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最新BMWで欧州を往く 黄金色に輝く シーズンオフのスイス

Text & Photo / Masanao NITTA ( Tras )
Special THANKS / BMW Motorrad AG, BMW Motorrad CH, Switzerland Tourism, Swiss International Air Lines,
Osec. SwissBusiness Hub, Lake Geneva Region Tourist office, Interlaken Tourism, Luzern Tourism

掲載日 / 2011年12月22日

スイス観光ツーリングプラン

スイスには、湖の畔に黄金色に染まる世界遺産があるらしい。そんな話を聞いた私はどうしても BMW K1600GTL で尋ねてみたくなった。さらに、せっかく行くなら世界遺産巡りもしたい…そんな夢のようなプランが、スイスに行けば実現できるのです。

 

日程はウインタータイムに入ってからの方がいいだろう。でも11月初旬を過ぎるとバイクが走れるルートは激減する。であれば、ウインタータイム突入日の10月30日に日本を出よう。そう考え、ホテル5泊、機内1泊という、旅程6泊7日のスイス満喫旅をプランしました(7日目は仕事復帰も可能ですよ?)。

 

※この記事は雑誌『BMW BIKES Vol.57』(2011年12月15日発売)掲載記事と一部内容が連動したものです。雑誌も併せてお楽しみください。

※誌面の表記に一部誤りがありました。関係者様にたいへんご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げますとともに、ここに訂正させていただきます。 P.52 クレジット内
誤)Switzerlamd Tourism ⇒ 正)Switzerland Tourism

 

新田 正直 / カーボン製品の研究・開発、およびオートクレープの設計・製造・販売を行うトラス代表。製品はおもに2輪・4輪の研究開発機関向けにデリバリーされている。当サイトではBMWバイクで鈴鹿8耐に挑戦してきたレポートも連載。写真は世界一の独立時計師、フィリップ・デュフォーさんと。

新田 正直 Masanao NITTA

カーボン製品の研究・開発、およびオートクレープの設計・製造・販売を行うトラス代表。製品はおもに2輪・4輪の研究開発機関向けにデリバリーされている。当サイトではBMWバイクで鈴鹿8耐に挑戦してきたレポートも連載。写真は世界一の独立時計師、フィリップ・デュフォーさんと。

 

【今回の旅程】

DAY 1午前成田空港発/スイス インターナショナル エアラインズで当日午後チューリヒに降り立つ/チューリヒでレンタルバイクのピックアップ/チューリヒ泊

DAY 2ツーリングプランスタート/240km先にあるジュー渓谷へ/世界一の独立時計師フィリップ・デュフォーさんの工房訪問/世界遺産ラヴォーの葡萄畑へ/
ワイン工房フォンジャラ訪問/ヴヴェイ泊

DAY 3地元で有名なワインディングを越えてインターラーケンへ/世界遺産ユングフラウヨッホまで鉄道の旅/観光地インターラーケン泊

DAY 4日本で言うところの箱根越えルートでスイスの人気観光地ルツェルンへ/のんびり観光/ルツェルン泊

DAY 5ヨーロッパのライダーに密かな人気のエントレブッフ地方(ユネスコ生物圏保存地域)を走るパノラマルートへ/チューリヒでバイク返却/チューリヒ泊

DAY 613:00 チューリヒ空港からスイス インターナショナル エアラインズで成田へ

DAY 7翌朝成田空港着

スイスを走ることについて

この時期のスイスは曇りや雨の日が多く、おまけに霧も発生し、気温はマイナスの領域に入る日も少なくありません。冬に入る直前の難しい季節、観光地はオフシーズン、おまけにアルプスルートは閉じられてしまいます。

 

10月31日をツーリングの出発日と決めたのには大きなわけがありました。ヨーロッパでは3月の最終日曜日午前2時からプラス1時間のサマータイムになり、10月の最終日曜日午前3時になるとマイナス1時間のウインタータイムに突入するのです。“昨日” までは朝の8時にやっと明るくなったのに、ウインタータイムの “今日” からは、1時間早い7時に明るくなる訳です。

