VIRGIN BMW | 中山 直樹(R1150RT) インタビュー

中山 直樹(R1150RT)

  • 掲載日/2007年04月05日【インタビュー】
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いつもタンデムで乗るR1150RTは
夫婦の絆を確かめられる乗り物

新車のように、よく手入れの行き届いたシルバーメタリックの「R1150RT」。そんなBMWのオーナーが、今回紹介する東京都にお住まいの中山さん。愛車である2003年モデルのR1150RTは満4年でオドメーターは4万4000kmを示しているから、週末だけの趣味の道具としてはよく乗られたバイクだ。さらに中山さんは、その距離のほとんどを奥様である牧子さんとのタンデムで走っているというツワモノなのである。いくらBMWだからとはいえ、他の乗り物に比べると決して快適とはいえないタンデムライディングを、夫婦でそこまで楽しめるBMWの魅力とは。そのあたりを語っていただいた。

結婚後すぐに楽しみたいからこそ
結婚式の1週間前にバイクを購入

ーまず、中山さんとBMWの出会いを教えていただけますか。

中山●会社の先輩がBMWに乗っていて、「二人乗りしやすいし長距離バイクだからいいよ」という話を聞かされていたのがひとつ。もうひとつは以前、400ccのネイキッドバイクで北海道のツーリングに行ったときに、田舎道でブチ抜かれたヤマハの「Vmax」とBMWを見ていいなぁと思ったのが最初ですね。確か、あのBMWはGSだったと思います。

ーでも、先に乗ったのはVmaxなのでしょう?

中山●そのときはVmaxの印象が強くて、大型二輪免許を取ってすぐVmaxを購入してしまいました。実はいざとなったら2台持ってもいいかな、という無謀な思いもあったかなぁ(笑)。街乗りにVmax、長距離ツーリング用にBMWなんていいでしょう。その後、当時付き合っていた今の妻とVmaxにタンデムでツーリングに1回だけ行ったのですが、お尻が痛くなったり荷物がつめなかったりしました。その経験から、もうひとつ頭にあったBMWに傾倒していきました。

ーそれで、BMWに乗り換えることにしたのですね。

中山●今でこそ月に1~2回タンデムツーリングに行っていますが、妻と付き合っていた頃はほとんど二人では走りませんでした。というのも独身の頃はタンデムってリスクもあるし、それこそ彼女のライディングギアを誰が買う、という話も現実問題としてあるじゃないですか(笑)。それが、婚約して今後ずっと一緒に人生を共にすることになると、そういうリスクを受け入れてツーリングできるような状況になるだろうと思いました。新婚早々に奥さんを家に置いて自分だけ好きなところに行くのも忍びなく、「二人でツーリングできるバイクがいいな」といったときにBMWがさらに気になり始めて、資料や情報を集めるようになったんです。

ーじゃあ、BMWを購入したのは結婚を控えた中だったのですか!

中山●R1150RTを買ったのは結婚式の1週間前なんです。結婚式が4年前の8月だったのですが、具体的に買おうと思ったのは、入籍して一緒に住み始めた6月だったかな。今思うともう少し落ち着いてから買ってもよかったかな、と思います(笑)。でも、それまで二人でのツーリング経験が1回しかなかったので、「結婚したら、最初から本格的に走りたいな」と思ったんですね。いつか子どもを作る時期が来ると、なかなか二人では楽しめなくなるものでしょう。それがいつになるかもわかりませんしね。なら、早く買ったほうがいいねと。

ー結婚式を控えてバイクを買うことに、奥様は何もおっしゃいませんでしたか。

中山●買うと決めたときは、やはりびっくりしていましたよ。でも私だけのものでなく、妻も二人の所有物と思っていましたから。入籍して都心に住みはじめクルマを持たないことにしましたから、二人で乗るバイクは、まあ“自家用車”というところでしょうか。一人で乗るなら200万円は高い買い物ですが、二人で乗るのであれば、ね。僕にお小遣いをいっぱいくれるのであれば、その中からやりくりすればいいだけの話なのですが(笑)。

渡り鳥の視点で描かれたパンフレット
グランドツーリングの世界観に惹かれました

ーBMWの中でもR1150RTに決めたのは?

