VIRGIN BMW | 二瓶 健(ヤナセモトラッド芝浦 店長) インタビュー

二瓶 健(ヤナセモトラッド芝浦 店長)

  • 掲載日/2007年01月17日【インタビュー】
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心からBMWを愛して止まない
20代からの“BMW信者”

今回ご紹介するのは、ヤナセが展開するBMW Motorradディーラー「ヤナセモトラッド」の店長 二瓶 健氏。東京は大田区の芝浦と世田谷区の上用賀の2拠点を、愛車F650GSで忙しく往復する毎日を送っている。ご存知のとおり、「ヤナセ」といえばメルセデスベンツをはじめとする高級四輪車の販売元として有名で、二瓶氏もそもそもは四輪畑。ヤナセが2003年にBMW Motorradディーラーを始めるにあたり店長に抜擢された方だ。しかし、実は20代から足掛け20年にも渡り、BMWバイクを何台も乗り継いでいる根っからのBMWフリーク。その“BMW信者”度というのはバイクだけではなく車にも及ぶ。家庭のクルマも「318i」を乗り継ぐほどの入れ込みぶり。二瓶氏がBMWをこよなく愛する源を伺ってきた。

四輪車のサービスが仕事ながら
大好きなのはオートバイだった

ー二瓶さんはヤナセモトラッドの店長になる前は、四輪のお仕事をされていたと伺いましたが。

二瓶●今の仕事をやる前は、ずっとBMWの四輪車のサービスに関する仕事をやっていたんです。BMWに携わるようになるまでは、山形でトヨタのサービスマンをやっていたのですけれどね。実はどちらかというとオートバイのほうが好きで、日曜日は毎週のように走っていました。オートバイに目覚めたのは20歳前後で、当時はツーリングブームのような状況でしたから何人かで固まって走りに行ったものです。風を切ってコーナーを抜けていく、オートバイの開放感が好きでしたね。

ー四輪車のお仕事をされながらオートバイを趣味で、というのは、乗り物好きとしてはうらやましい環境ですね。その当時はどんなオートバイに乗られていたのでしょう?

二瓶●スーパーカブに始まって、ホンダの「CB450」、スズキの「GT380」、ヤマハの「RZ250」、カワサキの「Z400FX」などなど、いろいろな国産バイクに乗りましたよ。BMWに乗り始める直前はヤマハの「SR400」、「XJ750A」に乗っていましたね。そして、27歳でBMWジャパンに入社した翌年に「K100」を購入しました。

ー20代でBMWのオーナーというのは、当時としてはかなり若い方ですよね。

二瓶●四輪でBMWの仕事をしていたので、BMWというブランドそのものには抵抗がありませんでした。20代という年齢も、BMWが好きでこの世界に入ったのでごくごく自然なことだと思います。当時は都内に住んでいたので、クルマを置く場所がなく「K100」は何にでも使えてとても実用的な乗り物でしたね。K100は通勤からツーリングまで、すべてをこれ1台でこなしていました。通勤にも使っていましたから、ほとんど毎日のように乗っていましたね。

ーそれまでの国産からBMWに乗り換えて、K100にどんな感想をお持ちになりましたか?

二瓶●「なんじゃこりゃ!」と異次元のものを感じましたね。びっくりでした。実家が山形なので「K100」の前に乗っていた「XJ750A」でよく東京と山形を往復していました。道中の東北道では「XJ750A」だと車体がぶれて80km/h以上出すと怖かったのですが、「K100」だと100km/hからでもどんどん加速していけるような安定感があって、シフトダウンすることなく加速する力強さに驚きましたね。もう、それ以来、オートバイはBMW一筋になってしまいました。