 

自動車大国ドイツはとても良い所ですが、初めてのツーリングにはお勧めできません。最近の車は高性能車が多く、バイクで一生懸命走っていても、アウトバーンではドバッ! と一気に抜かれてしまうことが多いのです。日本では逮捕されてしまうスピード域で走っていても、追い越される時が度々あるわけで、結構怖い思いをします。幸運なことに、私はヨーロッパ数カ国をバイクや車で移動してきた経験があります。

 

スイスは右側通行です。右側道に止めて、後ろを振り返った画像です。黄色の線は自転車専用レーン。

スイスは右側通行です。右側道に止めて、後ろを振り返った画像です。黄色の線は自転車専用レーン。

 

日本の交通規制と似ているスイスでは、右側通行に慣れさえすればとても走りやすい国です。運転マナーも良く(クラクションを鳴らす人が非常に少ない)、道路標識の色も日本の色分けと同じで一般道は「青」、高速は「緑」表示なので、あまり戸惑うこともありません。高速道路では時速120キロ、一般道路で時速80キロ、建物の密集地帯で時速50キロ、学校の近くなど一部は時速30キロ、という具合に速度制限があります。チューリヒの街中では速度取り締まりの監視カメラがたくさんあるので注意が必要です。以前、私は時速50キロ規制のところを58キロで走行し、罰金40スイスフランを支払いました…。

 

今回のツーリング感動体験は 『BMW BIKES Vol.57』 に記しているので、是非そちらもご覧ください。こちらのバージンBMWでは、私が実際に利用した施設やルートなど、ちょっと詳しい情報をご紹介します。

 

DAY 1

フライトについて

極力乗り継ぎ便は避けて直行便を利用したいもの。受託荷物が届かないような事例が沢山あるので、もしウェアが届かなくてバイクに乗れないなんて最悪です。また、時差を有効活用することで移動時間も圧縮したい。そんなわけで、成田とスイスを結ぶ直行便『 スイス インターナショナル エアラインズ 』がベストです。

 

 

【成田 ⇒ チューリヒ】 LX161便

・サマータイム 成田発 10:25 ⇒ チューリヒ着 15:50
 ※2012年3月25日~2012年10月27日

・ウインタータイム 成田発 11:15 ⇒チューリヒ着 15:50
 ※2011年10月30日~2012年3月24日

 

【チューリヒ ⇒ 成田】 LX160便

・サマータイム  チューリヒ発 13:00 ⇒ 成田着 07:50(翌日朝)

・ウインタータイム  チューリヒ発 13:00 ⇒ 成田着 08:50(翌日朝)

 

2011年12月22日現在情報

スイス インターナショナル エアラインズを利用するメリット

① 時間を有効活用できる

朝、成田を出発してその日の夕方にはチューリヒ着(空港からタクシーを使えば、その日のうちにバイクのピックアップが可能かも?)。帰りは成田に到着するのが翌日朝なので、首都圏にお勤めの方ならそのまま出社することも、可能と言えば可能です。

② 無料受託手荷物許容量が2011年8月1日より増やされた

エコノミークラス(ほかのクラスは、スイス インターナショナル エアラインズに確認願います)の無料受託荷物サイズは縦横高さ三辺の長さの合計が158cmまで、 重さと数量は23kg以内を2個まで。対象は、東京成田発着便のみでチューリヒ24時間以内の乗継便のみに適用される。今回は三辺の合計が137cmのナイロン製ケースに、システム6ヘルメット、アトランティス4スーツ、プロスポーツグローブ、プロツーリングブーツを詰め込み、トータル重量20kgでした。

