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BMWをスマートに乗りこなすための基礎知識
Text / Kentaro SAGAWA  Photo / Satoshi MAYUMI 掲載日 / 2009年07月15日

BMWの特性に親しみスマートに乗りこなそう!

BMWのフラッグシップにはR1200GSやR1200RTなどのフラットツイン系、新鋭のK1300シリーズなどがあります。どれも威風堂々としていて、実際大きくて重いんですが「これぞビッグバイク」という存在感に溢れていますよね。

 

BMWに乗っていて感じるのは、世界標準で作られているということ。つまり操るライダーは欧米人サイズ、日常的に巡航速度が100㎞/hを超え、時折ダートも走破する必要に迫られる、そんな走行環境です。

 

頑丈なエンジンや耐久性の高いシャフトドライブ、ABSやESA、ASCといった電子制御を駆使した安全装備の数々も、日本ではちょっと考えられないような、過酷でハイレベルな使用条件を想定した作り込みですね。

 

このようにBMWは独自のこだわりを持った、ユニークで良くできたバイクですが、乗りこなすのはけっして容易ではありません。取り回しやUターンだって、国産のビッグネイキッドのように簡単ではありませんし、軽量スーパースポーツのような、自動的なコーナリングもできません。本当の意味でBMWを乗りこなすためには、機械としての特性を理解して、その扱い方を身体に刻みつける必要があります。そんな敷居の高さこそが深みでもあり、だからこそBMWを颯爽と操る姿はカッコいいし、皆が憧れるわけです。

 

「BMWスマートテクニック」では、主にフラットツインについて解説しています。“操る”という視点で見た場合、その強みとなるのは「穏やかな出力特性」「低重心」「軽快なハンドリング」などでしょう。反対に弱みとしては「極低速の細さ」「重量」「強力すぎるブレーキ」などが挙げられるかもしれません。

 

これらの要素を並べていくと、自ずとキャラクターが見えてきます。つまり、極低速での操作フィーリングや車重がもろに影響する、取り回しやUターンが少々苦手なのです。でも、落胆することはありません。これらはテクニックを磨くことで十分カバーできる部分です。むしろ、中高速域でのコーナリング性能や高速クルーズでの圧倒的な安心感と快適性、巨体を感じさせない軽やかなハンドリングなどがBMW、とりわけフラットツインの魅力になっているわけです。

 

というわけで、フラットツインを安全にスマートに乗りこなすためのポイントについて、Q&A形式でお伝えしたいと思います。街ゆく人が振り返る、スマートなBMW乗りを目指しましょう!

 

スマテク講座 講師

佐川 健太郎(Kentaro SAGAWA)

1963年東京生まれ。モーターサイクルジャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。公道で役立つ実践的な低速系ライディングから、モータースポーツとしてのサーキットライディングまで、テクニックやノウハウに造詣が深く、メーカー系イベントや各種スクール、走行会などでも講師を務める。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。MFJ公認インストラクター。

足つきが不安で、停車時はいつも緊張してしまうのですが…

BMWは全般的に車体が大柄で重量もそれなりにありますので、小柄な方や体力に自信がない方にとっては、たしかに足着きで不安があるというのは分かります。特にR1200GSなどの足長バイクの場合、足を地面に着くのもひと苦労ですよね。

 

停止時のポイントとしては、まず車体をまっすぐにすることです。車体が傾いていると、停止したときハンドルが切れ込んでバランスを崩し易くなります。次に着地点を見極めることです。よくありがちなのが、路面の轍で足が届かなかったり、路肩に浮いた砂に足をすくわれて立ちゴケするパターン。なるべく平坦な場所を選ぶか、もしくは縁石に左足を着くなど、安全な足場を確保するようにしましょう。また、停止してからローギアに入れようとすると、何回も左右の足を着き直して面倒だし、立ちゴケのリスクも高まります。ローギアで停止したら、そのままキルスイッチでエンジンを止めてしまいましょう。発進時はクラッチを切ったままセルボタンで始動、そのままスタートするだけです。これなら左足を一回着くだけで済みますよね。

