VIRGIN BMW | アルパインスターズ スパークソフトシェルジャケット BMWバイク パーツ&グッズ紹介

アルパインスターズ スパークソフトシェルジャケット

  • 掲載日/2014年06月19日【BMWバイク パーツ&グッズ紹介】
  • 販売/アルパインスターズ テスター/田中 善介(バイクブロス) テスト方法/市街地?高速道路~ワインディングなどで試用 テスト期間/1週間
アルパインスターズ スパークソフトシェルジャケットの画像

ALPINESTARS SPARK SOFTSHELL JACKET

さらに洗練されたアルパインスターズの『RIDE PUT』シリーズ
タウンユース向けのソフトシェルを過酷なシチュエーションでテストする

カジュアルスタイルのウェアが豊富になってきたアルパインスターズ。ライディング時の安全機能とバイクを降りた際のファッション性の両立、この矛盾はどこのメーカーでも抱えている共通の課題だと思う。以前インプレッションした Northshore Tech Fleece はそのあたりのサジ加減が良い塩梅で、とても気に入っている。しかしそれも5年以上使い続けたらさすがにヤレてきた。この製品はすでに廃番ということもあり、現ラインナップで同じようなアイテムを探してみたところ、『RIDE OUT(ライドアウト)』シリーズのSPARK SOFTSHELL JACKETにたどり着いた。

TRUE TEST !

こんなにソフトで大丈夫か!?

最初に手に持ったときの印象は「柔らかっ! 軽っ!」だった。掴んだ部分から生地がしんなり垂れてプロテクターの重みしか感じないくらいだ。これまで試着したアルパインスターズのジャケットの中でも群を抜いて柔らかい。製品名が “ソフトシェル” だから、当然と言えば当然なのだろう。

『RIDE OUT(ライドアウト)』シリーズはアウトドアウェアとライディングウェアの融合をコンセプトにしており、見たところ安全性と同時に普段着のような着心地も狙っているようだ。ライフスタイルのなかにモーターサイクルがあって “気軽に乗り出すときのお供” 的なジャケットなのだろう。ツーリングやスポーツ、オフロード向けにはそれら専用のウェアがラインナップしているので、このライドアウトはタウンユース向けという位置づけになる。

今回の試用では、このウェアにとって過酷なシチュエーションを選んだ。目的地まで片道約300km弱の高速道路、ワインディング、林道、市街地を含む道程だ。車両はGSや他メーカーのアドベンチャーツアラーで、いわゆるクロスインプレッション的な企画にこのジャケットを持ち込んだ。タウンユース向けだからと言って市街地走行で使ってみても、そのスペックは容易に想像できる。むしろいろんなシーンで長時間着用することで、アウトドアウェアのような使用感を試してみたかったからだ。

まず高速道路での使用感について(推奨はされていない)、走行風によるバタつきはどうだろう? 車両のウィンドプロテクション効果にもよるが、身体が受ける風はそれなりにあるもの。しかしソフトな生地でもややタイトなシルエットと伸縮性もあり、身体にフィットするので走行風による煩わしさを感じることはなかった。それに左右上腕にフィットアジャストがひとつずつ装備され、軽く絞るだけで十分バタつきは抑制できた。手首や裾もそれぞれ絞ることができるので、風の侵入もない。一番の懸念だった取り外しができないタイプのフードだが、襟の背面にある小さなループに、フード頭頂部にあるベルクロのタブを通してフード留め、ドローコードで首周りを絞れば風の侵入を防ぐことができた。

気温が20度を超える陽気の市街地やワインディングでは、ジャケットの下にロングスリーブシャツ1枚着ていればちょうど良い。生地自体が走行風をしっかり遮ってくれるので、山間部を走っていても肌寒さは感じない。林道に入ると、わかってはいたが慣れないダート走行とビッグオフツアラーの扱いに冷や汗とアブラ汗でグダグダになった。そうなるとこのジャケットは暑いだけなのだが、二の腕の内側(わき腹側)に大きく開くベンチレーションが装備されており、これを開放するとジャケット内の熱はかなり放出できた。アスファルト熱の篭る市街地でも、これは大きな効果を発揮しそうだ(もちろん夏用ではない)。

