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キャラクター・歴史

ミドルレンジF800シリーズ
これから続々ニューモデルも登場

最近、BMWはとても元気がいい。先日もイタリアのミラノショーでF800GSやF650GSなど5モデルを発表。従来の「K」、「R」シリーズに加え、「F」や「G」など新たなモデルレンジを続々と拡大している。今回紹介する「F800ST」は並列2気筒800ccエンジンを搭載するスポーツツーリングモデル。2006年秋に兄弟モデルである「F800S」と同時にデリバリーが開始された、BMWの中ではミドルレンジに位置するシリーズだ。「F」シリーズは従来から「F650」といった単気筒650ccエンジンを積むオフロードモデルのみを展開してきた。しかし、今回のミラノショーで発表された「F800GS」、「F650GS」は、いずれも「F800S/ST」と同じ並列2気筒であり、単気筒は「G」シリーズに譲り、「F」シリーズは並列2気筒エンジンのシリーズとなるようだ。排気量は「K」や「R」の1200ccに対して800ccと小さく、価格も「F800ST」のベーシックな仕様で1,224,500円と、上位シリーズに比べて6割程度に抑えられている。それもあってかF800S/STが発売された頃のディーラーには、興味を持った国産バイクユーザーが多数訪れていたようだ。また排気量なりにボディサイズも小さく、扱いも軽いためか、「K」、「R」シリーズはちょっと大きいと敬遠していた小柄なライダーや女性にも人気が高い。僕自身もF800シリーズには関心が高かったため、今回の試乗はとても楽しみにしていた。

特徴

「F800」シリーズを印象付
ベルトドライブ駆動リヤホイール

車両写真今回試乗したのは、スポーツツーリング仕様の「F800ST」。あえて“仕様”と表現したのは、F800Sとシャシーや外装、エンジンはほぼ共通となっているから。各部のパーツの違いでよりスポーツライディングを意識した「S」と、ツーリングの使い勝手に配慮した「ST」というキャラクターという構成だ。特に大きな違いは「S」がトップブリッジに直接ハンドルバーが付くセパレートタイプなのに対して、「ST」はバーハンドルとなっている点。「ST」の方が「S」に比べてハンドルが高くややライダー側にあるため、ライダーはやや体が起きたポジションを取ることができる。それ以外は、サイドパネルやスクリーンの形状が「ST」の方が大きく、リヤキャリア、パニアケースステー、センタースタンドなどが付いているといった点が「S」との違いだ。

 

F800シリーズの外観上の特徴は、リヤビューを印象付ける片持ち式スイングアームとベルトドライブ。日常メンテナンスの手間を省きつつ、軽い足回りを実現するチェーン駆動とシャフトドライブのいいとこどりのようなこのベルトドライブは「K」、「R」シリーズでシャフトドライブを採用しているBMWならではのチョイスだといえる。

 

また、この「F800」のために新たに開発された並列2気筒800ccエンジンは、2つのピストンとコンロッドがバランスするように、もうひとつのコンロッドとバランスアームを持ち、2気筒特有の振動を打ち消す構造になっている。そのため、スムーズに高回転まで吹け上がり、800ccながら85ps、86Nmというパワフルさを持ち合わせている。

BMW・ディテイル

ベルトドライブと片持ち式スイングアーム

メインテナンス性が高く個性的なデザインとなる片持ち式のスイングアームはBMWの定石だが、F800シリーズはここにシャフトではなくベルトドライブを組み合わせる。大きなベルトプーリーがサイドビューをグッと引き締めている。

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BMW・ディテイル

燃料タンクはシートの下

単気筒650cc時代から「F」シリーズの燃料タンクはシートの下全面に配置する独特のレイアウトで、F800もこれを踏襲。給油口はシートカウルの右側面にエアプレーンタイプのものを装備し、「F」シリーズのキーアイコンのひとつとなっている。

BMW・ディテイル

楕円複眼デザインのメーターユニット

BMWではR1200シリーズが登場した頃から、フル電子制御のコンパクトなメーターユニットを採用している。メーターの透過照明は、昔“最も視認性が高い”とクルマに採用していたオレンジ色。メインキーをオンにするとメーターがフルスケールを往復する。

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BMW・ディテイル

オプションのケース類も充実

「F800ST」はテールキャリアがトップケースステーを兼ねており、そのまま純正オプションのトップケースを装着可能。コンパクトながらフルフェイスヘルメット1個を収容できる。またパニアケースステーも標準装備のため、ロングツーリングには最適だ。

試乗インプレッション

乗せられて安心なR,Kに対して
F800はバイクが手の内にある

車両写真今回の試乗車はヤナセモトラッドのローダウン仕様。フロントの突き出しとリヤサスの長さを調整することで、シート高で約2cmのローダウンを実現している。もともと、BMWの中では比較的コンパクトなF800STではあるが、ノーマル状態では若干高い印象があった。しかしこのローダウンのおかげで、小柄なライダーでも安心して乗ることができる。また、跨ってハンドルバーに手を伸ばすと、これが自然な位置にハンドルが位置しているのが嬉しい。最近のBMWのハンドルはその位置関係がやや広く、広がっている傾向が多かった。特にバーハンドルのモデルはそのキャラクターからか、ほとんど一文字のハンドルバーで、小柄なライダーにはかなりつらいポジションだった。しかしF800STはバーハンドルでありながら、ムリに腕を広げることなくポジションすることができる。

 