 

センタースタンドをスムーズに掛けられないのですが…

 

センタースタンドを掛けるときは、なるべく体をバイクに近づけるのがコツ。右手はフレームなどの力が入れやすい部分をしっかり持ち、スタンドの脚の2ヶ所がしっかり路面に接していることを確認したら、体重をすべて載せるつもりで踏み込みつつ引き上げます。このとき、爪先を後方に向けておくと力を入れやすくなります。

 

腰は伸ばして直立姿勢のまま、主に脚力で引き上げるのがコツです。右腕も使いますが、腕力というよりは背筋力を使うイメージです。昔、体力測定でやった背筋力計を思い出してみてください。重量級バイクでも意外に簡単に持ち上がるはずです。逆に腰が引けていると力が入らず、バイクも不安定になります。よく後ろに引こうとする人がいますが、これではなかなか上がりません。姿勢が悪いと腰を痛める原因にもなるので注意しましょう!

センタースタンドを下ろす時が一番怖いのですが…

 

センタースタンドを外す場合は、両手でハンドルを持ってそのまま勢いをつけて前に押し出す方法もありますが、失敗しそうで緊張しますよね。特に重量車やハンドル位置の高いデュアルパーパスモデルなどは、グラッときたときに押さえきれるか不安が残ります。ハンドルを一瞬右に切ることで車体を自分側に傾ける方法もありますが、これも慣れないと逆にバランスを崩してしまいます。

 

そこでこんな方法はいかがでしょう? まずローギアに入れておきます。足よりも繊細な手でやったほうが確実です。センタースタンドをかけるときと同じ要領で、左手はハンドルをまっすぐに保ち、右手はグラブバーなどを握って、バイクをゆっくり前に降ろします。すると、後輪が接地したところで“ストッ”とバイクは止まります。ギアが入っているので意外に安定していますし、自分の重心は常にこちら側にあるので、反対側に倒す心配もありません。まずは誰かにサポートしてもらいながら、一度試してみてください。

『ケンケン乗り』をマスターしておきたいのですが…

R1200GSのような足長バイクの場合、跨ったもののスタンドが払えないという場合もあり得ます。そんなシチュエーションで無理をして立ちゴケするぐらいなら、別の方法を考えましょう。オススメなのが、片足跳びで乗り込む、いわゆる「ケンケン乗り」です。

 

まずスタンドを払っておき、左足をステップに乗せて半クラでゆっくり走り出したら、右足で2~3回ケンケンしながら路面を蹴ります。慣れてくれば1回蹴るだけでも十分でしょう。助走から10~20km/hまで速度が上がったら、右足をリヤ側から回して跨ります。このとき、右足をバッグやキャリアなどに引っかけないよう注意! 失速しないように半クラをつないで滑らかに加速し続けるのがコツです。まずは止まった状態で何回かシミュレーションして感覚をつかむといいでしょう。

 

「ケンケン乗り」ができると、押しがけや不整地での発進などでも有利ですし、ライディングの幅を広げることになります。安全な場所で試してみてください。

 

車体の押し引きがとても辛いのですが…

 

 

 

ラクに安定して取り回すためのコツは、まずバイクに体を寄せて“接点を増やす”ことです。バイクとライダーが互いに寄りかかるような状態を作ることで、バランスがとれてラクに支え合うことができます。ただ、傾けすぎると逆に重くなるので、バランスのいい角度を探してみてください。逆にバイクから離れるほど不安定になりがちで、特にハンドルを切ったときにバランスを崩しやすくなります。ただし、ベテランや体力がある人なら、車体を垂直にして取り回したほうが楽な場合もあるので自分にフィットするやり方でO.K.です。

 

R1200GSのように大柄で背の高いバイクなどの場合、体格によってはシートの位置が高すぎて腰で支えられないことも…。そんなときはタンクを小脇に抱えるイメージで、タンクを肘でホールドしてしまうと安定感が増します。180度方向転換したい場合など、前進よりむしろバックのほうがラクにできる場合も多いですね。バイクを腰で支えながらハンドルを左いっぱいに切り、自分の体重を預けるようにして下がります。止めたいところでブレーキレバーを握れば完了です。