スター アライアンスにも加盟

提携会社のマイルカードでマイルが加算できます。

④ ANAとの提携便

成田発着便には、日本人のフライトアテンダントが数名載っているので、もしもの時の安心感が高い。

BMW バイクを貸してくれるお店

Arrigoni Sport GmbH
■ BMW Motorradcenter Zurich
■ Zurcherstrasse 52 – 64
■ 8952 Schlieren

 

BMW バイクのレンタル費用(右のメニューリストをご参照ください)

モデルによって価格が異なります。また、トップケース(T)、サイドケース(K)、ナビ(N)などの車両装備品や、保険、ヘルメット、ライディングウェアなど、ツーリングに必要なレンタル品目の費用が1日単位で細かく設定されています。保証金はキャシュかクレジトカードで2,000フラン、金額が1,000フラン以上になる場合は予約金として別途20%が必要です。
今回の場合、K1600GTL にナビ付きで1日235スイスフラン+保険代金ですね。

 

今回私たちは、BMWニーダラッセンスイス本社からバイクを借り出しました。じつは『BMW BIKES』 という “日本の BMW モトラッド専門誌とのお付き合い” がこちらで認められ、特別に便宜を図っていただいたのです。ここはレンタルバイクの貸し出しはしていません。

 

今回私たちは、BMWニーダラッセンスイス本社からバイクを借り出しました。じつは『BMW BIKES』 という “日本の BMW モトラッド専門誌とのお付き合い” がこちらで認められ、特別に便宜を図っていただいたのです。ここはレンタルバイクの貸し出しはしていません。

 

まずは、ガーミンナビを日本語にセットします。

DAY 2

いよいよ出発!

霧雨の中、いよいよバイク旅のスタートです。通勤渋滞に巻き込まれながら高速に乗り、フランス国境のほど近く、ジュラ山脈の南側を目指します。K1600GTL のグリップヒーターとシートヒーターは、ハンドル左のスイッチで調整できるので、走りながらハンドルから手を離すことなく温度調節が可能です。

 

ジュー渓谷一帯はスイス時計産業のメッカで、またの名を「ウォッチバレー」とも言われています。ここの高級時計屋さんを見学したい場合は、行きたい時計会社のホームページと住所を参照してください。ちなみに私達に「寄って行きませんか?」と声をかけてくれた『 ジャガールクルト 』はコチラです。

Rue de la Golisse 8, 1347 Switzerland
+41 21 845 02 02

 

ゴー・ミヨ”15 のレストランは、オーデマピケの隣でルート・デ・フランス通りにある『 オテル・レ・オルロジェ 』です。

Route de France 8, 1348 Le Brassus, Switzerland
+41 21 845 08 45

 

ラヴォーに行くマルセル道路は、冬季閉鎖の対象なので注意が必要です。高速をシュブルで降りて2本目を右折すると、その先のブラインドコーナーにベルビューの展望駐車場があります。正面にきらびやかなレマン湖とアルプスを眺め、左手にはラヴォーの斜面を望むことができます。展望駐車場から西へ3km弱で ルイ・フォンジャラ さんのブドウ畑とワイン工房があります。ここは道が急に狭くなっていました。

 

レマン湖のほとりまで降りたルート・デ・ラックにはラヴォーの歴史や葡萄栽培の大変さを20分の日本語のビデオで見ることが出来ます。ラヴォーには、早めについてしっかりと散策した方が良いと思います。駆け足で見るにはもったいない所ですから。

 

ツーリング1日目の宿泊は、ヴヴェイ駅前の『 アストラホテル 』。なんといっても駅前のホテルだからわかりやすいし、エレベーターで出入りする地下駐車場にバイクが保管できるからお勧めです。

 

ホテルから歩いて5分ぐらいのレマン湖のほとり、中央広場東側にある『 オステュリー・ドゥ・ジュネーブ 』で夕食。ここはホテルとレストランが併設されていて、エレベーターが無いので少し大変かもしれませんが、オーナーのメイランさんが親切に対応してくれます。ここのホテルの特色は、遊覧飛行付きのパックがあること。リオネル・メイランさんは時計師の資格を持つ傍ら時計ショップも展開しているので、旅の記念に時計が欲しくなったらリオネル・メイランのお店に直行ですね!