車両写真エンジンをかけて走り出した最初の印象は、これまでのBMWに比べて排気音がとても“快活”だと感じたこと。太くて長いサイレンサーから発する「バルバルバルバル」という音が、ライダーをソノ気にさせてくれる。それでいて80km/h辺りを過ぎる高速域に入るとこうした猛々しい感じはなりを潜め、足元でジェントルに「ブーン」と存在感を示す感じは、他のボクサーツインなどと同じような印象だ。走り始めたF800STの動きは軽快そのもの。ワインディングの高い速度域でも、僅かにオシリにきっかけを与えるだけでクイッとバイクが反応して曲がっていってくれる。最近のBMWといえば、テレレバーの「R」シリーズ、デュオレバーの「K」シリーズなど、フロントサスペンションに独自の機構を採用し、“しっかり支えているから安心して乗りなさい”と、バイクに乗せられている感じがあった。一方F800は一般的なテレスコピックで、それもよく動くフロントフォークによって、バイクがライダーの手の内にある感じがある。それがワインディングロードでの楽しさをさらに倍増しているように強く感じたのである。

こんな方にオススメ

軽量で出力も必要充分
価格がこなれているのも嬉しい

車輌価格がベーシックな仕様で110万円弱と、最近の国産ビッグバイクとそれほど変わらない価格。これは国産バイクからBMWに乗り換えてみようかというライダーにとっても嬉しいところだ。それでいて、BMWのフィロソフィーを車輌の各部に見ることができる。さらにパニアケースやトップケース、グリップヒーナーなど、ツーリングのための各種純正アイテムを選ぶことで、BMW Motorradが昔から基本としてきたツーリングワールドを堪能することができる。また、ドイツ生まれということでどうしても大柄なライダーに向けて作られているため、今までのBMWには“大きい”“重い”というイメージを持ちがち。しかし「F800」はそういったイメージを覆すコンパクトさと軽快さを持っている。だからこそ、僕の行きつけのディーラーでも「F800」を選ぶ女性ライダーが多いのかもしれない。

プロフェッショナル・コメント

他メーカーからの乗り換えが多い
SよりSTの方が人気です

解説ディーラー モトラッド神戸BMWが従来のBMWに興味を持たなかったユーザーを念頭に開発した代表モデル、それがF800ST、F800Sですね。その意図通り、他メーカーのモデルからの乗り換えで来店されるお客さんはたくさんいらっしゃいます。意外なのはハーレーからF800系に乗り換える人が案外多いこと。スポーツライディングが好きな方から評価が高いのですが、それ以外の嗜好性の方からもバランスよく支持を得ているみたいです。BMWの他シリーズからの乗り換えの方もいらっしゃいます。F800は軽量ですし、足つきもいいので気軽に乗れるのでしょうね。

 

STとSだと人気なのはSTです。最初はSのスタイルの良さに惹かれて来店される人が多いのですが、ツーリングに行くことを考えると、ハンドルポジションが楽なSTの方が乗りやすいんですよ。これまではミドルクラスのBMWはF650シリーズしかなく「650ccではちょっと物足りない…」と考えていた人も、F800系のパワーには満足いただけています。「現行のBMWラインナップの中ではもっともバランスがいい」そう言われる方もいらっしゃいますから、機会があればぜひ一度試乗してみてはいかがでしょうか。魅力的なモデルですよ。

ユーザーのカスタムBMW01

ユーザーズ BMW

800ccにしては速すぎる(笑)
扱いやすく、いいバイクです

神奈川県/亀井さん

コレともう1台R80RTに乗っています。R80RTに加えF800STを増車したきっかけはサーキットを走りたいな、と思ったことでした。私は体が小さいので足つきがいいモデルがいいな、そう思っていたときにF800STが発表されたんです。購入前に試乗もさせてもらいましたが、F800のエンジンは思った以上に走ってくれました800ccにしては速すぎるくらいです(笑)。足つきも車重もバランスがよかったので購入を決めました。「サーキットを走りたいのになぜST?」と思うかもしれませんが、ツーリングにも使うのでパニアとトップケースがつけられるSTの方が私には合っているんです。

 

BMW・ディテイル[1]F800STはパニアケースホルダーを追加する必要がなく、ツーリングの機会が多いライダーには有難い。Sの場合は別途ホルダーが必要。[2]標準装備のHIDヘッドライトは非常に明るい。夜間に進行方向をしっかりと照らしてくれる安心感は大きい。

ユーザーのカスタムBMW02

ユーザーズ BMW

YAMAHA「TDM900」と悩みましたが
こっちを選んで正解でした

兵庫県/椙山さん

F800STの前はR1150RTに乗っていました。妻とタンデムするためにRTを購入したんですけれど、少し重すぎでしたね。昔はレプリカに乗っていたのもあってワインディングに物足りなさを感じていました。もう少しスポーツ走行が楽しめるモデルはないか、と思っていたときにF800シリーズが発表されたんです。最初、F800Sに跨ってみましたが少し前傾がきつく、STの方がポジションはしっくりきましたね。ワインディングもツーリングもバランスよく楽しめますし、パワーも手に余るほどではない。ツインエンジンなのですが滑らかに回るので4発に近いモノも感じます。私好みの長く付き合えそうなバイクですね。

 

BMW・ディテイル[1]ツーリング時の快適性を求めて、スクリーンはイタリアのISOTTA製のモノに交換。ノーマルより立ったスモークスクリーンのおかげで長距離時の疲れが激減。[2]F800シリーズはベルトドライブを採用。シャフトと同様に維持費や整備に手間がかからない。

モデル詳細

f800stBMW Motorrad
F800ST

■サイズ=全長2200mm×全幅860mm×全高1230mm

■最低地上高=790mm(ハイシート時820mm)

■タンク容量=16.0L

■水冷4ストローク並列2気筒 798cc

■価格=122万4500円(Active Line)

     140万3000円(Hi Line)

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スペックを閲覧する方はこちら

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