VIRGIN BMW | 関口 敏晴(グッドウッド二輪商会 代表取締役) インタビュー

関口 敏晴(グッドウッド二輪商会 代表取締役)

  • 掲載日/2006年02月26日【インタビュー】
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レースに魅了された男が語る
BMWの魅力とは

第1回のインタビューは、グッドウッド二輪商会株式会社 代表取締役社長の関口さんだ。彼が元はレース志向であったということは、BMW、ドゥカティ、ハーレーと高級二輪販売を総合的に展開する企業の社長という肩書きからは、想像できないかもしれない。29歳までレースに生活のほとんどをつぎ込んできた彼が、なぜBMWに惚れたのか。彼が見出したBMWの魅力とは。レーサーとBMWのちょっとした馴れ初め…そんなところをお聞きしてきた。

アルプスへのツーリングや
夫婦二人旅でBMWの良さを実感

ーバイク歴を教えてください。

関口●バイクに乗り始めたのは16歳の時からです。ヤマハの「RX350プロ」というバイクが最初のバイクです。あまり馴染みのないバイクだと思いますが、当時最新のレーサーレプリカでした。その後は「RG250γ」や「FZ400R」など、レースが好きだったので、やはりレーサーレプリカを主流に乗り継ぎました。それらのバイクで実際にレースにも参戦しました。20代の頃はバイクのレース活動が生活の8割位を占めていたのではと思えるほどです。

仕事も平日休める飲食関係の店にとりあえず勤めてお金を稼ぎ、筑波サーキットに通いました。ちなみに、初めて乗った大型バイクは「CB750Fボルドール」です。生活のほとんどをレースにつぎ込んでいたようなものでしたが、30歳になるまでに納得出来る結果が残せなければ、レースは止めようと決めていました。そして、29歳でレースを止めてからは、公道で飛ばす怖さを知ってバイクとの関わりはロングツーリング一辺倒となりました。印象に残っているのは東北ツーリングです。仕事を休んでのロングツーリングでしたが手持ちのお金もあまり無かったので民家に泊めてもらったり。楽しかったですね。

ー関口さんとBMWとの出会いは?

関口●グッドウッドを創立して、バイクに関わる以上はいろいろなバイクに乗らなくてはと思っていた矢先でした。たまたま試乗車としてナンバーを取った「R65」に乗ってみたのですが、これが今まで乗ってきたバイクと違い長距離を走って楽しいんです。今までのバイクではどちらかといえばワインディングを楽しむことを中心に考えていました。BMWは国産スポーツバイクに比べてオジサンが乗るバイクという印象が強かったのです。

しかし、OHVフラットツインの心地よい振動とシャフトドライブの何ともいえない乗り心地のよさに、一気にBMWファンになりました。オフには全く興味が無かったんですが。今も「R80GS BASIC」を所有していますが、GSは4代目です。欲しい人が現れて譲ってしまったりするのですが、結局また購入してしまう。好きなんですねぇ。そのあと乗ったのが「K100RS」の2バルブ。このバイクも高い高速安定性やブレーキ性能などで、ロングツーリングが楽しめました。街中からツーリングまで不満なく走行でき、今でもお気に入りの1台です。

ーBMWディーラーになったきっかけは?

関口●レース活動を止めてからも、相変わらずバイク三昧の日々が続き、どうせなら好きを仕事にしようと’85年にショップ「グッドウッド」を設立しました。ショップ名はイギリスの伝統あるサーキットからいただきました。ずっとイギリスのモータースポーツに憧れてましたから、バイクショップを始めるならこの店名と決めてたんです。今でもバイクのレース観戦はもちろん、カーレースも大好きですね。

創立当初は国産バイクを扱っていましたが「BMWジャパン」が設立されて間もない’86年にはBMW正規ディーラーとなりました。営業の方に熱心に誘われディーラーになり、自分自身「R65」に乗ってBMWに惚れこんでいたこともあり、この地域では有力なBMW正規ディーラーになれたんですよ。そのBMWの営業の方は、最近までBMWのワンメイクレース「ボクサートロフィー」に出場したりして、お互い嗜好が似てますんで、今でもよい付き合いが続いています。正規ディーラーになってBMWと長く関わってきましたが、非常に付加価値の高いバイクだと実感しています。所有感を満たしてくれるほかに、積載性や「テレレバー」、「パラレバー」による乗り心地のよさ。高い高速巡航性能。ワインディングでのスポーティな走りの実践。ABSを搭載した「EVOブレーキ」による安全性能。ある意味で欲張りな気もしますが、それもメーカーのこだわりなんでしようね。

これほど走破性の高いバイクは
他に類を見ません

ーBMWのどこに一番惹かれますか?

