VIRGIN BMW | BMWバイク プロに聞く購入ガイド F650GS(2008-) トピックス

BMWバイク プロに聞く購入ガイド F650GS(2008-)

  • 掲載日/2008年07月04日【トピックス】
  • 講師/BMW Motorrad Tokyo 青木 正志氏
 F650GS(2008-)の画像

初代ファンデューロの登場以来、既存のオフロードモデルとは異なるアプローチでファンを獲得してきたF-GSが2008年モデルとしてついにフルモデルチェンジ。新型F650GSとして発売が開始された。ロングツアラーとしての資質も十分なミドルクラス・オンオフモデルの登場だ。

BMWの新スタンダード
新型F650GS

初代ファンデューロの登場以来、既存のオフロードモデルとは異なるアプローチでファンを獲得してきたF-GSが2008年モデルとしてついにフルモデルチェンジ。新型F650GSとして発売が開始されました。市場を見渡してみても2気筒エンジンを搭載したミドルクラスのオンオフモデルは数が少なく、BMWのニューモデルですから、ロングツアラーとしての実力も気になるところ。さまざまな意味で、このモデルに注目している方も多いのではないでしょうか?

このモデルのポジション(位置づけ?ネーミング?)は少々難解です。単純にモデル名の数字が排気量を示しているわけではなく、実はエンジン排気量は798ccとなっています。また、仕様は異なりますが同じエンジンを搭載してF650GSと同時に発売がアナウンスされた「F800GS」は、車名と排気量が一致していることから、余計に分かりにくくなっていると言えるでしょう。さらにこれまで単気筒モデルとして展開してきたFシリーズなのに並列2気筒エンジンを搭載しているという点も、不思議だと思う方も多いかもしれません。これに関しては、初代ファンデューロから旧F650GSまで受け継がれてきたコンセプトをBMWが重視しており、そのモデル名を絶やしたくなかったとのでは、と推測されます。つまり、BMW自身が認めた旧F650GSの正式継承者がこのモデルというわけです。一方、F800GSはどちらかと言うとパフォーマンス重視で、かつてのF650GS-Dakarに近い存在、もしくはR1200GSの末弟のようなモデルと言えるかもしれません。今回はそのF650GSの魅力をご紹介します。

扱いやすさを重視した
BMWのベーシックモデル

 F650GS(2008-)の画像
 F650GS(2008-)の画像

 F650GS(2008-)の画像

それではまず新型F650GSの心臓部をご説明しましょう。パワーユニットは先行して発売されたF800S/STに搭載された水冷4ストローク並列2気筒4バルブDOHCエンジンを採用しています。ただし、F800S/STでは30度ほど前傾させていたシリンダーを8.3度まで起こして搭載。もちろん、優れた振動軽減効果をもたらす独特のバランサー機構などはそのままですが、最低地上高を稼ぐためにオイルパン・ハウジングなどは新設計されています。これは、長い足回りや大径ホイールなどを持つオフロード車的な構成に合わせるためです。また、エンジン単体で1キログラムほど軽量化されたほか、低中速域を重視したカムシャフトやチェーンドライブを採用するなど、意外なほど多くの変更が加えられています。これらのさまざまなアレンジにより、F650GSのエンジンはあらゆる場面で扱いやすいエンジン特性を実現しています。さらに、単気筒時代のFシリーズと比較すれば、エンジン自体の出力は71馬力までアップしているので、日本であれば高速道路走行も含めてパワー不足を感じることはまずないと言えます。ツーリングマシンとしての資質も十分といったところでしょうか。

一方、車体構成に目を移すと、このモデルのために新開発されたスチール製パイプフレームが目を惹きます。このフレームは剛性が非常に高く、直立近くまでシリンダーを起こして搭載されたエンジンとあいまって、理想的な前後重量配分を実現しています。また、足回りはフロントが43ミリ径の正立式テレスコピックフォーク、リアはアルミ製のダブルスイングアーム式。ストロークはそれぞれ180ミリ、170ミリを確保しています。オフロード車として見れば控えめな足回りと言えますが、その分無駄な動きがなくオンロードでは実に快適な走りを披露してくれます。そのほか、シート下に配置された容量16リットルの燃料タンクや、2段階に調節可能なシート高(標準がローシート。オプションでハイシートがあります。買い足しですが・・)、低めでも効果的なウインドシールド、19インチのフロントホイール、42度も確保されたハンドル切れ角などにより、使い勝手は良好。日常的に乗れるBMWとしてはとても良く出来た1台と言えるでしょう。

是非試乗して頂きたい1台
乗れば納得のオールラウンダー

F650GSの走りで印象的なのは、やはりその扱いやすさでしょう。これはやはり並列2気筒エンジンの素直なキャラクターによるところが大きく、特に極低速域から中速域の使いやすさは出色の出来栄えと言えます。またその一方で、アクセルを大きく開ければ高回転域まで淀みなく吹けあがり、望むだけのパワーを発揮してくれます。振動の少なさも含めて、こういうコンセプトのマシンとしては異例に贅沢なエンジンを搭載しているという印象です。ハンドリングも日本の環境にあっていると思います。オフロード車的な車体構成でありながら、エンジンの搭載位置がそれほど高くなく、燃料タンクもシート下に配置されていることから、見た目よりもずっと重心が低いようです。小さく回らなくてはならない交差点などでも安定感が高く、クルッと向きを変えることが可能です。また、F650GSはオンロード寄りのラジアルタイヤを装着していることもあり、ワインディングでも結構なペースで走ることができます。さらに、オフロードをトコトコ走るのも得意ですから、非常に守備範囲の広いバイクだと言えるでしょう。オンオフ問わず、さまざまな場所をツーリングする方や、とにかく乗りやすいバイクをお探しの方には是非とも試乗していただきたい1台です。

上級モデルと変わらぬオプション
ロングやタンデムツーリングにも対応

F650GSには上級モデルのR1200GSなどと遜色ないオプションが用意されています。専用設計のパニアケースやトップケース(r-gsと同じく容量変更可能です)、さらに大容量のタンクバックなどが設定されていますので、ロングツーリングやタンデムツーリングでもで積載量不足を感じることはまずないでしょう。タンクバックは大容量のツーリング向きのデザインで、携帯電話や小物を効率よく収納できる工夫が凝らされています。また、タンクにしっかりと固定できるので、オフロード走行を楽しむ方にも最適です。

 F650GS(2008-)の画像

講師
青木 正志
はじめまして。東京・赤坂にあります「BMW Motorrad Tokyo 」の青木と申します。並列2気筒エンジンを搭載したBMWニュー・ベーシックF650GSの魅力を紹介させていただきます。参考にして頂ければ幸いに存じます。
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