 

今回の旅の道連れ。横浜生まれのスイス人グランツマンは、ドイツ語・フランス語・英語・日本語・を瞬時に操るマルチリンガル! 彼との出会いは、鈴鹿8耐でBMWチーム監督の武藤さんと共にル・マン24H視察に同行したことが始まり。当時彼はBMW Motorrad Japanでインターンとして働いていた。

今回の旅の道連れ。横浜生まれのスイス人グランツマンは、ドイツ語・フランス語・英語・日本語・を瞬時に操るマルチリンガル! 彼との出会いは、鈴鹿8耐でBMWチーム監督の武藤さんと共にル・マン24H視察に同行したことが始まり。当時彼はBMW Motorrad Japanでインターンとして働いていた。

 

独立時計師フィリップ・デュフォーさんの工房には、時計を創りだすための機械や工具が数万点はあると思われる。

独立時計師フィリップ・デュフォーさんの工房には、時計を創りだすための機械や工具が数万点はあると思われる。

デュフォーさんの工房に到着した時は、霧と寒さで震えるほど。デュフォーさんの愛車はレクサスのハイブリッド車。

沢山見える引き出しの中は小さな工具が満載されている。デュフォーさんは、もちろんどこに何があるのかすべて把握している。後姿にもオーラーを感じる。

デュフォーさんと共に時計師として働くのは日本人の永澤琢夫さん。

気が付けば眩しい日差しが! 「この先のルート・デ・マルシェルを通ると良いよ」と丁寧に説明してくれるデュフォーさん。

ジャガールクルトの本社前。高級時計本社前でも堂々の風格を醸し出すK1600GTL。

今年のバーゼルウオッチフェアーに展示された時計の周りには、数々の著名人のサインがアートのように書かれている。

オテル・レ・オルロジェはレストランも併設されている。このレストランは、権威あるレストラン格付けの“ゴー・ミヨ”15点の評価を、2012年もすでに受けている。

これがその“Gault&Millau”(ゴー・ミヨ)15を証明するタテです。評価10以上から数字が表記され、最高は20。つまり数字が表記されるってことは「凄く美味しい店」の証。

不思議なんだけど、道路に落ち葉が落ちていない。K1600GTの方がGTLよりも少し瞬発力を感じるかな?

久しぶりにバイクに乗ったグランツマンでも、K1600は楽しく、安全に、ハイペースでライディングが出来る。

斜面はみな葡萄の木。この地域一体は世界遺産なのだ。

黄金色に輝く世界遺産の葡萄たちからは、感動を与えてもらえる。

昔から変わらない道幅。右手の花飾りの建物にフォンジャラさんのワイン工房があり、完成したワインは道路の下の配管を通し、左手のワイン瓶詰め機まで自動で衛生的に瓶詰めされる。それにしても狭い道路だ。

フォンジャラさんのショールム前に相棒を止めさせてもらう。「これは新しいモデルだね?僕の親友もつい最近買って僕のところに見せに来たばかりだ!このバイク高いよな?」とはホンジャラさんのコメント。

センス良く飾られた、フォンジャラさんのワイン工房ショールーム入り口。

右手に見えるタンクの中では、葡萄から絞ったジュースがワインに変わっている最中。このタンク、あの狭い道から人の手で搬入されたんですって!階段もめっちゃ狭いのに!

