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GSが切り拓いてきたビッグオフロードマシンというカテゴリは、荷物満載で長い距離を移動し、長時間走り続けるツーリストたちが多い欧米のマーケットにおいて当たり前のように受け入れられてきた。1994年に登場したR1100GSは、まさにそのど真ん中に位置するモデルで、他メーカーの追随を許さず(競合モデルがほとんど無かったというのもあるが)、常に好調なセールスを記録。そのカテゴリはBMWのほぼ独壇場と言っていいほどだった。
それから10年後、2004年に登場した新設計のボクサーツインエンジンを搭載したR1200GSは、ある意味BMW自身への挑戦でもあった。なぜなら、1993年のR1100RSから始まるR259系ボクサーの軌跡は、11年もの長い年月を経て常に新しい技術を投入し、1100ccから1150ccへと排気量をアップさせながら、じつにバラエティ豊かなモデル群をラインナップさせてきた。良く言えばひとつのエンジンで熟成に熟成を重ねてきたもので(悪く言えば引っぱり過ぎなのだが)、次に打ち出すものは、それを超えることを宿命付けられていたからだ。そして結果として大きな成功を収めることとなったのが、1200ボクサーツインというわけだ。これはBMW史上、紛れもなく新時代への幕開けを表す革新的な出来事だった。
デザインを見ても、これまでのGSとは大きく印象が異なる。エンジン設計からフレーム構成、電子制御システムにいたるまで、すべてにおいて進化を遂げており、現行モデルに搭載されるボクサーエンジンが、このR1200GSの登場から始まったことを考えると、R259ボクサーの時代に別れを告げ、BMWの新時代を築くべくトップバッターとして、非常に重要なモデルだったことは言うまでもない。 ニューGSはすべてが新設計
このエンジンには各シリンダーに独立したセンサーを配置した燃料供給システム、シーケンシャル制御BMS-Kを採用している。いつでもどこでも適切な燃料供給を可能とし、結果、燃焼効率アップ、燃費の向上、さらに低オクタン燃料でも走行に支障がなく、モーターサイクルでは初のノックコントロールも導入した。これによって土地を選ばない、安定した巡航性能が引き上げられ、旅の道具として正常進化を遂げている。ライダーと環境に優しいシステムだ。
ニューボクサー搭載のR1200GSは、先代GSのコンセプトはそのままキャリーオーバーし、エンジン、車体、足回り、それにともなうデザインまで、あらゆる面で歴代GSを凌駕した、オールラウンダーとなっている。 グレードアップされたR1200GS
跨ってみれば、地面へ降ろす足が素直に接地する方向へと動く。快適性を損なわず、股下のアーチに合わせたシート形状はその後のモデルにも採用されている。手動で5段階に調整可能なウィンドシールドだけでなく、前方で左右に張り出したデザインの燃料タンクと併せると防風性能は極めて優れている。小型化された燃料タンク容量は20L(リザーブ4L含む)だが、よりニーグリップし易く、燃費の向上はデザイン面でもメリットとなった。ブレーキシステムのさらなる洗練により、後に電子サーボ(パワーアシスト)機能が取り除かれるようになったのもR1200GSから。
意外にも、新生GSの登場によって1100GS、あるいは1150GSを購入した、というライダーの声を聞くようになった。ニューモデルは確かに新規ユーザーを獲得し、既存ユーザーの乗り換えを促したことに間違いはないが、性格が異なる新GSの登場によって、これまでのGSのキャラクターが差別化され、あえて新製品ではなく、旧型の選択という愉しみも加えられる結果となった。これはR1200GSが従来の脈流を正統に継承し、結果としてファンの期待を裏切らない製品づくりと言えるだろう。
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![]() BMW BIKES この記事はネコ・ブロスモーターサイクル刊「BMW BIKES」編集部の協力のもと、本誌の記事を再構成したものです。 |