アルパインスターズモナコWPシュー BMWバイクパーツ＆グッズ紹介

ALPINESTARS MONACO WP SHOE

アルパインスターズの「歩きやすい」フットウェア
実際の履き心地はどうだ？

本国サイトを見ての通り、アルパインスターズの製品デザインはとても洗練されている。まるでファッション・サイトだ。そもそもプロフェッショナル・レーシング製品のリード企業であることは周知の通りだが、今回はその数あるラインナップの中から、2010年スプリング・コレクションのひとつであるフットウェアを試してみた。

TRUE TEST !

バイクに乗っても歩いても、驚くほどのフィット感！

最近では「バイクを降りても～」とか、「街中に溶け込む～」といったキャッチフレーズのライディング・ギアが当たり前になってきた。「いかにも」な製品があまり好まれなくなってきた現われだろう。日本においては各メーカーともにライディング時の機能や性能をなるべく薄く（目立たなく）して、なんとかカジュアルな雰囲気を演出しようとする努力が見られる。しかし、果たしてそれは正しい方向を目指しているのだろうか…？

ライディング・ギアは機能ありき、カジュアル・ウェアはデザイン（お洒落）重視、この両者は決して相容れるものではなく、どうにか融合させようと思っても無理矢理感は否めない。その例は二輪用品店に行けば気付くことが出来るだろう。どちらかを犠牲にしなければ得られない、そんなモノを目指していてはいつまで経ってもカッコイイと思えるライディング・ギアは生まれやしない。その点で言うと欧州のライディング・ギアは進んでいる。何も犠牲にせず、シチュエーションや用途に応じてそれぞれの機能を追及し、素材を吟味し、遊び心を以ってデザインしているのが分かる。結果として、スタイリッシュなライディング・ギアが完成する。

今回試用したアルパインスターズの『 MONACO WP SHOE 』は、2010年スプリング・コレクションの新作フットウェアだ。実際に手に取り、着用し、使ってみると、スタイリングも機能も犠牲にしていないことがよく分かるものだった。

レースアップ・タイプで細身のシルエットが美しいアウターにはフルグレインレザーを採用し、メンブレン加工による防水性能を備えている。たとえレザーに浸水しても、内部まで濡れることはない。ちなみに「 WP 」とは「 Waterproof 」の意。細部を見ると、つま先、ヒールカップ、くるぶし部分に内蔵補強が備わっており、シフトペダルの当る部分にはソフトパッドが内蔵されている。それもシルエットを美しく見せるよう、外観からはほとんど分からないようになっている。

S 1000 RR に跨り、市街地を走ってみた。スポーツタイプのマシンでもまったく操作に違和感は無く、むしろ柔らかいレザーと薄めのソールのおかげで、ステップ、ペダルの操作感がとても分かり易い。

バイクを降りた後しばらく歩いてみたが、シューレースを適度に締めこんだ履き心地は、柔軟で伸縮性を感じられるレザーが足にしっかりとフィットし、どこか集中的に痛みを覚えることは無かった。アウターレザーは足の側面から裏へと回り込むようにソールと繋がっており、靴を「履く」と言うより足が「包まれる」ようで、例えるなら（履いたことは無いが）「バレエシューズ」か「足袋」の感覚に近い。柔らかいラバーソールではないのでスニーカーとは異なる。

テストを終えて

レザーの自然な美しさと洗練されたシルエットから、モーターサイクルには適さない（もったいない）と感じていたが、フルグレインレザーは強度的にも優れる素材だし、シンプルなラインを追求したシルエットはマシン操作にとても貢献している。つまり理に適った作りをしているのだ。『 MONACO WP SHOE 』は「 WALKING COMFORT FIT 」というコンセプトに基づき、マシンの操作性はもちろんのこと、バイクを降りて地面の上を歩くときの快適性を追求して作られた、とても上質な、紛れも無いライディング・シューズだった。