ー「K100」の後はどんなBMWに乗られましたか? 「K75」にも長く乗っていらっしゃったということですが…。

二瓶●「K100」を2年くらい乗ったところでたまたま「R80GS」が手に入ったので、「K100」は兄に譲って乗り換えました。これもツーリングなどでかなり乗りましたね。一番遠くまで行ったのは四国一周で「剣山スーパー林道」なんかも走りました。山形の往復にも活躍しましたよ。その後、結婚して妻の実家のある名古屋へタンデムで往復するようになってからは「K75C」に乗り換えました。当時は名古屋までずっと下道でしたから「R80GS」だと足付き性が悪くてつらくてね。「K75C」にしてからは足付きもよく、エンジンも滑らかなので、名古屋の往復が快適になったと喜んだものです。その後、現在の仕事になるまで12年くらい乗りましたね。

ー12年も乗ったんですか! オートバイにしてはとても長持ちですよね。

二瓶●「BMW乗りなら10年乗って一人前」ってよく言いますよね。やはりそんな話のとおりだな、と思いました。これだけ長く乗っても大きなトラブルもなく、今、私の手から離れて別のオーナーが乗っていてもう20年選手になっていますが、それでもまだまだ調子がよく現役です。もちろんレストアしたわけじゃなくて、普通に整備して乗れば20年でも乗れる。ずっと乗り続けても良かったんですが、さすがにディーラーの店長ともなるとね。「新しいモデルにも乗らなくては」となる。それで「R1150Rロードスター」に乗り換えました。でも、今でも私が乗ったBMWの中では、乗りやすさでは「K75C」が一番気に入っています。

ー私もK75が大好きなんですよ。ところで話は奥様とタンデム、ということに戻りますが、今もタンデムはよくなさるんですか?

二瓶●子供ができてからは妻と二人乗りで出かけることは残念ながらほとんどありません。子どもが生まれる前までは頻繁にタンデムしていたのですが…。息子がこの春から中学生なんですが、なぜだか男の子なのにクルマやオートバイに全然興味を示してくれないんです。これだと「年頃になってもバイクに乗りたい」ということもないでしょうから、親としては心配しなくていいのかもしれませんが…。でも、もし乗せるんだったらBMWでABS付きかな(笑)。いずれにしても息子が中学生になったら、一度くらいロングツーリングに連れて行きたいですね。そのときには、オートバイをもうちょっと大きいのにしようかな、なんて今から考えています。

自分たちの信念を曲げない頑固さ
BMWの魅力はその辺りにあるのかも

ー「K100」以来、20年近く仕事とは関係なくBMWを乗りつづけていますが、二瓶さんにそこまでさせる魅力はどういうところにあるのでしょう?

二瓶●実は私は自家用車もBMWなのですが、四気筒エンジンを積む「318i」をずっと乗り継いでいます。“シルキーシックス”と賞賛されているBMWの6気筒エンジンに対して、私は“コットンフォー”と呼んでいるのですがね。さすがエンジンにこだわるメーカーだけあって、廉価版であっても決して手を抜かない作りがなされていて、それが好きで代々の「318i」を乗り継いでいるんです。これは「K75」にも当てはまっていて、4気筒の「K100」に対して3気筒の「K75」も、3気筒に合ったフィーリングを持っている。こういったBMWの真摯な姿勢が大好きなんですね。

ー確かに「K75」はただ「K100」から1気筒取っただけ、という感じではなく、独特の感じがありますね。

二瓶●RシリーズにもKシリーズにもいろいろなモデルがありますが、その一台一台に個性を持たせていますよね。例えば「R1150Rロックスター」なんかは「ロードスター」に対して全く違うフィーリングを持たせてあります。だから乗ると違いははっきりわかります。ロードスターはゆったり乗れる一方で、ロックスターは激しく乗ってもいいよ、と言った風に。そういう部分をきっちりもたせているというのはスゴイなと思います。すべてのバイクがBMWという品質を持って、さらにそれぞれが個性を持っているのですから。

ー長くBMWの四輪車のお仕事をされてきて、現在は二輪のお仕事をされています。BMWのオートバイと車で共通することがあれば教えていただけますか。

二瓶●四輪車の仕事をやっていたときによく感じたのが、スイッチ類の質感についてです。スイッチを操作するときのフィーリングや手触りといったものを非常によく考えて作っている、と感じました。それはオートバイでも同じで、スイッチ類が国産車に比べて大きいですよね。ドイツ人の手が大きいという理由もあるかもしれませんが、ライダーがグローブをすることを考慮してある。冬用の分厚いグローブでも普通に操作できるでしょう?

