Rナインティ（2017-）スペックと燃費現行モデルカタログ

Rナインティ（2017-）のモデルカタログ写真

R nineT（2017-）

ヘリテイジシーンをけん引する
R nineTの後継モデル

BMWモトラッド90周年を記念するコンセプトモデルとして発表されたConcept 90の市販版として2014年に登場したのがR nineTだ。「購入後に自由な発想でカスタマイズを楽しむ」ことを主眼に設計されたR nineTは、従来のBMWのお堅いイメージを大きく覆すモデルとして発売されるや否や、世界中で話題となった。また、日本を含む各国のモトラッドがその国の一流ビルダーに車両を預けて、自由にカスタムさせる「カスタムプロジェクト」も同時多発的に行われ、R nineTの持つカスタムバイクとしての素性の良さと、カスタムシーンとの親和性を多くのライダーに植え付けた。

2017年型は、2016年秋の欧州ショーで発表された。空油冷ボクサーは引き続き搭載されているが、新しい排気ガス規制のEU4（ユーロ4）に対応するために、エンジンのマッピングが新しくなったほか、よりクリーンな排ガスとするために、サイレンサー手前に設けられた三元触媒（キャタライザー）はわずかに大きくなった。

一見すると従来型と変わりがないようだが、車体周りでもかなりの部分が変更されている。まず、S1000RR譲りのフロントフォークは、プリロード/ダンピング/リバウンドが細かく変更できるフルアジャスタブル式にグレードアップ。そして前後のワイヤースポークホイールも、リム形状をよりシャープに生まれ変わっており、それに伴って前後のホイールハブも形状を変更。大きな肉抜きが施されてた。

また、ステアリングヘッドアングルも従来型の64.5°から63.2°へ変更され、キャスターも102.5mmから107.9mmへ。ホイールベースは1487mmとなり従来型+8mm延長された。

さらに2眼タイプのメーターは、従来型で採用されていた中央の液晶パネルを廃止。スピード・タコそれぞれの文字盤内部に液晶パネルを設けるなど、コックピットからの眺めはよりシンプルに生まれ変わったほか、トップブリッジ・ブレーキ＆クラッチのマスターシリンダー、各レバーともに新デザインとなった。

日本のユーザーにとってうれしいのは、これまでオプション扱いだったグリップヒーターが他のモデル同様に標準装備とされたことだろう。にも拘わらず車体本体価格はほぼ据え置きの195万8000円（税込）である。

衝撃のデビューから約3年。いまやBMWモトラッドの販売台数にも大きく貢献しているR nineTは、より洗練されたロードスターとしてヘリテイジシーンをけん引していく。