンとの組み合わせではあるが、若干燃費は向上。このあたりはエンジンのチューニングや熟成が進んだ証と言えるだろう。さらに、このGSで見逃せない装備が工場オプションのエンデューロESA/ASCだ。エンデューロESAのプリロードは従来型同様の3モードに加え、フラットダート、ハードダートの2モードを追加。ダンパーは、これまで通りのコンフォート、ノーマル、スポーツの3種類だが、組み合わせることでオフロード用のセッティング6パターンが追加されたことになる。エンデューロASCも従来型の進化版。オフロードをカバーする性能を兼ね備え、オン・オフ問わずリアタイヤの空転をセンサーが感知し、それを効果的に抑制するものだ。 このように、エンジンと駆動系の変更、そしてエンデューロESA/ASCの設定など、今回のマイナーチェンジは単なるフェイスリフトにとどまらず、走りの質を高めることに重きが置かれていることは確かだ。相当なコストをかけて実施された本気のマイナーチェンジであることが窺えるのである。

R1200GSの試乗インプレッション

基本性能はオンロードを追求
オプションでオフロード性能を強化

巨大なGSで街中をクルージングするのは相変わらず気分が良いものだ。4輪車のルーフを上から眺め、船のような乗り心地を堪能していると、多くのドライバーがギョッとした顔でこちらを見上げる。そんなシーンが繰り返されるのは歴代GSに共通した特徴だ。

1200になり、より逞しくなったエンジンの感触にも大きな変化はないようだ。しかし、従来モデルの極低回転域で稀に感じていた「もしかしたらエンストするかも」という不安感は完全に払拭。粘り強いエンジンに生まれ変わっていることに気づく。ユニット自体は若干だが高回転型になったので、この変化は駆動系全体の変更とエンジン制御の熟成によってもたらされているのだろう。発進時だけではなく、全域に渡ってトルクが一枚上乗せされた感覚があり、ワインディングを含むあらゆるステージでの俊足ぶりも相変わらずだ。フロントがテレレバーのため、ハンドルバーを持って多少強引に振り回すようなライディングでも破綻する気配すらない。むしろ、そうした乗り方が相応しいと感じてしまうほど、したたかなハンドリングには磨きが掛かっている。今回のマイナーチェンジによって、R1200GSの軸足はよりオンロード側に移されたと明確に感じた。

ところが、嬉しい誤算があった。それはオフロード性能でも大きな進化が見られたことだ。これをもたらしたのは紛れもないエンデューロESA/ASCの存在。特に印象的だったのはフロントサスペンションだ。とても良く動き、アクセルを開けるとスッとスムーズにフロントフォークが伸びる。従来のテレレバー車には希薄だった、ストロークを積極的にコントロールできる感覚があり、これがオフロードでの乗りやすさに繋がっているのだ。ダンパーは好みの問題もあるが、ソフトなセッティングを選択すると不整地でのロードホールディングが向上。オンロード向けのタイヤ性能をかなりカバーすることができた。

また、オフロード用のプリロード設定を選択することで車高は最大で20ミリアップし、走破性自体も高くなる。これにタイヤの空転を制御するエンデューロASCが装備されているのだから、GSというバイクにこれ以上何を望むのか、といった感じだ。全てのライダーに必要とは言わないが、GSでオフを走ることを考えているライダーには、この2つのオプションは強くお勧めしたい。

こんな方にオススメ

オンロードを強化した広大な守備範囲
軽快な走りならR1200GSに決まり

林道ツーリングやロングツーリングが好きな方はもちろん、街中を走る機会が多いライダーにもR1200GSはオススメだ。兄弟モデルにはR1200GSアドベンチャーもあるが、こちらは重装備のためか街中では少々重たい印象。1速をよりローギアードにして重量増に対応しているが、街中をキビキビと走るなら軽快なR1200GSにかなわない。また、こういった走りは本来RTやST、さらにはRと言った符号を持つモデルの守備範囲であったわけだが、販売台数が示すとおり、今やGSはBMWのメインストリーム。新型になったR1200GSが舗装路面での守備範囲を拡大しているのは当然の流れだと言えるだろう。用途に応じて前述のエンデューロESA/ASCなどのオプションをチョイスすれば、別途オフロード性能を補強することは可能なのだから、基本的な走りに軽快感を期待するのであればR1200GSが適任だと言える。

