VIRGIN BMW | ショウエイ XR-1100 BMWバイク パーツ&グッズ紹介

ショウエイ XR-1100

  • 掲載日/2010年01月22日【BMWバイク パーツ&グッズ紹介】
  • 販売/SHOEI テスター/田中 善介(バイクブロス) テスト方法/市街地?高速道路で試用 テスト期間/1日
ショウエイ XR-1100の画像

SHOEI XR-1100

スポーツツーリングヘルメットに新しいカタチ
個性的なエアフォルムが光るフルフェイス

先に海外で高い評価を得ていたショウエイのプレミアムヘルメットが日本初上陸となった。日本国内におけるオートバイ用ヘルメットの法的基準により、国内では帽体の一部形状が理由で販売されなかったのだが、2010年5月にその「消費者生活用製品安全法・乗車用ヘルメットの技術基準」(PSC基準)が改正され、同年7月、ついに『XR-1100』が店頭に並ぶこととなった。

TRUE TEST !

個人的には好印象な有機的フォルム

まず手に取ってじっくり眺め、何が特徴的かと言われればその形状が挙げられるが、じつは日本ではなく海外で先に販売された経緯もそこにある。

日本国内のバイク用ヘルメットは「PSC基準」をクリアすることが義務付けられており、これをクリアするには「75R規定」に則っていなければならない。「75R規定」とは、アウターシェルに半径 75mm よりも小さな曲面があってはならない、という決まりごとで、それが2010年より、欧州で確立している「ECE R22/05」規格に基づく突起物の表面摩擦試験をクリアすれば構わないことになった。その改正で『XR-1100』は国内販売が可能となり、世界基準の安全性を備えたヘルメットとして上陸したのだ。ちなみに「JIS規格」および「MFJ公認」となっている。

さて、日本販売となった背景や事情は諸々あったとして、ユーザーの立場からすればヘルメット選びにカラーリングやグラフィックの違いだけではなく、立体的なフォルムも選択肢に加わったのは喜ばしいこと。

『XR-1100』は顎の部分から後頭部にかけて流麗なスタイリングが特徴的で、アウターシェルそのものがスポイラー機能も併せ持つ設計だ。見る人によって好みが分かれるところかもしれないが、エアロダイナミクス機能を洗練されたデザイン・フォルムとして完成させており、どことなく有機的、SF 映画的な印象もあって個人的には好きなカタチだ。

走行中に現れる効果としては「アタマが振られにくい」「左右・後方確認の際に首にかかる負担が少ない」と感じられた。いずれも高速道路をそれなりの速度で巡航しているときのことで、後頭部から下の縁の部分に配置された「テールフィン3」も気流の制御に効果を発揮しているのだろう。フォルムとエアロパーツ、トータルでライダーへの負担を低減していることは確かだ。またそれと同時に、ヘルメットの中を流れる空気に高いベンチレーション効果を感じた。口元や額部分のエアインテークから流入した外気が顔や頭部の一部分に集中して当たるようなことはなく、ヘルメット内部の空気が全体的にすり抜けていく感じだ。試乗車には前傾ポジションのキツいスポーツモデルとアップライトなトレールバイクで走ってみたが、ライディングポジションに関係なくベンチレーション機能が効いている。走行時の空気の流れを、外部・内部ともに徹底的に研究し尽く した結果なのだろう。ちなみにシールドの「SHOEI」ロゴステッカーは付属ではなくアクセサリー販売だ(シールドステッカー4枚組:210円)。

テストを終えて

これまで愛用してきた『X-9』の後継モデルとして選んだ『XR-1100』には、ヘルメットの進化を強く感じる。大胆なエアロフォルムはもちろんのこと、2層構造のライナーの中に外気を流入させる新設計ベンチレーション、視界が広く(高く)なった新型ピンロック・フォグフリー・シート、シールドを圧着させて閉じる CW-1 シールド+ Q.R.S.A.システム、そして緊急時に第三者がライダーを救護しやすいよう開発された新システム「E.Q.R.S.」(Emergency Quick Release System) の装備など。いずれも安全性と快適性を高める機能が洗練されている。「全世界が認めた新世代プレミアムフルフェイス」とはよく言ったものだ。しかし日本のメーカーなのに最新の製品が日本より先に海外で評価されるなんて、ちょっと残念だ。

ココがすごい!

チンバーから後頭部にかけてデザインされたエアロフォルムが一見重そうに見えるが、実際はそれを感じさせない全体のバランス。

ココがイマイチ

その特徴的な形状から、保管や持ち運びにはこれまで以上に注意が必要。スペアシールドの他にヘルメットバッグも買わなきゃ…。

ショウエイ XR-1100の詳細

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額部分にはアッパーエアインテークが2つ備わる。外気はライナー(衝撃吸収材)に設けられた通路から頭部全体に広がる。アウターシェルとの一体感もデザインされている。
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頭頂部後方のスポイラー上に4ヶ所もの排気口が備えられたトップエアアウトレット。排出面積を広くしたことで内部の空気の流れはとても穏やかに感じられる。
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後頭部から下の縁の部分に配置された「テールフィン3」。強い風圧によって受けるヘルメットへの抗力や浮き上がりを制御するのに効果的なエアロパーツといったところ。
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口元のロアエアインテークは2段階に開いて外気の流入を調整。開閉フラップは上下にスライドし、大きく開いて広く流れる印象。シールド内面の曇り防止に効果を発揮。
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アクシデントに見舞われたライダーのヘルメットを第三者の手で脱がせる際に左右チークパッドを引き抜くタブ。ショウエイ独自開発の「E.Q.R.S.」という非常用システム。
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「CW-1 PINLOCK」シールドが標準装備となり、シールド内側の曇りを防ぐ、視界が広くなった新型の「Pinlock(R) fog-free sheet」を付属品に含む。曇り防止に効果的。
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密着性の高いシールド部分。ショウエイ独自開発のシールド機構はだだ下げるのではなく下げてからシェルに押し付けるもの。静粛性を高め、風雨の侵入を大幅に低減。
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ワンタッチでシールドの着脱が可能な機構はその利便性の高さに感動する(かも)。シールドベース左側のプリセットレバーは微開機能とシールドロックシステムを兼備。
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