VIRGIN BMW | F800S(2006-) BMWバイク中古車ガイド

F800S(2006-)

  • 掲載日/2011年09月05日【BMWバイク中古車ガイド】

F800Sの歴史など

F800Sの画像

Fシリーズの役割を継承する
新世代モデル

Fシリーズは、1994年の F650 ファンデューロから始まりました。1994年は R1100 シリーズが登場した年でもあり BMW にとっては節目の頃です。

初代Fシリーズには、RやKシリーズに課せられていた、BMW 流の “理詰めで最先端” の工業製品としてではなく、乗って楽しく、取り扱いが簡単で、しかもそれが BMW でも比較的安価である必要がありました。簡単に言うと BMW へのエントリーモデルとなりますが、エントリーモデルの評価が悪ければ次への乗換えがなくなるので、生産コストも十分に考慮しつつ、手抜きの無いモデルにすることが求められていたのが、Fシリーズなのです。

F800S はスポーツモデルとして、スポーツツアラーの F800ST と共に2006年10月に登場しています。車体構成は両車ほぼ同一ながら、ハンドル形状とフェアリングやキャリアの装備を変えて違った性格が与えられています。

F800S 発売当時の価格は、ABS やグリップヒーターが装備されているハイラインが 119万2000円、それらの装備が無いアクティブラインが 104万5000円でした。日本へ輸入されている多くのモデルはハイラインですが、外見上の違いはグリップヒーターのスイッチ程度なので注意する必要があります。

F800Sの特徴

F800Sの画像

高い信頼性とスポーツ性能
贅肉をそぎ落としたシンプルなつくり

日本で販売されている F800S はハイラインとアクティブラインの2種類があります。ハイラインには ABS とグリップヒーターが装備されていますが、アクティブラインにはそれらがありません。両車の外見上の違いは ABS センサーとスイッチの有無のみで、BMW は全車 ABS 付きだと誤解していると痛い目にあいますのでご注意ください。

BMW モーターサイクルの中にあって F800S 最大の特徴はエンジンにあります。多くの場合自社製のエンジンを搭載しているのがほとんどですが、F800 シリーズの場合エンジンメーカーのロータックス社と共同開発された BMW 専用エンジンを使用しています。品質・耐久性はさすが老舗エンジンメーカーのものだけあって全く心配する必要がありません。

水冷2気筒 DOHC の 800cc エンジンは現代のエンジンだけあってとてもパワフルですが、大排気量モデルから乗り換えると、アイドリング+αの回転域で少し粘り強さが少ない感じがします。燃料タンクはシート下に設置されています。樹脂製で無駄なく狭い空間をタンクとして使用しており、燃料が満タンでも空でもその重さを感じさせない上手い方法です。そのためタンクキャップがシート右側後方にあります。サスペンションは、テレスコピックフォークとモノショックタイプの一般的な方式がとられています。なお、駆動方法はベルトドライブが採用されていて、シャフトドライブ同様に頻繁なメンテナンスを必要としていません。

F800S のハンドルバーは、トップブリッジに直接固定されるタイプのためハンドルはわずかに低い位置にあり、乗車姿勢は緩やかな部類の前傾となります。日本向けの仕様には3種類あるシートのうち、シート高 790mm のものが装着されています。790mm は輸入車としては高い方ではありませんが、乗車時のサスペンション沈み込み量が少ないため高く感じることもあります。

F800Sの画像

ハンドルまわり

トップブリッジに直接固定されているハンドルバー。長方形液晶パネルはオンボードコンピューター付きの印です。
F800Sの画像

重量物は低くセンターへ

シート下は燃料タンクが占めているため、ETC などわずかなものしか収納できません。
F800Sの画像

左右非対称デザイン

ハイ/ロー別のヘッドライトは、照射効率の高いリフレクター式が採用されています。

当時のカタログを見てみよう!

純粋に走りを楽しむための
ミドルクラス BMW

F800Sの画像
F800Sの画像

中古車選びの注意点

F800Sの画像

装備の違いで価格も異なる
仕様違いには要注意

F800S に限らず、最近の BMW には色々な仕様と工場オプションの有無の違いがあります。BMW は全車 ABS 付きと思い込んでしまうと大きな間違いをしますのでご注意ください。

F800S には、ハイラインとアクティブラインがあり、それぞれにローダウン仕様と標準仕様があります。ハイラインには ABS、グリップヒーター、電源ソケットが装備され、アクティブラインには電源ソケットだけが付いています。センタースタンドはどちらにも標準装備されていません。

ローダウン仕様は生産時から特別なサスペンションが組まれ、全体的に約 30mm ほど車高が下がっています。初期のローダウン仕様は日本標準シートが付いていましたが、ある時から幅が狭く薄くなったスーパーローシートが装備されています。

工場オプション設定のオンボードコンピューター(燃料残量計、水温計、平均速度、平均燃費、ギアポジションの表示機能)は見落としがちな装備品です。ちなみに ABS、オンボードコンピューター、ローダウンサスペンションは、あとからその仕様に交換できるようなものではありませんので、購入時は十分な注意が必要です。画像はローダウン仕様で、フロントフォークインナーチューブの見え方が標準車と大きく異なります。

購入の際の注意点
  • ● ヘッドライトバルブ固定部分を壊し易いので補修跡などの状態を確認する。
  • ● テレスコピックフォーク採用車のためインナーチューブの腐食に注意する。
  • ● ベルトドライブ車のため、ドライブベルトの変形や破損の状態をよく確認する。
  • ● タチゴケ程度の軽微な転倒の場合でも、ハンドルバーが曲がるのでよく確認する。
  • ● 車体電装に CAN-bus システムを採用しているため、不用意な電装品装着車には注意する。
  • ● シートを正しく取り付けていないと固定部分が変形してしまい正しい装着が困難になる。
  • ● シート表皮はタイトに張られているため突起部分に穴を開けないように優しく扱う。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

取材協力
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電話/03-3468-6841

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