VIRGIN BMW | 島田 耕治(R1100RS) インタビュー

島田 耕治(R1100RS)

  • 掲載日/2007年03月15日【インタビュー】
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突出した個性はないけれど
プロですら夢中になるのがBMW

今回ご紹介するのは大阪府にお住まいの島田さん。1998年に愛車「R1100RS」を手に入れて、9年になるベテランBMW乗りだ。BMWに乗るまでの島田さんは、若い頃は峠を攻め、その後もサーキットに通いつめるなど「スポーツ寄り」のバイクライフを送っていた。BMWに乗る前は2台続けてDUCATIに乗っていたというから、スポーツライディングへの気の入れ込みようがわかるというもの。一見するとBMWとは対極にあるバイクライフから島田さんはいかにして、BMWへ辿り着いたのか。島田さんを魅了したBMWの魅力とは。じっくりとお聞きしてきた。

BMWなんて興味ナシ
以前はそう思っていました

ー島田さんは10代からずっとバイクに乗り続けているそうですね。

島田●若い頃に免許を取り上げられた時期が1年ありましたけど(笑)、それ以外、バイクはずっと手元にありましたね。仕事が忙しくてあまりバイクに乗れない時期もありましたけれど。

ーどこかで「もうバイクはいいかな?」と思うようなことはなかったのでしょうか?

島田●人に愛車を譲ったことは何度かありましたが、手元にバイクがなくなると寂しくなるんですよね。すぐに、またバイクに乗りたくなる。父親が昔メグロという旧いバイクに乗っていたので、小さい頃からバイクの後ろに乗せられてあちこちを走り回っていました。バイクが身近な存在で育ったので、バイクに乗ることが自然なことになっているのかもしれません。あと、今住んでいるところは山の麓なので、坂道が多く道が細いんです。だから車よりバイクの方が便利で、ウチの妻も今74歳になる父もバイクに乗っています。

ーバイクのメンテは自分でやられているとお聞きしましたが。

島田●仲間にHONDAのサービスファクトリーに勤めていた仲間がいて、彼の影響で自分で触るようになりました。「自分でバイクのメンテをするんだったら」とバイクを譲ってもらったり、メンテの指南を受けたりするうち、簡単な整備なら自分でできるようになったんです。さすがにエンジンを開けるほどの重整備は自分ではやりませんけれど。

ープロのメカニックが周りにいると心強いですね。

島田●彼が勤めていたサービスファクトリーは、白バイのメンテナンスもやっていたんです。白バイは規定の距離を走ると、どれだけ状態がよくても交換しなければいけないパーツがたくさんあって。彼から取り外されたパーツを譲ってもらい自分のバイクに取り付けて。若い頃はお得なバイクライフを送っていましたね。

ー輸入車に興味を持ったのはいつ頃の話でしょうか。

島田●30代に入ってからです。独立して会社を起こし、しばらくはバイクに乗る余裕がありませんでした。でも、仕事が落ち着いてくるとバイク熱がムズムズと湧いてきまして。雑誌をで見たDUCATIのインプレッション記事が気になり、DUCATIを手に入れました。

ーDUCATIのどんなところが気になったのでしょう。

島田●国産車に乗っていた頃からサーキットの走行会によく出かけていたのですが、フレームが硬いバイクばかりに乗っていました。そんなときに雑誌のインプレッション記事で「しなやかなフレームで独特の乗り心地が楽しめる」とDUCATIが紹介されていたんです。自分のイメージ通りのバイクなんじゃないか、と思ったのを機に手に入れました。

ー実際に乗ってみてかがでしたか?

