VIRGIN BMW | K1200RS(1997-) BMWバイク中古車ガイド

K1200RS(1997-)

  • 掲載日/2008年01月31日【BMWバイク中古車ガイド】

K1200RSの歴史など

K1200RSの画像

BMW初の100馬力越えモデル
納車待ちが当然の人気車輌でした

K1200RSは1997年6月に日本発売となったモデルです。当初はイエロー/グレーのツートーンのみが発売され、遅れること数ヶ月後にレッドとブルーの単色が入荷し始めました。発売当時の価格はツートーンが213万円、単色が208万円で、それまで販売されていたK1100RSと比較しても8万円の違いしかありません。発売当初はBMW初の100馬力超モデル、K1100RSとの価格差が少ない、全く新しいスタイル、低いシート高などの支持を受け、納車まで数ヶ月を待つこともありました。その後2001年にはアッパーカウルが小変更されたインテグラルABS付の仕様に変更されています。

このころには徐々にRシリーズが1150に変わりはじめ、2003年にはK1200GTが登場。しだいにK1200RSの販売台数は減る傾向にありました。最終価格は単色が210万円、ツートーンは5万円高でした。BMW中古車の中では比較的探しやすいモデルの一つです。2000年までの前期型は70万円から100万円未満の車輌が多く、2001年以降の後期型は110万円を超えている場合がほとんどのようです。

K1200RSの特徴

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130馬力ながらもスムーズ
今でも充分通用するエンジン

エンジンはK100シリーズから続く、水冷縦置DOHC四気筒のBMW独自のレイアウトを採用しています。BMW初の100馬力超となる130馬力仕様ですが、スーパースポーツの性格ではなく、長時間・長距離で走っていても楽に制御できる仕様にまとめられています。スーパースポーツの300Km/hもすぐに出せてしまう驚くほどピックアップが良いエンジンには無い魅力と性能が、このエンジンでは良い感じで表現されていました。変速機は6速式で6速目が音と燃費を抑えるオーバードライブに。フロントサスペンションはすでに定番となったテレレバーサスペンション。リアにはシャフトドライブの癖を回避するパラレバーサスペンションが装備されています。サスペンションの設定はあくまでも快適性に優れたツーリング志向の設定です。

樹脂製20Lガソリンタンクは外装パネルに囲まれた中に埋め、ガソリンタンク周辺の見栄えがすっきりしているのが特徴です。ハンドルとレバー、ライダー用ステップとペダル、ウインドスクリーンには位置を調整する機能があり、シートもハイシートとローシートの2種類あって、それぞれに3cm幅で上下させることができます。ツーリングマシンですからサイドバッグ、グリップ/シートヒーター、タンク/リアバッグ、ハイスクリーン等の便利グッズも用意されていました。また、K1200RSは一度マイナーチェンジが実施されています。アッパーカウルの形状変更とABS2からインテグラルABSへの装備変更です。そして、この変更後しばらく後にK1200GTが発売されました。

K1200RSの画像

ポジション調整可能なハンドル

シンプルなメーターデザインとインジケーターランプ。回転計はありません。
K1200RSの画像

電気式アナログメーター

大きくて確認しやすい電気式アナログメーター。ガソリン計は正確です。
K1200RSの画像

優れモノのカウルとシート

ポリッシュやクロームメッキを多用した部品の数々。

K1200RS オーナーの声

K1200RSの画像

欠点らしい欠点が見当たらない
現代でも充分に通用するバイクです

K1200RSの前はK100RSに乗っていました。K100RSでKシリーズの信頼性はわかっていましたから、他のモデルと悩むことは特にありませんでしたね。カウリングが秀逸で、疲れ知らずの快適ポジションなのが有難い。ツーリング中は、景色の綺麗なところで写真を撮りたいのですが、ガソリン休憩以外では停まる気にならず、ついつい長距離を走ってしまいます(笑)。登場から10年以上経ったモデルですが、パワーに不満などは感じたことはありません。一緒に走る仲間には最新のスポーツツアラーに乗る人もいますが、そこそこのペースなら、K1200RSでも充分についていけます。また、250ccのバイクを先導して走ることもあるのですが、パワーのないバイクにペースを合わせてもストレスが溜まらないんですよ。飛ばすこともでき、ペースを落としてもイライラしない。バランスのいいエンジンですね。

中古車で購入してから5年、走行距離は7万kmを少し越えたところですね。最近バッテリーを換えましたが、基本整備以外でお金がかかったことはありません。排気量が1171ccもあるので“下駄”みたいな使い方はできず、乗る前は「さぁ乗るぞ」と気合いを入れますが、走りはじめれば重さも気になりません。もういい歳なので峠を攻めることはありませんが、それなりのスピードでも怖さを感じずにコーナーに進入できてしまうのが面白い。他のバイクなら腰が引けてしまう走りがK1200RSとならできる気がします。付き合いはじめてもう5年も経つのに、乗るたびに新鮮な気持ちを味あわせてくれるバイクですね。(1999年式 K1200RS 千葉 努さん)

K1200RS 中古車選びの注意点

K1200RSの画像

ラジエーターの変形と
バッテリー状態のチェックが必要

K1200RS特有の注意点は、カウルの内側左右に振り分けられたラジエーターの変形です。BMWの外装パネルは比較的丈夫で、立ちゴケや軽度の走行時転倒では削れる程度で済み、割れて使用不可能になることはほとんどありません。ただし、その中にあるラジエーターは変形してしまうことがあるのです。立ちゴケ程度ならば大丈夫な場合がほとんどですが、走行時の転倒では間違いなく変形します。ひどい変形や冷却水の漏れが発生したら交換が必要になりますが、目に付きにくい部分だけに確認しておくことに越したことはありません。少しの変形ならばそのまま使用していても特に問題になることはありませんのでご安心ください。ちなみにヘッドライトの真下にあるのはオイルクーラーです。

K1200RSの画像

K1200RSには19AのMF式バッテリーが使用されていて、840Wという四輪車並のオルタネーター(発電機)が装備されています。インジェクション、ABS、グリップヒーター、シートヒーター、常時点灯ヘッドライトを同時に使っていても問題はありません。ただし、ABS2、インテグラルABS共に自己診断する時の要求電圧の設定が高く、セルモーターが普通に回る位の状態でもABSは電圧が低いと判断してエラーを起こすことがあります。インテグラルABSはエラーを起こすと通常の制動が得られないので、車輌の使用状況とバッテリーの使用期間を考えて早めに交換することが大切です。バッテリーの状態は目に見えませんので、確実にテストし、十分に使用できることを確認してもらってください。

購入の際の注意点
  • ● BMWホイールは割れないように柔らかく作られているので歪み、振れ、めくれに注意する。
  • ● クラッチハウジングの下にある穴からのオイルのにじみ状態を確認する。垂れていなければほぼ大丈夫。
  • ● エンジン前側の最下部にあるポンプ部分からのオイル又は水のにじみ。ここは滲んでいないほうが良い。
  • ● スイングアームとファイナルケース間からのオイルにじみ。トランスミッションから漏れていることもある。
  • ● リアディスクローターの磨耗が思いのほか早く進むため、生きの良いものを選ぶのが吉。
  • ● エンジンの稼働中の「ゴロゴロ」音はクラッチ周辺からの音で、新車時でも音は出ているので問題なし。
  • ● シリンダーヘッドに付くハンガー(フレームとの継ぎ手部分)は破損しやすく、見えない部分なので注意。
  • ● ウインドスクリーンは割れにくいものの、キズがつき易いのである程度は我慢。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

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