ー確かにスイッチはでっかくて、しっかり色分けされていますね。

二瓶●それだけではありませんよ。スイッチの操作感も「バシュッ」という感じですよね。実はこれも四輪車のものと同じようにきっちりと作られています。「カチャン」ではなくって「バシュッ」。少し重みがあるとでも言いましょうか。こうしたスイッチ1個作るにも、しっかり使う人間のフィーリングのようなものを考えて作られています。決して手抜きがないんですよ。これはなかなかできないことです。

ーBMWのスイッチといえば、昔から独特の操作方法を持っていますよね。

二瓶●どのメーカーもポリシーを持っているのでしょうけど、BMWは特に頑固だと思います。ドイツ人と話していて思うのですが、自分たちの信念をとにかく曲げない。お客様を無視するという意味ではなく、これがお客様にベストだと思ったらその信念を貫き通しているような気がします。だからこそ、BMWは時代や周りに流されない。周りに流されないというよりも、むしろ回りの流れを作っていくぐらいの感覚を持っているのかもしれません。そういうところに僕は惹かれています。

ー実はお会いする前に“ヤナセの店長”というと、やはり高級車輸入車を扱う会社の店長としてちょっと高尚なイメージがあって緊張していましたが、実際にお会いして安心しました。

二瓶●やはり私はオートバイが好きだから、なんでしょうね。自分自身でオートバイに求めるものがあるからこそ、お客様のオートバイに求めていらっしゃるものをしっかり捉えることができると思いますし。これからもますます追求したいと思っています。ただそこにある商品を売るだけではなくて、お客様が何を望んでいらっしゃるのか、自分が根っからオートバイが好きなだけに、同じ視点に立って考えられるのでしょう。

ー最後に二瓶さんにとってBMWのオートバイとは何でしょうか?

二瓶●よく「私はBMWがないとダメな体になっちゃったんですよ」なんて言うんですが、本当に、あのシートのフィーリングを始めとして、BMWのオートバイが私の中に感覚的に染み付いているんです。27歳で「K100」に乗って以来、他のメーカーのオートバイに乗っていないこともありますが、とにかくBMWが大好きです。だから、ホントもうやめられません。別の見方をすると、宗教みたいなものかもしれません。“BMW教”。もう逃げられないですね(笑)。万が一僕がオートバイを降りたとしても、BMWから離れたくないという気持ちは持ちつづけると思います。

プロフィール
二瓶 健
47歳。トヨタのサービスマンを経験後、BMWジャパンに入社。03年にヤナセバイエルンモーターズへ。現在は、「ヤナセモトラッド芝浦」 の店長を務める。27歳からBMWだけを乗り継ぐ根っからの“BMW信者”。

Interviewer Column

二瓶氏と同じように私も10年以上K75に乗ってきただけに、インタビューは何度もK75談義に脱線してしまった。しかし、そんな二瓶さんのお話からは、ずっとお仕事だったとはいえ、四輪も含めてBMWの哲学を隅から隅まで理解した“BMWマニア”ともいえる入れ込みぶりを感じた。高級な四輪の輸入車を販売する“ヤナセの店長”というと、とってもビジネスライクなイメージを持っていたが、それとはまったく違う、純粋に同じオートバイ好き、いや、BMW好きな人なんだ、ということを二瓶氏に感じたインタビューだった。(八百山ゆーすけ)