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すでにBMWのラインナップのなかでも、圧倒的な存在感で「アドベンチャー」という名が定着しているが、意外にも、この名を冠するモデルは2002年、R259系ボクサーのR1150GSから派生したアドベンチャーと、2006年のR1200GSアドベンチャーの2モデルを数えるのみだ。それでも2004年にR1200GSが登場した直後から、BMWファンのあいだでは早くもアドベンチャーの登場を期待する声が多く聞かれた。GSよりも大きく、広大な台地を走破するための本格的な装備をまとったアドベンチャーは、たとえ自身がその地へ身を投じる可能性は低くとも、そこへ行ってみたいと思わせてくれる夢のマシンにほかならないからだ。そんな期待をBMWが気付かないわけもなく、新型アドベンチャーがラインナップすることはごく自然の流れであり、2006年の登場はむしろ遅いくらいであった。
R1200GSはR1150GSから30kgも軽量化されているが、それをベースとした新型アドベンチャーはそこからさらにボリュームアップし、装備重量は256kgにもなる。それによってR1200GSほどの軽快さは薄くなったものの、100ps/7000rpmの新世代ボクサーを搭載した車体は、先代アドベンチャーよりも軽快かつパワフルで、正常な進化を遂げていると言える。装備においても、オフロード特性を向上させたロングストローク・サスペンション、大容量オルタネ−ター、33Lのガソリンを飲み込む巨大な燃料タンク、タンクとエンジンを保護する強靭なプロテクション・パイプ、専用アルミケースとステンレス製ラゲッジラックなど、実用的なトリムで身を固めている。
自ら確立したビッグオフロードマシンというカテゴリの粋をさらに超越し、アドベンチャーという巨大なエンデューロマシンをラインナップするBMW。このモデルによって、さらに他メーカーの追随を許さないカテゴリを切り拓いてしまった、と言っても過言ではないだろう。 ストック状態で旅立てる
このように、先代アドベンチャーに比べてはるかに充実した、いかなる環境でも長距離・長時間走り続けることを追求した装備は、工場出荷時からそのまま大陸横断へと旅立てる仕様となっている。まさに「冒険」のためのマシンなのだ。 見た目を上回るたくましさ
ダート走行においてはサスペンションの優秀さがさらに際立ち、その身軽さは先代アドベンチャーから見事に進化を遂げている。大きなギャップでも簡単にフルボトムすることはなく、また小さなギャップをしなやかに吸収し、スタンダード状態のチューニングで旋回時における接地感の不安を大幅に解消しているのだ。
アドベンチャーとしてはまだ2世代目にもかかわらず、これほど完成度を高めることができたのは、ベースとなっているR1200GSがあたかもアドベンチャーのために開発されたのではないか、と思わせるほど絶妙なバランスを実現している。単なる外装や装備の変更に留まらない、BMWの造り込みはさすがと言ったところだろう。舗装路からダートまで、広大な土地を長期にわたって旅をするなら、これほどたくましいパートナーはいないのではないだろうか。
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![]() BMW BIKES この記事はネコ・ブロスモーターサイクル刊「BMW BIKES」編集部の協力のもと、本誌の記事を再構成したものです。 |