中山●タンデムツーリングが目的でしたから、車種はツアラーに絞られますね。もともとクルマでもどこかに出かけたり旅をしたりするのが好きだったのもあり、バイクでもグランドツーリング的なものを求めました。また、僕の好みはいろいろありましたが、妻の意見を尊重して最終候補を「R1150RT」と当時の「K1200GT」の2台に絞りました。当時、妻はそれほどバイクに詳しくなかったので「パッと見で角張っているよりも、流線型のものがいい」という意見からこの2台になったんでしょう。

ー試乗車で始めて乗ったBMWの感想はいかがでしたか?

中山●まずは「うわっ、何だ! このクルマみたいなバイクは」と思いましたね。サーボブレーキもそうですし、テレレバー、パラレバーで姿勢の変化もほとんどなくて。特にR1150RTはポジションがアップライトなので、クルマを運転しているような感覚になりました。また高速道路では、ウインドプロテクションが特にすごいなと思いました。ほとんど風が当たらないので、なんだか無風の中を走っているような感じ。鼻歌を歌うと自分の声が聞こえてくるんですよ。試乗の最中、少し雨が降ってきたのですが、あまり濡れてないことにもびっくりしました。

ーそれで、最終的にR1150RTを選んだわけですね。

中山●はい。最終的にR1150RTとK1200GTをタンデムで試乗して、私自身は最後までどちらにするか悩みましたね。でも、「トップケースが純正品で揃っていて、車体のデザインにマッチしている点」、「R1150RTは二人とも比較的立った姿勢で、パッセンジャーシートもたっぷりしているため安心感が大きい点」を妻が評価して決めました。二人で乗りはじめてもう4年になりますが、トップケースがあってよかったと今でも言いますから。あと、R1150RTはオーディオが付けられる点が結構大きかったです。これはお互いの意見だったと思います。運転しない妻には、退屈しないように必要な機能として欲しかったんですよね。

ー確かに。よりツアラー然としているのは、どちらかというとR1150RTですね。

中山●もうひとつ、僕が気に入ったのがR1150RTのカタログです。ちょうどその頃のカタログが“渡り鳥”をテーマにしたストーリー仕立てで、鳥から見た視点でR1150RTの世界観を描いているんですね。そこに写っている風景の中を走りたいなとか、ホテルの前にたたずむR1150RTの姿を見て、こういうツーリングをしたいな、といった感じで、雰囲気に引き込まれていったというところでしょうか。渡り鳥というのが、何か旅を感じさせてくれたんですね。

ーお二人はBMWの純正ウェアをお使いですが、それもバイクと一緒に?

中山●ローンには入れていませんが、ほとんど同時に買い揃えました。確かに純正ウェアは高いですが、バイクとともに10年使えるしっかりしたものと考えれば納得できますからね。また、当時バイクウェアに女性用として選べるものが少なく、なかなかいいものが見つからなかったという理由もあります。最近はだんだん増えてきたかもしれませんが、オトナのバイクであるBMWの雰囲気に合うものを見つけられませんでした。それは特に妻が感じていたと思いますよ。

二人で四国や東北への長距離ツーリング
奥様はライディングの指導教官!?

ー実際にR1150RTが、お二人のものとなってからはどんな楽しみ方を?

中山●タンデムツーリングのために買ったR1150RTでしたが、残念ながら最初の約2年間はまだ高速道路の二人乗りができませんでした。だから主に500kmくらい走る日帰りが中心で、東京を中心に長野、福島あたりに行くことが多かったですね。もちろん、連休などを使って東北などにも足を伸ばしたこともあります。いずれにしても高速道路が使えないので、帰りは一緒に行った仲間に高速道路の入口で置いていかれたこともあります。

ーそうか、タンデムツーリング前提で高速が使えないのは痛いですね。

中山●まぁ高速に乗れないなら、乗れないなりの計画の立て方があるので馴れましたけども。高速タンデム解禁後は紀伊半島や四国にも足を伸ばしていますが、そのときの感覚が残っているのか高速を避けることが多いですね(笑)。もちろん、最近は高速も利用するようになり、それによってプランの幅がぐっと広がりました。とはいえ、何日間もかける旅にはそう出かけられませんから、一泊二日で楽しめる範囲が広がったという感じです。

ー最初に思い描いていた“グランドツーリング”的な楽しみ方はできていますか?

