VIRGIN BMW | K1100LT(1992-) BMWバイク中古車ガイド

K1100LT(1992-)

  • 掲載日/2009年12月26日【BMWバイク中古車ガイド】

K1100LTの歴史など

K1100LTの画像

人気モデルを上回る生産台数
日本では隠れた名機的存在

1984年に登場するK100RTから数えて、Kシリーズのツアラーモデルとしては3代目となるのが今回ご紹介するK1100LTです。日本ではスポーツタイプのRSの方が多く販売されていまいすが、メーカーとしてはツアラーモデルの方が好セールスを記録しています。ちなみにK1100RSの生産台数が12,179台に対してK1100LTは約倍の22,757台という数字です。

K1100LTは1992年の3月に発売されました。すでにK100RSは1990年にエンジンが4バルブ化されていましたが、LTはこのモデルの登場まで待つこととなります。発売当初の価格はABS付き・キャタライザー無しの仕様で206万円、キャタライザー装備車で217万円。その後1994年にはABSの2代目となるABS IIが搭載され、両仕様共にプラス4万円となっています。

新車の販売台数が少ないため、中古車で見かけるものはごく僅かです。ABSの仕様の違いによる差はほとんど無く、中古車として販売されている中心価格は50万円台ほどです。良いモデルなのですが、この年代のツアラーモデルは、不運にも評価が高くないのが残念です。

K1100LTの特徴

K1100LTの画像

アウトバーンで鍛えられた
極上の乗り心地

日本向けのK1100LTのほぼ全てにローシートが装着されています。画像のモデルはローシート仕様をヨーロッパで販売されている標準シートへ変更しているので、日本ではあまり見かけません。

エンジンはハイパワー、と言うよりトルク重視のDOHC水冷4気筒です。ツアラータイプとして必要十分な動力性能を得ています。アクセル開度に対して敏感すぎないエンジン特性は、ツアラーとして秀逸です。まだこの頃のフロントサスペンションは一般的なテレスコピックタイプが用いられています。リアサスペンションにはパラレバータイプが装備され、シャフトドライブ車特有の挙動を感じることもなく、メンテナンスはほとんど必要ないぐらいです。

タイヤサイズは安定性第一を考慮し、フロント18インチ、リア17インチを装着しており、RSタイプとは大きく異なります。大型フロントカウルはそれだけでも十分な防風効果をもたらしてくれますが、さらにスクリーンは電動で位置を微調整できる機能を持たせています。

その他の装備として、トップケース、同色サイドバッグ、燃料計、水温計、ABSがあり、四輪車と同じシガーライターをも装備していました(灰皿はありません)。ABSは年式により違いがあります。ABSとABS IIとがあり、基本的な作動は同じですが、ABS IIの方がより細かな制御を行い、ABSの機械そのものが小型・軽量となり、車体内部へ移され、外観からはその在処が見えなくなりました。

K1100LTの画像

ABSには仕様の違いがある

ABS II仕様はABSシールが貼られたハイドロリックユニットが小型化され見えなくなりました。
K1100LTの画像

工夫次第でいろいろ遊べます

アクセサリー用のダミースイッチがたくさんあります。標準使用は3つだけです。
K1100LTの画像

安全装備は当時から定番に

1990年以降のBMWにはほとんど装備されている、4ポットキャリパーとフローティングディスク。ABSセンサーも見えます。

当時のカタログを見てみよう!

優れた動力性能にツーリング装備・快適性を備えた
世界最高峰のラグジュアリー・ツアラー

K1100LTの画像
K1100LTの画像

中古車選びの注意点

K1100LTの画像

優れた耐久性を誇る動力部分に対して
電装系や消耗品には要注意

新しくても13年経過しているモデルですから、それまでの使用状況と整備内容によって車輌の状態はピンからキリまで様々です。目視にて良し悪しを判断できる箇所はまだマシとして、目視ではわからない箇所を最も注意する必要があります。

インジェクションやABS関係の電装品等はその最たるもの。また、メインワイヤーハーネスや各部コネクターの状態によっても様々な不具合が発生し、その原因を探し出すのはとてもたいへんです。そして、エンジン前側下部のオイルと冷却水のポンプ部分からの漏れはK75からK1200LTの弱点ともいうべき箇所なので、ご注意下さい。

購入の際の注意点
  • ● ハンドルはトップブリッジにラバーマウントされているので、多少グラつくのは問題ありません。
  • ● インジェクションモデルはガソリンホースと燃料フィルターが4年に一度交換されていることが重要です。
  • ● リアブレーキディスクは制動感覚を高めるため比較的摩耗しやすい材質です。過度の摩耗にご注意下さい。
  • ● エキゾーストパイプとサイレンサーの接合部がヒビ割れていることがあるので、下から覗き込んでください。
  • ● 元気がなくなったバッテリーはABSエラーを誘発しますので、いつも活きの良いものを使用してください。
  • ● クラッチレバーの引きが相当に重い場合は、クラッチプレートの摩耗が想像できます。
  • ● 主だった注意点は、K75からK1100RSまでのKシリーズとほぼ共通なので、他のページもご覧下さい。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

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