「一口だけでもオレのワインを飲んでいってくれよ!」byフォンジャラさん

アストラホテルの地下駐車場へはエレベーターで降りる。K1600のヘッドライトはBMWの4輪と同じ、俗称“イカリング”が。

メイランさんの奥さんが経営するレストランとホテル。暖かいハイシーズンに訪れて、オープンテラスで夕食を楽しみたい。とても素敵なレストランだ。

グランツマンの特技は、誰とでも仲良くなれること。オーナーのメイランさんが、ラヴォーのワインをご馳走してくれた。美味かったな~、白ワイン!

DAY 3

朝陽に輝く黄金色の大地!

翌朝、早めにスタートした私たちを収穫の終わった葡萄の木々たちが、温かく迎えてくれました。朝陽に煌めく湖面からの反射は、斜面の葡萄の木たちを黄金色に輝かせ、昨日とは違う美しさを感じとれます。

 

急斜面の細い道も、大きな図体の K1600GTL は思いのほか軽いフットワークで、私たちを至福の時間へと導いてくれました。世界遺産となったからには、いずれこの小道も一般車は通行禁止になるかもしれません。本当に貴重な時間でした。

 

ラヴォーからビューレまで高速道路を移動し、給油を済ませてハウプトパスを駆け抜けます。この道は幾つもの峠を越えるワインディングが続き、スイスでも人気のツーリングルートだそうです。

 

インターラーケンに移動した私達たちはユングフラウヨッホに向かうため、早めに『 メトロポールホテル・インターラーケン 』へチェックイン。まだ部屋は利用できませんが、こちらも地下駐車場にバイクを保管してくれるので安心です。荷物も預かってくれます。街の中心部にあって駅にも近く、高くそびえ立つ建物なのですぐにわかります。

 

2012年で100周年を迎えるユングフラウヨッホの情報は、スイス政府観光局のページで確認してください。スイス政府観光局 のウェブサイトは内容が充実していて、時間をかけて知りたい情報をゲットしてくださいネ!

 

朝陽に輝くラヴォーの葡萄畑のスケールのでかさに、意味不明なポーズをとっていた私!

朝陽に輝くラヴォーの葡萄畑のスケールのでかさに、意味不明なポーズをとっていた私!

「昨日はあの上の道路を通ったんだよね?」と私。「そうネ、綺麗ネ!」とグランツマン…。

高速を降りて初めての給油、GTの方が若干燃費が高かったです。

雲の切れ間から差し込む光。ヨーロッパの日差しは本当に眩しいのだが、その反面日陰に入ると急激に暗くなる。そんな時はシステム6のサンバイザーが本当に重宝する。遠くのアルプスには氷河も見える。

ラウターブルンネンからクライネ・シャイデックに向かうアプト式電車の車窓。登坂中に美しい景色を眺めることが出来る。

レールとレールの間のギアに電車の歯車がキチリと噛み合い、傾斜のきつい斜面でも安全に昇り下りする仕組み。

このときすでに標高2,000メートルを優に超えている。アイガーグレッチャー駅の先からはトンネルに入ってしまうので車窓は真っ暗に。

本物の氷河をくり抜いたトンネル。

その名の通り、ユングフラウはトップ・オブ・ヨーロッパ! お決まりの撮影ポイントでガイドのケラーさんに撮影してもらう。

アルプス最大のアレッチ氷河は芸術品のように輝いている。2012年にユングフラウ鉄道は100周年を迎える。

スフィンクス展望台からミュンヘン方面を望遠鏡で眺める。頭上に張り巡らされたワイヤーは、避雷針として重要な役割をしている。

DAY 4

ワインディングを走り歴史ある街を歩く

翌朝ブリエンツ湖北側の一般道へ。湖のほとりを走るルートは所どころ線路と並走し、優雅な時間を演出してくれます。青い空、白い雲、雪がのった山々、煌めく湖と黄金色の木々たちが、やさしく私たちを包んでくれます。途中のスーパーで飲料水を購入。ヨーロッパは空気が乾燥しているので、水分補給は欠かせません。

 

