VIRGIN BMW | バイクの血液とも言えるエンジンオイルの点検と交換 R1100/1150GS基礎メンテ

バイクの血液とも言えるエンジンオイルの点検と交換

  • 掲載日/2011年03月09日【R1100/1150GS基礎メンテ】
  • このコンテンツは BMW BIKES Vol.50 掲載の記事を再編集したものです。
    文・写真/ BMW BIKES  構成 / VIRGIN BMW.com

あと10年、10万キロ
乗り続けるために。

R1100GSのデビューが1994年、後継機のR1150GSでも1999年だから、両車ともにけっこうな年式である。まだまだ現役バリバリとはいえ、齢10年も経過すれば、通常の調整や消耗部品の交換以外の整備が必要になる。思いもかけないようなトラブルに遭遇することもあるだろう。

そこで、ある程度の年月と距離を走った4バルブボクサーの基本的な手順や、イレギュラーなメインテナンス例およびチェックポイントを解説しよう。

R1100/1150GS 基礎メンテ【エンジンオイル】編

R1100/1150GS基礎メンテの画像

オイルチェック窓の確認

エンジンオイルレベルチェック窓。内側が汚れているぐらいならまだいいが、このように素材自体が曇ってきたら交換したほうが良い。油温の過熱にさらされた可能性が高く、窓枠のゴム部分も疲弊しているはずだ。この部品はゴムの弾力によってクランクケースにはめ込まれているだけなので、抜けやすくなっている。もし、わずかでもオイル漏れしているなら、即交換する。
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オイルの準備

まずオイルの用意。特に指定がなければBMW純正のカストロール部分合成油20W-50でよい。昔からの定番である。1Lのボトル売りもある。
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オイルの選択

100%化学合成オイルも選択肢のひとつ。カストロールのPOWER 1 R4 Racing の10W-50。HP2 Sportの指定オイルでもある。
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社外品オイルでは

モチュール300Vのバイク用、4Tファクトリーライン15W50(100% 化学合成)か、5100 4T 15W-50(半合成)を使用。化学合成・部分合成問わず、粘度は●W-50程度の硬めのもの。
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オイル量を点検する

オイル量の正しい点検方法。エンジンは完全暖機状態(オイルクーラーに触れてみて熱いくらい)で停止して5分以上経過した状態。オイルクーラーが熱いということは、エンジン~オイルクーラー間のサーモスタット(温度感知弁)が開いているからで、この状態でエンジンを停止すると、オイルクーラー内のオイルがエンジンオイルパンに戻り、ほぼ全量を確認できるからだ。
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オイル消費はどうか

オイルを抜く前に量の確認をするのは、走行距離によるオイルの消費量を知っておくため。コンディションや使用条件はバイクやユーザーそれぞれに違うので、定期健診のようなものだ。もちろんセンタースタンドを立てた直立状態である。
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まずフィラーキャップを外す

先にフィラーキャップ(オイル注入口)を外しておく。オイルを抜いてからいざ注入しようとして、万一フィラーキャップが壊れて外れなかったら大変だ。金属製の社外品で外れなくて苦心した経験がある。なお、この近辺からのオイルにじみは、キャップと受け部分の2本のOリングを交換することで解決する。
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オイル交換時の軍手は厳禁

アンダーガードを外す。ドレインプラグは8mmのヘキサゴン。ひとつしかないので間違えようがない。完全暖機状態のオイルは100℃前後。外す瞬間に高温のオイルが手にかからないように注意する。軍手などは着用不可。高温のオイルが手にかかっても、素手なら熱いのは一瞬だが、布の手袋にかかったら脱ぐまで熱いままだ。素手がいやならゴム手袋着用。
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オイル受けは大きなものを

当然だが、廃油を受ける容器が必要。3~4Lほど排出されるはず。けっこう勢いよく出てくるので、大きめにこしたことはない。
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ガスケットは新品を用意

ドレインプラグのガスケットはアルミ製。締め付けによって潰れることでシールドしている。一度締め付けたガスケットは薄くなって“潰れしろ”が小さい。再使用すると締め付けトルクがもろにネジ山にかかり、ネジ山破損の原因となる。毎回新品に交換するので、前もって用意しておく。規定トルクは32Nm。
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オイル注入は二回に分ける

一回目は規定よりちょっと少なめに入れるのがコツ。オイル交換だけなら3.0L、フィルターも同時交換なら3.3Lほどでいい。
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オイル量の確認

オイルレベルグラスの窓から見えたらOK。ここで正確な量にこだわる必要はない。
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エンジンを始動する

数秒でレベルが下がっていく。エンジン始動中はグラスからレベルが見えないのが正しい。
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暖機運転後に確認する

アイドリング放置(長時間は不可)でも悪くはないが、ちょっと走って油温を通常使用状態まで上昇させる。油温表示はあくまで目安。オイルクーラーが熱いことを確認してからエンジン停止。
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オイル窓で量を確認

エンジン停止後、5分以上経過してから点検。この写真の量でも充分合格ライン。レベルグラスで見える量は総量の約1/4である。
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規定量まで追加

前述の量では若干少ないはずなので、中心付近まで少しずつ補充する。レベルグラス内外側の赤丸の範囲にレベルがあれば良い。総量は3.5L前後。
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オイルフィルター同時交換

エンジンオイル注入前にフィルターレンチを用意する。フィルターヘッド形状は、1100/1150系すべて同じで、EU圏内のISO工業規格の一般的なサイズ。フィルターレンチはKTCの型番AVSA-074がぴったり合う。
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フィルターを外す

フィルターの位置はエンジン下部の左前部。レンチをきっちり奥まではめる。強く張り付いていることが多々あり、外すのに苦労するかもしれない。ドレインプラグやフィルター脱着作業はバイク下に寝そべっての作業になるが、レンチでトルクをかける方向は、できるだけ車体後向き(悪くても横向き)であることが基本。前方向に強いトルクを掛けると、センタースタンドが外れて、バイクの下敷きになる可能性がある。たかがオイル交換と、なめてかかっては危険だ。高温のオイルにも注意する。
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ガスケットの確認

オイルフィルターが外れたら、ラバーガスケットがフィルターと一緒に付いてきているか確認。ガスケットだけエンジン側に張り付いて残っていることがあり、知らずに新しいフィルターを付けるとガスケットが歪んでオイルが漏れる。
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ガスケットにオイルを塗布する

新品フィルターのガスケットには、ねじれ防止のために少量のオイルかグリスを塗る。もちろん、ゴミや繊維クズなどが付着していてはいけない。たまに紙箱の繊維が付着していることがある。
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フィルター部周辺をキレイに

新品フィルターを取り付ける前に、周辺に付着したオイルを掃除しておく。スプレー式のパーツクリーナーがあると便利。交換サイクルはオイル交換2回につき1回の同時交換を推奨する。フィルター交換によるオイルの増量は0.2L程度。締め付けトルクは11Nm。

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