じつはこの取材で、砂利道を走り出した直後に転倒(ボテゴケ)してしまった。身体は砂利の上にひっくり返えり、車体は地面に埋まっていた尖った石で側面に深い擦り傷、ブッシュガードの破損、エンジンガードの塗装が剥げるくらいのダメージを受けた。しかし転がり方が良かったのか(?)、幸い身体は無傷。打撲もなく取材を続行することができた。こういうことがあると、やはり肩、肘、背面のプロテクターは重要だと痛感する。けして伊達ではないし、着心地が良いうえにプロテクターがしっかり機能するのはうれしい結果だった。

順調な取材撮影から打って変わってシーンは雨。往路があるなら復路もある。帰りは雨に激しく打たれながらの走行となった。このジャケットはWATER PROOF(防水)ではなくWATER RESISTANT(撥水・水を防ぐ)だ。はたして高速道路で風雨にさらされ、どの程度耐えられるのか? と、また興味がわいてきた。長く使っていたノースショア・テック・フリースも完全防水ではなかったものの、雨の中を走っていて内部が濡れたことはなかったからだ。結論から言うと、生地もジッパーも縫い目も、雨の滲入が見られなかった。完全防水と謳わないのは、縫い目やジッパーに防水対策を施していないのが理由だが、生地に防水・防風性能があるため「実際はまず濡れない」と言いたい。インナーポケットは防水なので、高速チケットや財布も濡れず、アウターシェルに水が滲み込んでも、ジャケット内部はサラリとしていた。

テストを終えて

これから暑くなる手前の時期に、軽く羽織って走り出すにはちょうど良いジャケットだと思う。タウンユースを前提としたカジュアルラインなのに必要以上のテストを行なったわけだが、マイナス評価は与えられない。このソフトシェルジャケットも、今後はヘビーローテーションになりそうだ。ちなみに、カラーバリエーションは写真のブラック(PHANTOM POPPY RED)のほか、グラフィックタイプのブルー(MORROCAN BLUE BLAZING YELLOW)とグレイ(DIGIT GRAY CAMO)の3パターンが揃う。サイズはXSから2XLまで。

ココがすごい!

軽い、柔らかい、伸縮性がある、風を通さない、浸水しない、細身のシルエットなど、シンプルなデザインに高い機能をまとめているところがスゴイ。

ココがイマイチ

生地の柔らかさゆえ、脱いだときは要注意。プロテクターが存在感を出し、手に持ちづらく、車体の上に置いたときによくズリ落ちる……。

アルパインスターズ スパークソフトシェルジャケットの詳細

アルパインスターズ スパークソフトシェルジャケットの画像
軽量、ソフト、伸縮性の高さが最大の特徴。透湿性も高く、汗をかいてもベタつくことはなかった。
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袖の絞りはシンプルなベルクロタイプ。つまみ部分がシリコンコーティングされていて指が滑らない。
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上腕左右1ヵ所に装備されたフィットアジャスト。柔らかいからフィット感も高く、シンプルで効果的。
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フードを押さえるためのタブとループ。丸めるのではなくフード頭頂部と襟を留めておくもの。
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パッと見て気付かないほど丁寧に配置されたベンチレーション。二の腕の脇から肘にかけて大きく開く。
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肩にはCEプロテクターを装備。ソフトシェルの上からでも明らかに浮いて見えることがない絶妙な形状。
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肘から前腕部を覆うように装備されたCEプロテクター。当たる感はあるが外観はそれほど目立たない。
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メッシュポケットに内蔵された背面のPEパッドは、別売りの樹脂性メッシュタイプにアップグレード可能。
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唯一のインナーポケットは防水仕様で、MP3プレイヤー用のヘッドホンケーブルを通す穴まである。
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