ブリエンツ湖東からルンゲラー湖までは、楽しいワインディングを駆け抜けます。その後、高速を北上してスイス最大の観光地、ルツェルンへ向かいます。

 

スイス観光地の代表でもあるルツェルンは、いつも沢山の観光客でにぎわっています。歴史や文化も、街を歩いているだけで感じられる不思議な町です。中央駅から少し離れた所にある『 ホテル・セーブルク』は、ピラトゥス山と湖を眺望できるレストランも併設しています。ホテルの各部屋は湖側に面し、天候によって様々に変化する、幻想的な景色が窓の外に広がる最高のロケーションです。バイクは秘密の倉庫で管理してくれます。

 

ルツェルンにも “ゴー・ミヨ” が評価しているレストランは沢山あります。散歩がてら探してみるのもいいでしょう。

 

ルツェルンは、スイスを代表する古い街並みと新しい文化が混存する素敵な観光地だ。

ルツェルンは、スイスを代表する古い街並みと新しい文化が混存する素敵な観光地だ。

湖の先に見えるホテルは、歴史あるホテルだそうだ。

ルツェルンが生まれたころのスケッチを片手に、この街の文化や歴史、さらにはこの先のことまで、詳しく教えてくれたガイドのロマーノ・ミラーさん。元教師なので、まるで授業を受けている感じでした。

カペル橋中央部の水の塔は、見張り台のほか、地下に収容所があったそうだ。

カペル橋は1993年の火事で焼失してしまうも翌年復刻される。ルツェルン中央駅も工事中に火事で焼失してしまい、新しい駅に変わったそうだ。

ルツェルンの街を歩く。本当に美しい街並みだ。

ホテルの壁には中世の絵が描かれていた。

この先を行くと、カーニバルが催される広場が現れる。

ルツェルン交通博物館に行ってみる。ここには船舶から飛行機まで、ありとあらゆる交通に関する物が展示されているそうだが、残念ながら閉館時間となってしまった。

夜のカペル橋もまた雰囲気があっていい。なかには焼失を逃れた絵も何枚か現存している。

ホテルの下に2011年ゴー・ミヨ14のプレートを発見! 「新田さん!今日の夕食はこのレストランに決まりだネ!」とグランツマン。

DAY 5

最後はパノラマツアー

ヨーロッパのライダー達がこぞって押しかけるツーリングロケーション、生物圏保存地域 (バイオスフィアリザーブ)の中を走る “パノラマツアー” へ出発です。

 

生物圏保存地域だけあって詳しい情報はどこにもありませんので、画像のルートマップで確認ください。

 

さあ、プリントアウトした地図とナビを見ながら、いざパノラマルートヘ向かいます。何度か道を間違えつつ、Uターンも楽々の K1600GTL と私は絶好調。本当にこの道かと思わせるほど小さな入口を見つけて山を登ります。天気は悪いものの、すぐ雲海の上に出ました。

 

パノラマルートは小さな村から村を結んでいて、こういった小さな村々では、営業しているレストランを見つけるのが困難このうえありません! 「あと数日で閉鎖される道路だから仕方がないか…」 と諦めていたころで1軒のレストランを発見。美味しい人参スープとチキンソテーでお腹を満たし、コーヒーを飲み干して出発しました。さすがにこんな田舎では、日本人がバイクに乗って現れただけで、レストランのお客さんたちの視線が一斉に集中します。

 

アルプスの少女ハイジが現実の風景として現れてくる…こんなロケーションをツーリングできるなんて、まるで夢を見ているようでした。

 

山を降りると、運よくピラトゥス鉄道駅に着く、世界一と言われる最大斜度48%の斜面を登る鉄道の最終便を見ることができました。高速に乗り、チューリヒでバイクを返却。こうして夢のようなスイスツアーは無事に終了したのでした。

 

ルツェルン観光局から送られてきたパノラマツアールート。ホテルのフロントで印刷してもらい、急遽、幻のような旅へ出ることに…。

この幻想的な景色には感動! この先さらに凄いことに!