島田●初めて乗った「900SS」は理想通りでした。走るのが楽しくて楽しくて。本当にいいバイクでしたね。ただ、自宅前で洗車をしていたときに不注意で大きな側溝に900SSを倒してしまったんです(笑)。フレームが歪んでしまったので、しぶしぶ「916」というDUCATIに乗り換えることになったんですが、916は私にはちょっと合わないバイクでしたね。一日乗っていると疲れがどっとでるバイクでした。

ー同じDUCATIでそんなに違うモノなのですか。

島田●916はDUCATIの中でもかなりスポーツ寄りのバイクでした。姿勢はかなり前傾で、サーキット走行会では体験したことがないスピードを出すことができる面白いバイクでした。でも、ツーリングをするのには辛かったですね。916でサーキットの直線を200km以上で駆け抜けるのは、今思い出しても刺激的な経験でした。200Km 以上で走っているとカウルから体を出すだけでエアブレーキがかかるんですよ。自分の体を空気抵抗にしてバイクを減速させる、公道を走っているだけならそんなことは経験できないので面白かったですね。でも、タイムを縮めることって、最終的には「アクセルをどれだけ開けていられるか」になってくるんです。走行中は常に集中力が求められますし「もう少し楽に乗ることができるバイクがいいなぁ」と思い始めていました。

ーそれでBMWに目が行き始めたと。

島田●「BMWは楽」というイメージはありましたが、当時はまだ新車で販売されていたOHVモデルの癖が好みじゃなくて、最初はBMWにはまったく興味はありませんでした。

ーOHVモデルの癖とは例えばどんなところでしょうか。

島田●たとえば…当時のシャフトドライブ特有の、スロットルを捻ったときにお尻が上がるテールリフト。私は身長が高い方じゃないので、テールリフトで足つきが悪くなるのが嫌だったんです。停車時にスロットルを捻ると車体が右に振られるのも、私には魅力に感じられませんでした。そこに魅力を感じる人もいるんでしょうけれど、私にはちょっと…。

ー916からBMWに乗り換えたきっかけとは?

島田●お世話になっているツーリングクラブで、大阪から山口まで僕が幹事を務めてツーリングをしたことがありました。メーカーも排気量もバラバラな仲間を先導し、山口まで走ったのはいいのですが、長距離を走ってドッと疲れてしまいまして。他の仲間は一気に山口まで走っても元気なのですが、幹事の私だけがヘトヘト。周りの仲間に「幹事がそんな疲れていたらアカンで」と突っ込まれまして(笑)。そのツーリングの帰路にたまたまBMWでツーリングに参加していた仲間とバイクを交換したら「これは快適だわ!」と羨ましくなったんですね。それまでの「速く走る」バイクの楽しみ方から「まったりとツーリングする」方に興味が移ってきていた頃でしたから「今度BMWを試乗に行ってみようかな」と思い始めました。

ーDUCATI乗りのBMW試乗。どんなことを感じましたか?

島田●試乗でディーラーを訪れたら、たまたま来ていたお客さんが「コレ乗ってもエエよ」と「R100RS」をポンと貸してくれ、最初はOHVモデルを試乗してみました。でもOHVモデルの癖はやっぱり気になるんですね。その後にテレレバーやパラレバーが採用された「R1100RS」を試乗してみたら、僕が気になっていたトコロが改善されていて気持ちが一気にBMWへと傾きましたね。それまで乗っていたDUCATIほどはヒラヒラ走ることはできませんが、低速でも高速でもそこそこ走れて乗り手に疲れを感じさせない。「これから乗るバイクはこれだな」と思いましたね。

とことんスポーツを体験したから
BMWの魅力がわかった気がします

ー916からR1100RS。キャラクターがまったく違うバイクへ乗り換えましたね。DUCATIが懐かしくなりませんか?

島田●スポーツに振られたDUCATIで公道もサーキット走行会も充分に走りました。その前のバイクも含めるとスポーツ走行は楽しみ尽くした感がありましたね。だからBMWの良さがわかったんじゃないでしょうか。乗りやすい、中途半端なスポーツバイクに乗っていたら、そのまま乗っていたかもしれませんよ。あと、DUCATIに乗っていた頃は仕事でたまったストレスを吐き出すために、スピードを追い求めていた気がします。ただ、年齢を重ねたせいか落ち着いてバイクを楽しみたくなってきていたんでしょうね。そんな僕の気持ちに一番ピッタリフィットしたのがBMWでした。

ー若い頃とはバイクの好みが変わってきたんだ、と。

島田●スポーツライディングが好きな人には、DUCATIは非常に面白いバイクでしょう。ただライディングに神経が集中してしまうと言うか、視界が狭くなり周りの景色をあまり楽しめなかった気がします。「のんびりと、この先何年も乗ることができるバイクを」というバイクを求めていたら縁があったのでしょうね。BMWに出会いました。

