VIRGIN BMW | GSとともに世界に挑む!BMW Motorrad GSトロフィージャパン 2012 in 新潟 イベントレポート 特集記事&最新情報

GSとともに世界に挑む!BMW Motorrad GSトロフィージャパン 2012 in 新潟 イベントレポート
撮影/VIRGIN BMW.com x BMW BIKES  文/VIRGIN BMW.com 編集部  取材協力 / BMW Motorrad Japan  掲載日/2012年6月22日

国際大会の選考会が組み込まれた
タフなビッグオフ・イベント

これまで6年にわたり、静岡県周智郡、長野県嬬恋村、岐阜県高山市へと場所を移しながら開催されてきた BMW Motorrad Japan がプロデュースする オフロード&キャンプイベント 『 BMW Motorrad Japan GS Challenge 』 が、7年目を迎える今年はそのイベント名称と場所を変え、大きなイベントプログラムを加えた、よりスケールの大きい内容での開催となった。

 

2008年にはチュニジア共和国、2010年には南アフリカをメインフィールドに開催された 『 BMW Motorrad GS TROPHY INTERNATIONAL 』 が、2012年11月22日から12月4日に南米で開催されることが決定し、それにともない世界各国の代表を決めるべく、それぞれの国で選考会が催される。日本も同様に、その選考会をこのイベントプログラムとして組み込んだのだ。名称も 『 GS TROPHY JAPAN 2012 』 と一新し、会場は新潟県南魚沼町へと移された。

 

開催期間は6月1日(金)から3日(日)までの3日間。会場となった無印良品津南キャンプ場を訪れると、ところどころに雪が残り、この地に春が到来したばかりであることが伺えた。この一帯は山開きする直前だということだったが、GS TROPHY JAPAN 2012 が開催された3日間はおおむね天候に恵まれ、約260名の参加者はコマ図ツーリングにスキルチャレンジ、GS TROPHY INTERNATIONAL 選考会、キャンプなどなど、それぞれのプログラムを存分に楽しんでいた様子。

 

それでは今年の “GS感謝祭” である 『 GS TROPHY JAPAN 2012 』 の模様を振り返りつつ、その概要をご紹介しましょう。

 

GS TROPHY INTERNATIONAL 1次予選の様子。ゲレンデの急斜面を利用した30分間耐久レースです。

GS TROPHY INTERNATIONAL 1次予選の様子。ゲレンデの急斜面を利用した30分間耐久レースです。

2次予選を勝ち抜いた10名は、8月に長野県白馬村で開催される BMW Motorrad Days で最終予選を戦います。

2次予選を勝ち抜いた10名は、8月に長野県白馬村で開催される BMW Motorrad Days で最終予選を戦います。

恒例のコマ図ツーリングも、フィールドが新潟に移ったことで新鮮さがありました。

恒例のコマ図ツーリングも、フィールドが新潟に移ったことで新鮮さがありました。

GSとともに冒険を楽しむ!
『コマ図ツーリング』

これまでの GS Challenge と言えば、なにはともあれ 『コマ図ツーリング』 が “ほどよく遊べる” プログラムとして人気。参加者のほとんどがこれを目的にやって来るようなもので、それは GS TROPHY 2012 となった今年も同様だ。日本中の GS ライダーが当日渡されたコマ図を見ながら知らない土地を走り進む。交通量や信号が少ない田舎道から、標高を上げていくワインディング、そしてもちろんオフロードもルート上に設定されている。

 

いつもと違う景色を眺めながら、コマ図を頼りにゴールを目指す。それはまさにプチ・アドベンチャーにほかならない。国境を越えてあらゆる土地を走破する夢のマシン、GS に乗っている参加者にとって、これほどワクワクするプログラムはないだろう。レースではないので目を三角にすることもなく、道に迷えば同じ GS 乗りに声をかければいいし、オフロードに慣れていなければ自分のペースで進めばいい。倒してしまったら、もしくは倒してしまった人を見かけたら、お互い手を貸しながら再び走り出す。そこで広がるユーザー間のつながりもまた、このイベントの醍醐味のひとつだ。ちなみに走りながらコマ図をチェックするので、簡単にマップを送り進めることが出来る専用のハコ(マップホルダー)があると便利。

 

土地勘が無いからコマ図にある目印を見落とすとあっという間にミスルートしてしまう。そんなときは相談だ。

土地勘が無いからコマ図にある目印を見落とすとあっという間にミスルートしてしまう。そんなときは相談だ。

初心者でも安心のプログラム
インストラクター同行ツーリングも

単一メーカーのイベントで、さらには単一モデル(シリーズ)に特化したイベントが今年で7年目を迎えることができるのは、ひとえに GS ユーザーからの厚い支持と、彼らをサポートするディーラースタッフの協力があるからにほかならない。毎年取材に訪れると、そこには初参加の人はもちろん「一度参加して楽しかったから」というリピーターまで、両者を幅広く集めているのがわかる。このイベントが毎年続いている理由のひとつ、それは“ビギナーにやさしい”ということだ。

