VIRGIN BMW | 第3回 ホイール講座 BMWカスタムパーツガイド

第3回 ホイール講座

  • 掲載日/2008年05月21日【BMWカスタムパーツガイド】
  • 取材協力/Motorrad SHONAN Craft コラムニスト/滝本 幸一

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劇的な変化をもたらす
ホイールのカスタム

クラフトの滝本です。このカスタムパーツガイドも3回目となりました。今回は、前回のサスペンションカスタムのと深い関係があるホイールのカスタムについてお話をしましょう。

ホイールのカスタムというとオートバイより四輪というイメージが強いですよね。私も学生時代、初めて買った車に施した最初のカスタムが、純正の鉄ホイールをアルミ合金のスポーティーなデザインのホイールに変えるというものでした。一方、バイクの場合は、スポークホイールを除いてほとんどがアルミ製で、デザインもスポーティな物が最初からセットされていることが多い。ですから、カスタムの優先順位としては低くなってしまうのですが、前回のサスペンションカスタム同様、ホイールを変えると劇的に乗り心地が変わります。見栄えを良くするのも大切ですが、バイクがBMWならやはり性能アップを伴うカスタムで安全に楽しくの乗れる自分だけのバイクを作りたいところ。今回の記事を読み、興味をもたれた方は是非トライしてみて下さい。きっと愛車の激変ぶりに感動すると思います。

カスタムパーツを知る

さまざまな役割を持つ
ホイールの重要性

ホイールと呼ばれるパーツは、リムやスポーク、ハブと言われる部分から成り立っています。一般的な車両のホイール、特に純正ホイールの構造はリムとスポーク、ハブを一体で鋳造する、アルミ合金のキャストホイールが主流になっています。これは、軽量高剛性でメンテナンスが不要と言う理由から採用されています。さて、ここで基本に立ち返ってホイールの役割を考えてみましょう。車体パーツの中でホイールは、タイヤと一体化して200kg以上の車両を支え、エンジンの回転力をタイヤに伝えるという重要な役割を担っています。そしてもう1つ、ブレーキが発する摩擦熱を放熱する働きもしているのです。ブレーキは運動エネルギーを摩擦熱に変換することで制動力を得ていますから、その性能を維持するための放熱は重要なテーマです。その役割の一部をホイールが担っているのです。

その重要な機能部品であるホイールをカスタムする基本的な目的は、ドレスアップとパフォーマンスアップに大別されます。キャストホイールをスポークホイールに変更するなど、見た目を重視したカスタムは前者、より軽量なホイールに改装して乗り心地や操縦安定制、メンテナンス性の向上を狙うカスタムの場合は後者ということになります。BMWの場合は主にパフォーマンスアップを目的としてホイールカスタムが行われることが多いようですが、BMWに適合するリプレイス用ホイールは品質が高く仕上げも美しいので、装着すればおのずとドレスアップにもつながります。

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R1200SにMAGRANを装着した例
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K1200RとGALESPEEDの組み合わせ

ドレスアップと性能向上を狙う
BMWのホイールカスタム

では、パフォーマンスアップを狙ってホイールを軽量化するとどうなるのでしょうか。よく、「バネ下重量は軽い方がいい」などど言われますが、これは主にサウペンションの負担が軽減される効果に着目した考え方です。路面の凹凸から受けるホイールの上下運動が長時間続くと、ダンパーが熱を持ち機能低下を起こします。いわゆる熱ダレです。それが、ホイールの軽量化により抑制されるのです。また、重たいホイールよりも軽いホイールの方が、衝撃を早く収束させるのに有利。これらの相乗効果により乗り心地が向上するのです。また、路面追従性もアップするので、乗り心地だけではなく、倒しこみやコナーリング時の安定感も増します。さらに、フロント操舵系の軽量化につながり、ハンドリングとレスポンスが向上するのです。

現在アフターマーケットで販売されているリプレイス用ホイールはアルミの鍛造(鋳造のように金型に流し込むだけではなくプレス等で圧力を加え、より強度のある金属を作る加工法)や、マグネシュウムの素材を使ったものが主流となっています。どちらもアルミ鋳造ホイールより軽量化が可能です。また、マグネシュウム素材は酸化が早く耐久性に問題がありましたが、現在は表面処理技術が向上し、ストリート用であれば問題はなく使用できるようになりました。現在、BMW用として国内で入手可能なリプレイス用ホイールは2社の製品で、ひとつはMotoGPでも採用されているビートーR&D製のマグネシュウム鍛造ホイールの「MAGTAN」(マグタン)、もうひとつは動研が取り扱うアルミ鍛造ホイール「GALESPEED」(ゲイルスピード)です。

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MAGTAN

BITO R&Dが開発した世界初のマグネシウム鍛造ホイール。アルミの約3分の2の軽さでありながら高強度という特質を持つマグネシウムの塊を熱間鍛造して製造される。旋回性能、路面追従性、制動性、燃費改善など、さまざまな走行性能の向上が期待できる。通常走行での使用なら耐久性は半永久的だという。

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GALESPEED

2002年に誕生したオリジナルホイールのブランド。中でもアルミ鍛造ホイールは低価格を実現し、ホイールカスタムを身近にしたエポックメイキングな存在として知られる。BMW用の製品は片持ちのパラレバーに完全対応しており、対ノーマルホイールで約2kgの軽量化が図れる。そのスポーティなデザインも評価が高い。

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選択肢は少ないが
その品質は折り紙付

ホイールカスタムの重要性と効果についてお分かりいただけたでしょうか。BMW用となるとその選択肢が多くはないのですが、ここでご紹介した2社の製品であれば性能と品質は折り紙付です。サスペンションカスタムとあわせて行えば、より効果を実感できるでしょう。また、いずれも高品質ホイールなので、装着すればバイクの足元もキリッと引き締まりまり、ドレスアップ効果も期待できます。用途や価格などを検討して、是非チャレンジしてみてください。

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MAGTAN

MotoGPでも使用されている逸品。本物志向の方にお薦めなホイールです。
価格/346,500円(FRセット)
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GALESPEED

アルミ鍛造製でマグネシュウムと比較してリーズナブルな価格が人気。
価格/207,375円(FRセット)
プロフィール
滝本 幸一

ボクサートロフィー参戦など、BMWでサーキット走行を楽しむMotorrad SHONAN Craft(神奈川県大和市)の店長。BMWといえばツーリング、という従来のイメージを塗り替えるため、ひたすらBMWでスポーツすることに情熱を傾けている。

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