ーBMWの良さを理解するのには、それなりにバイク経験がいるでしょうか。

島田●最近のBMWはラインナップも増え、楽しみ方も豊富だと思いますよ。でも、僕がBMWに興味を持ったころは玄人好みのバイクだったかもしれません。ウチは息子もバイク乗りなんですけれど、息子には「お前にはBMWはまだ早い」と言っています。若い頃はいろいろなバイクに乗ってみたいでしょうし、実際に乗ってみた方がいろいろなバイクの魅力がわかるのでそうすべきでしょう。そうやって、いろんなモノに気移りしてしまうウチはBMWの魅力はわかりにくいんじゃないか、と思うんです。DUCATIほどスポーティなイメージはありませんし、ハーレーほどエンジンの主張もありません。乗れば乗るほど車両のバランスの良さや深い味わいが感じられるバイクですけれど、いろんなバイクを経験してきて初めて、BMWの完成度の高さが理解できる。そんなトコロがあるバイクだと思いませんか?

ー確かに…突出したキャラクターはあまりないかもしれませんね。

島田●でも、元レーサーの方や雑誌の編集部の人にBMW乗りって意外に多いですよね。あらゆるメーカーのバイクに乗る機会があり、それぞれのバイクの魅力を知る人たちがなぜプライベートではBMWに乗っているのか。DUCATIに乗っているとき「私がDUCATIに乗るきっかけになったインプレを書いた人が、実はBMW乗りだった」のを知ったときは、ちょっと腹が立ちましたよ(笑)。でも、プロフェッショナルな人たちを満足させる何かを持っているんでしょうね、BMWというバイクは。今は何となくそれがわかる気がします。

ーそういえば、名だたる編集者の人にもBMW乗りは多いですね。

島田●それだけプロからの評価が高いバイクなのに、熱狂的なマニアは少ないのが不思議です(笑)。DUCATIやハーレーだと、若い子が「無理をして。タバコもお酒もやめてこのバイクを買いました」という人はいますけれど、BMWではそんな子に出会うことがあまりない。余裕を持った大人のためのバイクと見られているのでしょうか。必要以上に目立つバイクでもありませんからね(笑)。でも、もし敷居が高いと感じている人がいるなら…そんなことはないですから一緒に楽しみましょう。

ーBMWの世界はオーナー同士の独特の横のつながりがあるのも面白いですね。

島田●僕にBMWの魅力を教えてくれた方がBMOJ(BMWのオーナーズクラブ)のお手伝いをしている人だった縁で、僕もBMOJの会員になっています。ここから広がった輪もBMWの魅力の1つです。RシリーズやKシリーズなど、モデルの違いなど気にしない幅広い繋がりを作ることができました。永く付き合っていける人間関係が築けたこと。僕にとってはこれもBMWの魅力の1つです。バイクの魅力とそれに乗るオーナーの魅力。今の自分にとても心地いい場を提供してくれています。この先もまだ何十年もBMWと付き合っていける気がしますね。

プロフィール
島田 耕治
51歳、大阪府大東市在住。10代から途切れることなくバイクライフを楽しむベテランライダー。ドカティに夢中になっていた時期もあったが、BMWのツーリング性の高さに惚れこみ、98年にR1100RSを購入。時間があれば全国各地を走り回っている。

Interviewer Column

島田さんにお話をお伺いしたきっかけは、BMWに乗り換えるまではDUCATIに乗っていたということ。「スポーツに振られた個性的なバイクから、なぜBMWに?」と素朴な疑問を持ったからだ。これまでのバイク遍歴の話を聞いていて「なるほど!」と思えたのは「DUCATIは神経をライディングに集中させるバイク、BMWは気持ちに余裕を持って走ることができるバイク」という話だった。それぞれのキャラクターをうまく表現する言葉で、BMWの魅力がよく伝わる例えだ。精神を集中させて操作しなければいけないスポーツ走行は年齢とともに限界があるだろう、しかし余裕を持って走ることができるバイクだといくつになってもバイクを楽しむことができる。肉体的だけではなく、精神的にも余裕を持たせてくれる。それもBMWの魅力の1つなんだろうな(ターミー)。

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