 

参加申し込みの際に『ビギナーズパッケージ』というコースがあるが、これは “GS ビギナー” のための特別な参加スタイルで、イベント初日のビギナーズトレーニング、それに2日目と3日目に設定されているコマ図ツーリングで、インストラクターの先導などがパッケージングされている。「林道で何かあったら不安だから…」という以前に「GS に乗ってはいるけど、オフロードなんて走ったことないし…」というライダーのために用意されたもので、そもそも GS を乗りこなせるライダーなんて、この日本に一体何人いる? と考えたら、自ずとこういったメニューが必要になってくるもの。毎年恒例のGS 感謝祭は、ユーザーニーズに応えるべく洗練されたイベントだったのだ。

 

今ではすっかり“GS乗り”の印象がある国際A級ライダー吉友さんが先導するツーリング。ライディングの基本は「笑顔」です。

今ではすっかり“GS乗り”の印象がある国際A級ライダー吉友さんが先導するツーリング。ライディングの基本は「笑顔」です。

GS を操るテクニックで競い合う
『スキルチャレンジ』

昨年までのイベントプログラムに含まれていた 『スキルチャレンジ』 は、イベント名称と開催場所が変わった今年も継続される人気コンテンツ。ここで試されるのは GS で速く走るためのテクニックではなく、大きな GS をオフロードで安全かつ確実に走らせるための操作技術だ。基礎テクニックと状況判断が問われるもので、経験の浅いライダーでも十分勝ち残る可能性はある。誰でもチャレンジできるし、参加資格に車両メーカーは不問。

 

競い合うとは言うものの、設定されたルートへ果敢に挑むチャレンジャーの真剣な眼差しの奥には、緊張とともに楽しいという感情が垣間見える。そしてその姿をすぐ近くで応援している観客の側も、チャレンジャーと一緒になって楽しんでいる。「自分もチャレンジしてみようかな?」と思える雰囲気がそこにはあり、それが来年への期待につながっていることは間違いなさそうだ。このスキルチャレンジを仕切っている山田純氏は、かつてドイツ本国のプログラムとして行われていた 『BMWモトラッド・ライダートレーニング』の公認インストラクター資格を取得しており、技術的なスキルアップのみならず “ライディングの歓び” をも伝えるノウハウを習得しているのだ。

 

トライアル競技のように、ライダーとオーディエンスとの距離の近さも大いに盛り上がる要素のひとつ。

トライアル競技のように、ライダーとオーディエンスとの距離の近さも大いに盛り上がる要素のひとつ。

世界大会への切符をめぐるタフな戦い
GS TROPHY INTERNATIONAL 2012 選考会

今年のGS感謝祭は一味違う。2008年から2年ごとに開催される国際イベント 『 GS TROPHY INTERNATIONAL 2012 』 の選考会も同時開催されたのだ。“もっともタフな GS 乗りを決める国別対抗戦” と言われ、参加表明を掲げた数カ国でも選考会が行われている。過去2大会とも日本代表チームは参戦しており、開催3回目となる2012年大会に向け、ここ新潟で、一般ライダーによる真剣勝負が繰り広げられた。

 

予選は2回に分けられ、1次予選では参加者50名から25名まで、2次予選では10名まで絞り込まれた。そして予選最終決戦は、毎年開催される BMW Japan のコアイベント 『 BMW Motorrad Days Japan 2012 』(旧称:BMW Motorrad Bikermeeting) で行われ、8月25日(土)から26日(日)の期間中、長野県白馬村で南米へ旅立つ日本代表者3名が決定する。

 

予選の内容はじつに面白く、ゲレンデの斜面を利用した30分耐久レース、それに15分近くのジョギングを含むオリエンテーリングのような競技まで、ライディングスキルはもちろんライダーの気力、体力、知力が問われる過酷なものだった。選考会アドバイザーを務める三橋淳氏が「本場でどんな過酷な状況でも前進出来るタフなライダーのみが勝ち残る」と言うとおり、とにかくライダーを “いじめる” 内容となっていた(その模様はフォトレポートでご覧ください)。

 

GS ビギナーのためのオフロード&キャンプイベントと、国際大会への切符をめぐる真剣な戦い、その両方が組み込まれた今年の GS 感謝祭は、これまで以上に楽しめるものだった。

 

自分の足でさんざん走ってからのライディング。気力と体力を消耗しながらも前へ進めるタフな者だけが勝ち残るのだ。

自分の足でさんざん走ってからのライディング。気力と体力を消耗しながらも前へ進めるタフな者だけが勝ち残るのだ。