 

ショップの軒先などで、店員さんがセンタースタンドをかけたまま、バイクの後ろからグラブバーなどを掴んでグイグイ向きを変えている姿を見かけたことはありませんか? かなり荒技に見えますが、コツをつかめば意外と簡単。センスタを支点にリアを押し下げることでシーソーのようにフロントを持ちあげ、回転させる方法です。ポイントは体重をかけて後ろに引くこと。真上から押してもなかなか持ち上がりません。ちなみに、センスタの右側の接地点を軸にして、自分の右手方向に回すとラクです。左側にも回せますが、センスタに足を載せるためのステーが接地してしまい、邪魔になります。

 

駐輪場やトラックの荷台といった、狭い場所で方向転換したいときに有効なテクニックですが、車体や地面を傷めることにもなりかねないので、あくまでもエマージェンシー用ということで、覚えておいて損は無いと思います。

ノロノロ極低速ではエンストしそうで不安ですが…

 

滑らかなパワー特性が魅力のフラットツインですが、同クラスの直4などに比べると極低速で粘りが薄く、また乾式単板クラッチの特性もあって、半クラがやや難しい傾向があります。したがって渋滞などのノロノロ運転や、発進時の半クラのつなぎ方などは、繊細さが必要になります。エンストを避けるには、とにかくすべての操作を繊細にこなすこと。スロットルは微開一定とし、あまり開け閉めしません。クラッチも半クラ一定とし、なるべく切ったりつないだりしないようにします。極低速ではフロントブレーキは使わず、リアブレーキの微妙な入力加減で速度をコントロールします。そして、いつエンストしても大丈夫なように車体をなるべく直立させて、足を出せる準備をしておくことです。

 

また、エンジン回転数が落ちた状態からいきなりスロットルを開けるとエンストしやすくなります。駐車場や狭い路地に入る場合などは特に注意。ちゃんとローギアに入っているか、ギアポジションも確認しましょう。BMWはギアポジションが表示されるタイプがほとんどなので、その点でも便利ですね。

BMWをスマートに乗りこなすための基礎知識
Text / Kentaro SAGAWA  Photo / Satoshi MAYUMI 掲載日 / 2009年07月15日

BMWに限ったことではないのですが、ライディングでは決して無理をしないのが原則です。Uターンにしても、クルリと小さく曲がれないのであれば、最初はゆっくり大きくターンしてみる。それも無理なら両足を着いてやってみる。両足が届かなければ片足だけ確実に着く。それも自信がなければ降車して取り回す。何度切り返したとしても、そこで無理して立ちゴケするよりはいいじゃないですか。そうした状況判断と割り切りもテクニックのうちです!

 

一方、低重心なシャーシと独創的なサスペンション機構を持ったBMWのコーナリングは、どこまでも行けそうな安心感に包まれています。ただ、調子に乗り過ぎてはいけません。どんな優れたバイクでもやはり限界がありますし、重量級のバイクほど運動エネルギーも大きいので、一度バランスを崩すとリカバリーが難しくなります。無理な走りをしたり、怖いゾーンに自分を追い込んだりせず、速さよりもバイクとの対話を楽しみましょう。それがスマートな大人の楽しみ方だと思いますよ…?