R1200GS プロフェッショナル・コメント

ベテランをも魅了する
奥深さを持つモデル

G650 X countryは人によって見方が変わるとても面白いモデルです。車体の安定性が高く、エンジンは低速トルクも十分。軽量な車体で扱いやすく、エンストもし難いので、エントリーユーザーの方にもお勧めです。足付きも悪くないので小柄な方にも最適でしょう。でも、それだけではないのがこのモデルの面白いところ。剛性たっぷりのフレームや見た目以上に高品質な足回りなどによって、かなりのスポーツライディングにも対応します。そのようなことから、ベテランライダーの方々からも評価が高いのです。実は、他メーカーのバイクに乗っているお客様にX countryを試乗していただくことが多いのですが、皆さんから「面白い」と言っていただけます。恐らく、軽い車体にパワフルで鼓動感たっぷりのエンジンを組み合わせているからではないでしょうか。

新型F650GSがデビューしたこともあり、現行のラインナップの中ではやや地味な存在となりつつあるG650 X countryですが、軽くて乗りやすいミドルクラスを探している方や、軽量で振り回せる面白いバイクを探している方には是非とも試乗していただきたいですね。フラットダートを走るのも面白いですよ。(BMW Motorrad Tokyo 店長 青木 正志さん)

取材協力
住所/東京都港区赤坂2-10-10
電話/03-3582-3231
営業時間/9:30~19:00(日曜日は18:00閉店)
定休日/毎週月曜日、第一・第二火曜日

R1200GS のカスタム01

R1200GSの画像

東京都 澤柳さん

初めてのBMWでも違和感なし
より自然になった新型GS

ドゥカティのムルティストラーダから乗り換えました。R1200GSが初めてのBMWでしたが、意外なほど違和感がありません。ポジションが試乗した先代よりも自然で、疲れにくくなりましたね。テレレバーのおかげで、加減速時のピッチングも少ないですし、これだけ大きいのに軽く曲がれるのもすごい。エンデューロESAもかなり使えるという印象です。ロングツーリングに出かけてもメンテナンスがいらないシャフトドライブですし、グリップヒーターなどの装備も気に言っています。数年に一度は北海道をツーリングしているので、きっとこれらの装備が活躍してくれると思います。

R1200GSの画像
【左】澤柳さんも気に入っているというシャフトドライブ。長距離や雨中の走行後でもメンテナンスフリー。 【右】真冬以外でも場所や標高によって活躍する機会が多いグリップヒーター。BMWの伝統的な装備だが、電子制御化されるなど車体とともに進化している。

R1200GS のカスタム02

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東京都 吉田さん

大幅に改良されたR1200GS
特に足回りは格段の進歩

少しのんびりとしたバイクに乗りたくなり、K1200Sから乗り換えました。先代にも試乗しましたが、R1200GSは新型になってすごく良くなったと思います。ポジションも楽になり、足回りもかなり改良されました。特にオフロード用のモードを追加したエンデューロESAに関しては、格段の進歩を感じます。このR1200GSは主にオンロードツーリングで乗っていますが、この足回りならダートで試してみたいですね。カスタマイズは、アクラポビッチのマフラーとアドベンチャー用の純正サイドスクリーンを装着しています。このサイドスクリーンは肘を中心としたプロテクションが向上するので、長距離を走る方にはお勧めですよ。

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【左】吉田さんのGSが装着しているアクラポビッチのマフラーは、適度な音量とワイルドな排気音が特長だ。 【右】肘やウエアの袖口をといった部分のウェザープロテクションを向上させるアドベンチャー用サイドスクリーン。長距離でその効果が実感できるという。

R1200GS の詳細写真

R1200GSの画像

兄弟モデルと共通化されたエンジン

2008年型モデルとなって、エンジンはRT、ST、Rとエンジンが共通化された。もちろん、GS専用チューニングが施されたユニットであることは言うまでもない。出力は5馬力プラス。レギュラーガソリンにも対応。
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GSとのマッチングが進むテレレバーサス

従来モデルから表面処理と色が変更された。フォークの内部構造に変更はないと思われるが、よりしなやかな感覚が強まり、エンデューロESA付きサスペンションユニットとのマッチングは非常に好ましい。
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全面改良が施されたトランスミッション

トランスミッションの全面改良がこのモデルの一番大きなトピックと言えるかもしれない。エンジンのフィーリング自体は従来モデルと大きな違いはないが、トランスミッションの変更によるトラクションの向上を強く感じる。
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オフロード対応のエンデューロESA

ボタンひとつで前後サスの特性を変更できるエンデューロESA。試してみると、オフロード用セッティングの効果は大きく、走破性の向上に寄与する。普段はオン・オフ関わらず好きなセッティングを選んで問題ない。
R1200GSの画像
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