関口●1つだけではないですね。モデルチェンジ後も衰えない存在感。高速やワインディングでの走りの良さは、ヨーロッパで実際にBMWの最新モデルを走らせたときに実感しました。自費で2年に1度はドイツやイタリアなどのアルプス方面に、新型バイクのトレーニングを兼ねてツーリングに行くのですが、現地の天候はいつも4割くらい雨です。しかし、そんな天候でもかなりのスピードでワインディングを走れます。ヨーロッパのツーリングは総じてペースが速い。日本では一般道の最高速度が60km/hですが、欧州では郊外に出れば130km/h位で飛ばします。2倍以上の差がありますが、BMWなら苦もなく走れてしまう。これほど走破性の高いバイクは、他に類を見ません。

日本も景勝地は山が多いですが、私はスポーツ走行が好きなのでワインディングに入るとある程度バイクをバンクさせてコーナリングしたくなります。BMWは流して走っていても楽しめますが、ワインディングでもそのスポーツ性を発揮して満足させてくれるところもいいですね。また、タンデム走行でもバイクの挙動があまり変らない。ときどき夫婦でロングツーリングに出掛けますが、お互い疲れも少ないし、ブランド力で旅館のスタッフの対応も違います。明らかに車や国産バイクで訪れた場合とは注目のされ方が違うと思います。さらに最近はBMW純正ウエアがオシャレになりましたね。以前と比べて売れ行きは好調です。いいことだと思います。ウエアとのコーディネイトを楽しむのもバイクの楽しみだと思っていますから。

ー現在最も気に入っているBMWは?

関口●現在の愛車は「R80GS BASIC とR100RSツインショック」です。「R100RS」は他店で中古車として展示されていたのを見て、その独特のスタイルに一目惚れしてしまいまして。乗ってみるとブレーキは効かない、カウルは軋むとマイナス面が気になりますが、それでも手放せないでしようね。「R80GS」はオプションのビッグタンクを装着し、「R100RS」はパールホワイトの全塗装にオリジナルシングルシートなどでカスタムしています。この2台は常にベストコンディションにして、何時でも乗れるように気を使っているんですよ。

ただ、もう簡単には手に入らない魅力的なバイクとして手元に置いている部分も大きく、実際に乗るなら最新モデルですね。特にEVOブレーキになってからの性能の進歩には目を見張るものがあります。エンジンに関してはフラットツインの鼓動感も好きですが「K1200S」や「K1200R」の動力性能の高さにも惹かれます。今、1台を選べと言われると正直困りますが、試乗車としてナンバーを取った「R1200RT」はナビゲーションを付けるなど、少し手を加えて長く乗ってみたいと思っています。

ー選びきれない魅力をお言葉から感じますね。では最後にBMWはどんな人にオススメしますか?

関口●BMW正規ディーラーとなった20年前には、お客様はマニアや高収入な方に限られていたと思います。しかし、現在は価値観の多様化で、一極集中でお金をかけて趣味を楽しむ方々も増えています。その多くの選択肢の中でもバイクは充実度の高い趣味だと思います。私としては若い方々にもっとBMWに乗ってもらいたいですね。

ラインナップにはエントリーモデルとしてFシリーズもありますが、RやKシリーズももちろん、どのマシンも長く乗ることができる。車体価格こそ高額ですが、その走破性や、長く快適に乗ることができる耐久性などを考慮すると、トータルではけして高額だとは思いません。目的を絞っていらっしゃる方、特に大切な人と遠出をしたいなら迷わずBMWをオススメします。タンデムを文化とする国のバイクですから、その快適性も当然でしょう。また、パニアケースによる積載性の高さなど計画的なロングツーリングをするならBMWに勝るバイクは無いといえます。BMWのマシンにはヨーロッパのバイク文化が込められています。安全性、快適性、スポーツを高い次元でまとめているのがBMWです。だから私は自信をもってどんなお客様にもオススメするのです。

グッドウッド二輪商会株式会社 モトラッドKeiyo

プロフィール
関口 敏晴
’56年生まれの49歳。グッドウッド二輪商会株式会社代表取締役。趣味はツーリングとモータースポーツ観戦。旅と食についてのこだわりは自身のブログに詳しく掲載されている。旅と食を愛する根っからのビーマーである。妻と子(一男一女)の4人家族。

Interviewer Column

取材時に「好きなバイクと関わって仕事ができますから、ありがたいですよ」と繰り返しおっしゃっていた関口さん。HPのブロクでも拝見していましたが、素顔はとても気さくなうえダンディな物腰が印象的でした。バイクに乗って走る経験「特にヨーロッパを巡るツーリングは、お金では買えない僕の財産」ときっぱり言い切る潔さは、聞いていて気持ちがいい程です。バイクで辛い思いをしたことはありませんか、との問いに「仕事が忙しくなってバイクに乗れない時間が続くと辛い」と答える根っからのライダー。取材時は風邪気味で、少し体調を崩されていたようですが、BMWの魅力を熱く語っていただきました。お忙しい中、時間を割いていただきありがとうございました(KEN)。

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