 

いきなり荒れた路面に入り込んでしまったらどうすれば…

 

まず落ち着いて減速すること! カーブで慌ててフロントブレーキを強くかけたりすると、いくらABS装備でもフロントが切れ込んでバランスを崩すこともあり得ます。さらに言えば、いきなり荒れた路面に突入することがないように、状況の先読みを心掛けることが大事です。

 

路面コンディションが悪い場所ほど、ライディングフォームが重要になります。前後サスペンションのストローク量が多く、姿勢変化も大きいデュアルパーパスモデルでは特に、きちんと車体のセンターに乗ることが大事。バイクとの一体感を得るためにも、ニーグリップはしっかり意識しましょう。

 

さらにギャップがあるような悪路では、スタンディングが有利です。基本はステップにまっすぐ荷重できる位置に立つこと。肘はやや外側に張り、ヒザは前に軽く曲げてショックを吸収します。腰が引けた、いわゆる「へっぴり腰」では加速したときにステップに踏ん張りが効かず、肘やヒザを曲げ過ぎても疲れるだけで、路面からの衝撃もうまく吸収・分散できずバランスを崩しやすくなります。

 

極低速ではスタンディングのほうがバランスを取りやすいことがあります。これはライダーが立ち上がることで相対的に重心位置を下げる効果があるためで、ステップワークも積極的に使えるようになります。もともとスタンディングに対応したポジション設定になっているR1200GSのようなデュアルパーパスモデルの場合、特に強みですね。

 

極低速でターンする場合、目線とともに上体を曲がりたい方向に向けることで、腕に余裕が生まれてハンドル操作もしやすくなります。左右の足先もイン側に向けると、上体の捻りが楽になり、外ヒザでタンクを押さえやすくなります。

 

これはダート走行でも同じで、無闇にアクセルを煽ったりせず、車体を立てて一定速度で通過するのが確実。頭の位置をなるべく車体センターからずらさず、大きくバランスを崩す前にステップワークとハンドルの小刻みな動きで補正するのがコツです。

出来ることなら避けたいUターンを克服したいのですが…

そうですね、私もできることなら避けたいです。2輪で走るバイクは元来、速度が出てはじめて安定する乗り物なので、極低速が苦手なのは当然です。でも、いつかはUターンしなければならない場面も出てきますので、いろいろな“引き出し”を持っておくことは大事でしょう。

Uターン成功への秘訣は、無理をしないことです。初級編としておすすめなのが足着きUターン。両足をバタバタと着く“バタ足ターン”です。道路の左端に寄ったら、ウィンカーを出して安全確認し、ハンドルを右いっぱいに切って発進。ゆっくりとクラッチをつないでいきます。半クラ一定のまま、足着きが遅れないようになるべく前方に足を出していくのがポイント。スロットルはアイドリング+αで十分です。速度が出すぎたら、軽くフロントブレーキを使います。

 

 

バタ足ターンに慣れて、半クラ一定での速度調整が完全にできるようになったら、次は両足をステップに載せてUターンにトライしてみます。ただし、車体はまだ直立状態のまま、傾けてはいけません。ここでのポイントは、ハンドルをいっぱいに切った状態をキープしながら、一定速度で曲がれることです。発進時はまっすぐ前に出てからフルステアに持っていくほうが簡単です。やはり半クラ一定のまま、スロットルはアイドリング+αで十分。速度が出すぎたら、今度は軽くリアブレーキを使って調整します。直立を意識しながら、なるべくゆっくりとした速度で曲がることで、低速バランスのトレーニングにもなります。

 

極めつけはハンドルをフルに切ったまま、しかもバンクさせて曲がる方法です。発進時からハンドルをフルに切っておけば、最小半径でターンできますが、そのぶん発進時のコントロールは難しくなります。半クラ一定、スロットルはアイドリング+α、速度が出すぎたら軽くリヤブレーキを使うのは同じですが、バイクが傾斜している分、遠心力(速度)が必要になるため、スロットル開度は少しだけ大きめになります。ターンするときは上体を曲がりたい方向に向けつつ、腰をやや外側にずらしたリーンアウト的なフォームを使うと、よりバンク角を大きく稼ぎやすくなります。フルステアでハンドルが遠くなるようなら、上体を前傾させてフォローしましょう!

 

スマートなコーナリングはどうしたらキマる?