F650がB&Bの広告塔に? スイスの治安の善さがお分かりいただけるだろう。

幻想的な景色に変わった。この先も続く壮大な景観の道路は、ヨーロッパで密かな人気のツーリングルートだとか。

グランツマンの本籍地と思われるフリューリ。スイス人は生まれた時、先祖が縁のあった地を日本で言うところの本籍地と名づけるそうです。この地はグランツマンにもし身寄りが無くなり、自身の力で生き抜くことができなくなった時、最低限の生活保障をしてくれるそうです。そのようにグランツマンはお父さんに教わったと。

この牛達のミルクから美味しいチーズフォンデュが出来るのかな?(実は私、スイスでチーズフォンデュ食べたことありません!次回こそ…!)。

グラウベンベルグこの小さな道が、私が目指すルートだということを教えてくれる道路標識。

眼下に見える小さな町を最後に、この先からは村や町も無くなり、アルプスの大自然に1人包まれることになる。

この先の小さな家には、アルプスノ少女ハイジが住んでいるはずだ、と勝手に思わせられる。

K1600GTLは、このような狭い道でも軽快に動き回る。高速より楽しい峠道、って感じです。シーズンオフの平日は独占状態。少しばかりの不安と共に。

「ここに座って景色を見なさい!」といわんばかりにたたずむベンチにて、しばらく何も考えず感動に慕っていた。気が付けば寒さが身にしみてきた。そして何も聞こえない、誰も居ない。寂しさと不安がよぎり思わずK1600GTLのラジオをつけた。

まもなく陽が暮れそうな時刻に1人のライダーとすれ違った。彼はこの後どこまで行くのだろうか?

牧草を一所懸命食べる牛達。緑の牧草はもうすぐ雪の下に隠れてしまうだろう。

運良くピラトゥス鉄道の最終便に出くわすことが出来た。あわててシャッターを押したわけです。

ピラトゥスへは、世界最大斜度と言われる48%の傾斜を昇る鉄道と、ルツェルンからのロープウエイの選択肢がある。次は挑戦してみたいと思う。

グランツマンが乗っていたGTと合流。疲れたグランツマンはセンタースタンドも掛けられなくなっていたようで、ハンドルを左に切った状態でハンドルロックしてありました。そりゃセンタースタンドを掛けるのは無理だ。「ハンドルロック掛けられたからO.K.ネ!」どこまでもポジティブなスイス人です。

パワートレインにK1200LTを使用しているノリモノだ(名前忘れた)! 安定した速度域に達すると補助輪が自動的に格納されるらしいが、なんとなく不安な感じがしたな~。

DAY 6

チューリヒ国際空港にて

午前9時半、早めに チューリヒ空港 に到着。チューリヒ空港はショッピングセンターも充実していて、チェックイン後の免税店巡りにもお勧めですよ。

 

【チューリヒ ⇒ 成田】 LX160便

・ウインタータイム  チューリヒ発 13:00 ⇒ 成田着 08:50(翌日朝)

 

そうそう、チューリヒ空港はカジノ、ホテル、事務所などが入る建物に変革するための工事が行われていますが、そこには日本人デザイナー山本理顕氏のプロジェクトが選ばれたそうですよ。

 

成田空港に降り立つ

約12時間のフライト後、日本時間の午前8時50分、成田国際空港に到着です。都内の会社にお勤めの方なら、午後出勤も可能な時間ですね?

 

※注意事項

・スイスではスイスフランが通常通貨なので、基本的にユーロは外貨扱いとなります。
・クレジットカ―ドがあればほとんどの支払いは問題無く行えます。
・JCBは使えないところがあるのでVISAのほうが良いかも。
・高速道路は有料ステッカーが必要です(スイスで借りるバイクは問題なし)。
・調子に乗ってスピードを出し過ぎないこと!(捕まります)

 

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