VIRGIN BMW | 第6回 フロントフォーク HP2エンデューロ編

第6回 フロントフォーク

  • 掲載日/2012年07月20日【HP2エンデューロ編】
  • 執筆/モトラッド阪神 田中 建次
    このコンテンツは BMW BIKES Vol.33 (発行:2006.01.14)「ディーラーメカニックが解説する HP2 Enduro テクニカルディテール」掲載の記事を引用しています。

HP2エンデューロ分解レポートの画像

ついに BMW 初の体育会系ダートバイク、HP2 Enduro の登場です。R1200GS ベースというより、GS のエンジン等を使ったまったく別のバイクと表現すべきで、他のいかなる BMW バイクの系列にも属さない。オーナー以外では滅多に見られない細部をお見せしよう。

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HP2 に必要なサスストローク ( 270 ミリ) はテレレバーでは実現できないとの理由でテレスコピックサス採用。メーカーの刻印は見えないが、たぶんマルゾッキ社製の倒立フォーク。インナーチューブはチタンコーティングかと思ったが、より耐久性に優れる新しい処理とのこと。WAD (ストローク量応動可変ダンパー) を採用していることから、BMW 別注の HP2 専用品である。ダート走行5時間ごとにダストシールを外して清掃し、指定の潤滑剤でメインテナンスが推奨される。倒立ゆえフォークオイルの交換はフォークを抜いて分解しなければならない。オイルは 10 番相当が標準で、容量 0.67L ・ レベル 70 ミリ。3万キロまでに交換だが、これももっとマメにした方がいいだろう。
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リーディングアクスルを採用しているのは、ダートバイクとしては順当。アクスルクランプの締め付けトルクは 8NM と、かなりシビアな数字。締めすぎに注意したい。シャフトエンドのキャップボルトはムクのアルミ製。ダート走行 10 時間ごとに、ホイールベアリングのガタを点検。
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左のフォークはコンプッレッション (縮み側) 担当である。スプリングプリロードの調整は中央のスクリューの操作で調整する。工場出荷時状態は右に回して止まった位置から 15 ノッチもどしたところ。WAD ダンパーはこの中に入っている。
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右のフォークはリバウンド (伸び側) 担当。調整は左に同じ。こちらには通常の調整可能なダンパーが入っている。手前のプラスネジはフォーク内のエア抜き用。ダート走行 10 時間ごとに、空車 1G 状態で左右ともネジを外してフォーク内圧を大気圧に合わせる。
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ダンパー調整スクリューは右フォーク最下部のゴムキャップで隠されている。出荷位置は右に回して止まった位置から 15 ノッチ戻し。プリロードと統一されているので覚えやすい。フロントのセッティング範囲が広く細かいのは、リアを先に決めてそれに合わせるためだろう。
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トップ・アンダーブリッジともにアルミ鍛造部品。鋳型の段階で裏側が大きく肉抜きされ、強度を落とさずに軽量化している。この部品に限らず HP2 のほとんどのアルミ部品は、鋳肌が非常にきめ細かいうえに、あとから切削や研磨加工をなされていない。サビの発生を嫌ったためだろう。鋳型の精度や鍛造技術が要求されるのでコスト高なところだ。クランプボルトの締め付けトルクはトップ 24NM ・ アンダー 10NM。
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フォーク最上部とハンドルチューブの隙間は比較的広くとってあり、突き出し量の調整範囲が大きい。セッティングを出すのに便利だ。

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