コーナリングを成功させる一番のポイントは、実は速度コントロールにあります。コーナーの手前でいかにそのコーナーに見合った速度に持っていけるかがカギ。私はこれを「速度の見積もり」と呼んでいます。見積もりを誤って進入速度が高すぎれば、コーナーの途中でラインが膨らんでしまい、怖い思いをします。逆に進入速度が遅すぎても失速してフラついたり、思いどおりのラインが描けなかったり…。ここでの主役はブレーキング。コーナー直前で強くかけるのではなく、だいぶ手前から余裕を持って減速を開始しましょう。ブレーキングは「長く一定に」かけて、穏やかにリリースするのが基本です。また、フラットツインは縦置きクランクなので、ロール方向へのジャイロ効果が少ないため倒し込みがとても軽快です。オーバーアクションはせず、バイクなりにスムーズに倒し込む乗り方が適しています。リーンウィズで軽快に走りましょう!

 

 

R1200GSのようなデュアルパーパスモデルの場合、股下でバイクを操るようなイメージで、多少リーンアウト気味で乗ったほうがしっくりくる場合があります。リーンアウトはバイクの傾きに対して上半身をアウト側にずらしたフォーム。視界が良く、ブラインドコーナーに有利で、車体をバンクさせやすく、コンパクトに曲がれる効果があります。特にタイトコーナーなどでは使えますね。ちょうどオフロード走行のように、外足に荷重をかけておくと滑りに対する保険になります。逆にハングオのように大きく腰を落とすフォームは、足長のデュアルパーパスや重量級ツアラーには向かず、かえってバランスを崩しやすくなります。

 

R1200GSは一見オフ車のようなスタイルですが、実はかなりのコーナリングマシンです。縦置きクランク特有の軽快感があり、オフロードの高荷重に耐える車体ですから、しっかりとした剛性感もあります。元々足長なのでバンク時のロードクリアランスも十分。電子制御サスペンション「エンデューロESA」を装備していれば、オンロードでスポーツを楽しめるセッティングが可能です。プリロードは従来の3モードに加えダート用も装備。ダンパーもコンフォート、ノーマル、スポーツを選べるなど、走り方や場所によってセッティグを自在に変えられるのが魅力です。ワインディングをスポーティに走るなら、個人的には「プリロード」→「ロード用ソロ」、「ダンパー」→「スポーツモード」の組み合わせがオススメ。峠道をスタンディングでも快適に走れちゃうのは、GSならではですね!

 

テレレバーとかパラレバーとか、上手な使いこなし方ってあるのでしょう

 

BMWといえば、その独創的なサスペンションシステムが特徴ですね。テレレバー式フロントサスペンションは、一般的なテレスコピックとスイングアーム構造の両方のメリットが活かされています。特に最新型ではブレーキング時の過度なノーズダイブを抑えつつ、自然なピッチングモーションが使えるようになっています。そのため、フロントブレーキを残しながらコーナーへ進入していくような、スポーティな走りも違和感なく出来ますし、フロント荷重を高めることで倒し込みのキッカケも作りやすくなります。

 

一方、パラレバー式リアサスペンションも、以前のような加速時のリフティングが抑えられ、スロットルワークによってスムーズにフロントからリアへと荷重移動できるようになっています。後輪が路面を蹴る感覚とともに、豪快な立ち上がりを楽しみましょう!

フラットツインエンジンはバンクするとスグに接地する?

 

フラットツインは左右にシリンダーが飛び出したデザインが特徴で、そこが他のどのバイクとも似ていないBMWならでは個性になっています。機能的にもシリンダーを横に寝かせることによる低重心化や、縦置きクランクによるジャイロ効果などにより、旋回安定性と軽快なハンドリングを実現しています。

 

さて、よくある質問ですが、一般道をそこそこのハイペースで走っていても、コーナリング中にシリンダーが接地することはまずありません。写真でも分かるように、エンジンより先にステップが接地しますので、それがバンクセンサー代わりと考えてください。そもそも、サーキット走行でもない限り、エンジンが接地するような走りはリスクこそあれ、他に何のメリットも生み出しません。それよりも、リラックスしてバイクと一体になれる瞬間、操っている実感を楽しんでみてはいかがでしょうか。