中山●もちろん。それはR1150RTのオドメーターが示す(4万4000km)ように、さんざん乗っていると思いますよ。四国に行ったときには2000km、いや3000km近く走りました。紀伊半島のときには1700kmくらいでしょうか。四国はキャンプだったというのもありますが、グルッと一周したことで制覇した達成感がありましたね。川沿いの道や海辺の道は豪快に走れて面白かったかな。また、海沿いの夕日がきれいで食べ物が美味しかったことが、妻は印象に残っているそうです。東北は「道が広くてダイナミックな感じが好き」とも言っていますね。

ータンデムで走る上で、運転で心がけていることはありますか?

中山●たまに、後ろに乗せていることを忘れかけることもありますね(笑)。それは半分冗談として、やはり眠りそうだなというときには、インターコムでいつでも話ができるので声をかけたりとか、ステレオのラジオやMDを流して一緒に歌を歌ったりとかします。やはり長距離走るので、後ろの人を飽きさせない工夫や配慮が必要だと思います。ライダー本人は運転しているから楽しいのですが、後ろの人は基本的に乗っているだけですからね。

ー奥様は、タンデムライディングをどのように感じていらっしゃるのでしょうか?

中山●手前味噌のようですが、妻は妻なりに楽しんでくれているようです。「クルマの助手席と全然違って、一緒に乗っている感じが楽しい」と言っていますね。「場合によっては、自分で運転している感じも」とも。ただ、それだけに私の運転にはとてもうるさいですよ。「シフトチェンジがまだまだ」とか「ブレーキのかけ方がヘタ」とか、バイクの免許を持っているわけではないのに、もう指導教官ですよ(笑)。でもそれだけに、最近はバイクに関心を持ちはじめて、私が仕事に行っている間はバイク雑誌を熱心に読んでいるようです。私よりはるかにバイクの最新情報に詳しくなってきていますから。

ーこれまでの約4年で4万4000km乗ってこられたわけですが、飽きたりはしませんか?

中山●ツーリングバイクとしてはまったく飽きないですね。まだまだ乗りこなせていないので、これからもっと乗り込みたいなと思っています。R1150RTだからというわけではありませんが、「乾式クラッチにいまだに慣れていない」、「細かいラインコントロールができていない」など、ライディング上の課題ががたくさんあります。それに最近は、ETCも付けたので、さらに乗っていきたいと思っていますよ。具体的には九州や中国地方、北東北を走りたいです。

ー最後に、お二人にとってR1150RTはどんな存在なのか教えてください。

中山●ツーリングに行くときは、私がリードはします。しかし、決して私が“連れて行っている”という感じではなく、喜んで一緒に出かけてくれます。それだけに、逆に一人で行くことはあまり考えませんね。何しろオドメーターの95%以上をタンデムで走ってきていますから。もちろん洗車も二人でやりますよ(笑)。二人の共有物であり、二人で楽しむものですから、すぐに乗り換えたりするのではなく大事に長く乗りたいですね。妻曰く、“夫婦の絆を確かめるもの。夫婦の一体感を感じる乗り物”だそうです。

プロフィール
中山 直樹
33歳、東京都文京区在住。学生の頃に125ccのオフ車に乗り、その後しばらくバイクから離れる。20代後半になって「CB400SuperFour」で再びバイクに乗り始め、「Vmax」に乗るために大型二輪免許を取る。29歳で結婚を機にマリッジバイク!?としてR1150RTを購入。“夫婦ふたりのバイク”として、約4年弱、4万4000kmのほとんどをタンデムで走る。

Interviewer Column

中山家のR1150RTはあくまでも“自家用車”という存在。お話にもあったとおりバイクのローンや維持費は家計で支えてもらっているという、世の中のオトーサマ方にとってはうらやましい限りの環境。しかし、そもそも最終的に奥様の意見で車種を決め、ウェアやヘルメット、インターコムやオーディオなど、常にパッセンジャーである奥様のことを考えているという中山さん。ツーリングでご一緒させていただくと、いつも二人で楽しんでいるということがひしひしと伝わってくる。よく“BMWはタンデムのことを第一に考えて作られている”と言われるが、まさにそれを十二分に堪能しているお二人だと思った。(八百山ゆーすけ/Thanks to Hoi-Yi Chan)

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