VIRGIN BMW | 第1回 エンジン HP2エンデューロ編

第1回 エンジン

  • 掲載日/2012年07月06日【HP2エンデューロ編】
  • 執筆/モトラッド阪神 田中 建次
    このコンテンツは BMW BIKES Vol.33 (発行:2006.01.14)「ディーラーメカニックが解説する HP2 Enduro テクニカルディテール」掲載の記事を引用しています。

HP2エンデューロ分解レポートの画像

ついに BMW 初の体育会系ダートバイク、HP2 Enduro の登場です。R1200GS ベースというより、GS のエンジン等を使ったまったく別のバイクと表現すべきで、他のいかなる BMW バイクの系列にも属さない。オーナー以外では滅多に見られない細部をお見せしよう。

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HP2到着。日本入荷第1便の6台のうちの一台。当店1号車で関西エリア1号車でもある。
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慎重に開梱。筆者も実物を見るのは初めてである。ニューモデルの場合、発売前に実車を使用した技術講習会があるのが通例だが HP2 は無かった。予約者への配車を優先したので、講習用のバイクが無くなったのだろう。マニュアルを見ながらセットアップを進めていく。
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前輪が付いていないので、このように一旦吊り上げる。このバイクは軽かったが、R1200RT は重くて大変だ。
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前輪が付いていない理由は、なるべく高さを抑えて規格サイズの梱包に納めるため。HP2 の場合、エアサスの空気も抜いてあるので、充填しないとバイクが自立しない。
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HP2 はサイドスタンドのみ。これは純正スペシャルツールのメインテナンススタンド。同様に、センタースタンドがない R1200C 系・F650CS やダカール・新 K1200 系にもそれぞれに専用スタンドが用意されている。
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エンジンマウント部分に差し込んで固定するのだが、一人がバイクを直立させて、左右から差し込まなければならないので三人がかりの作業である。ミッション脱着等の重整備以外には使わないだろう。K1200S ・ R 用を代用 (リアハブ穴の径が同じ) するのが早そうだ。
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エンジンは基本的に GS と同じ。カムやバルブ・ピストン、クランクシャフトも同じ部品。唯一の変更点は、バランサーを外してしまったこと。出力は GS より 5HP 向上しているが、エンジンマネージメントと排気系の変更によるものだ。スパークプラグは四本ともボッシュの YR5LDE で、これも従来と変わらず。使用限度は4万キロ。下側のセカンダリースパークプラグは2万キロごとに点検とのこと。諸外国に比べ、日本の使用条件は常用回転域が低く燃焼温度も低いわりに、低速走行で平均油温が高い傾向にある。カーボンがたまりやすいので、もっと早い時期に点検・交換した方がいいだろう。バルブクリアランスの点検・調整は初回の 1000 キロ以降は1万キロごとだが、同じ理由でもっとマメにしたい。
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スロットルボディや各種センサー・サーボモーターなど、インジェクション・イグニッション系も GS と同じ。1100 ・ 1150 系と違い、1200 系にはスロットルケーブルのプーリーに砂噛み防止のカバーが付いている。なお、アイドリング回転は同調を含めてバイク側で自動調整しているが、左右ケーブルの引き調整 (バランス調整) は整備毎に必要だ。なお、レブリミッターは 7800RPM で作動する。
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ヘッドカバーの保護と同時にスロットルボディまで覆うカバーが付いた。オフブーツのスネが直接当たるのを防ぐ意味もあるだろう。各部のサイズが同じなので GS にも付くし、GS のヘッドガードやオプションのアルミ製ガードも転用可能。
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エンジン最前部のカバー内には、点火用のクランク角センサーとオルターネーター駆動ベルトが収まる。ダート走行5時間毎に、カバーを開けて中を掃除してベルトを点検せよとのこと。駆動ベルトは 1200 系から調整不要となったが、6万キロまでに交換。
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スターターモーターには、他車のようなカバーは付かずむきだしのまま。品番が GS とは違うので調べてみると、2004年10月から GS も同じ品番に変更されていた。何か違いがあるのか、品番変更されただけなのかは未確認。
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おなじみオイル点検窓。量の点検はエンジン完全暖機 (オイルクーラーに触ると熱いくらい) でエンジン停止5分以上置き、直立状態で窓の赤丸の範囲内にあること。赤丸上下の表示範囲は 0.5L なので補充の目安とする。最低でも 1000 キロに一回は量を点検、3000 キロに一回は交換を推奨する。新車の初期充填オイルは低負荷前提の慣らし専用オイルだ。柔らかいので、ヒートすると油圧警告灯が点くことがある。初回交換後は 20W – 50 程度の鉱物油推奨。なじみがついた1万キロ走行以降は化学合成油でもいいが、当店では引き続き前述の鉱物油 (純正) を使用している。
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アルミアンダーガードは GS と同じ部品だが、ロードクリアランスを稼ぐためにエンジンぎりぎりまで隙間をつめてある。砂利や泥がたまらないように大きな穴が空いており、穴のひとつがドレンボルトの位置と同じなので、ガードを外さずにオイルを抜くことができる。オイル容量は交換時約 3.5L。フィルター同時交換で 4.0L 弱。マニュアルによる交換時期は、初回 1000 キロ以降1万キロごとだが、日本の使用条件ではちょっと長すぎる。ドレンボルトの締め付けトルクは 32NM。ガスケットはアルミのクラッシャブルタイプなので再使用しないこと。
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オイルフィルターは他の GS や新 K1200 系と同じ小型軽量なモノ。締め付けトルクはOリングにグリスかオイルを塗ったうえで 11NM。アンダーガードの取り付けボルトはEトルクスという規格の E10 と E8。昨今の BMW はトルクス規格のボルトが主流。

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