現代人にとって、多くの情報を得るための必須アイテムは、やはりスマートフォンだろう。それはバイクに乗る際も然り。バイク専用ナビゲーションシステムはもちろん、動画撮影可能な小型カメラなど、高性能な機材でライディングプラスアルファの楽しみ方が広がっている。しかしそこで困るのが、それらの装着方法である。
『モリヤス・アイアンワークス』がBMWバイク用に開発した『R-style ナビゲーションステー』は、素材に高品位なステンレスを採用し、簡単にボルトオンで装着が可能な車種専用ステーとして設計されている。錆びに強いだけでなく、職人が丁寧にバフ仕上げを施すことで高級感のある外観となっている。
ステーの寸法は直径がφ22mmで、一般的なハンドルバーの太さと同じ。磨き上げられたステンレス材(SUS304)は美しい上に傷にも強く、各種アイテムの着脱が繰り返されても美しさを長く維持できる。
「機能とスタイルという点では妥協を許さないので、生産性が度外視されているのが事実です。それだけに、ユーザーにとって使いやすいステーになっていると思います。車種ごとにステーの取り付け方法も違いますから、溶接も完全手作業ですし、徹底的なバフ磨きも手作業です。カウルの中に隠れてしまうRnineT用のステーはブラックに塗装されていますが、これも素材はステンレスです」
『モリヤス・アイアンワークス』代表の森下徹さん。ナビゲーションステーのほか、チタン製マフラーやトルクロッド、スチール製のエンジンガードなどをラインナップする。ワンオフ製作されたスペシャルパーツも多く、そのクオリティはどれも高い評価を受けている。夢は完全オリジナルのバイクを製作すること。根っからのエンジニアであり、バイク乗りなのだ。
スマートフォンやカメラ等を取り付けない時には、ノーマルのコックピットへ素直に馴染む外観。オリジナルデザインをまったく邪魔しないスタイルはとてもスマートなものなのだ。そして、アイテムを装着する場合は極力車体の中心に置くことができ、視線の移動も少ないという配慮もあるのだ。
BMWバイク用のナビゲーションステー製品群。素材は基本的に硬質ステンレスで、ピカピカに磨き上げられた質感は最高級と言って良い。各車種専用の形状で、ベース車の改造はいっさい必要ないことも大きな特長。
ナビゲーションステーは、基本的に車体の中心に2本のボルトで取り付けられる。専用の取り付けボルトに交換するだけで簡単に装着可能。とはいえ、ユーザーの多くはショップのメカニックに作業を委ねるべきであろう。
車体の中心にセットされることが基本のナビゲーションステー。その設計理念は、ライダーの目線が中心部分からできるだけ離れないようにするための配慮だという。また、振動対策としても、車体中心付近の方が有利であることも見逃せない。撮影協力/サインハウス
R1200RT(水冷モデル)用のナビゲーションステーは、ハンドルバーにブリッジを掛けるようなポジションにセットされる。
R1200RS用のナビゲーションステーは、純正のナビゲーションを避ける位置に配置される。ナビ以外のアイテム装着用という考え方もできる。
R1200GS用のナビゲーションステーはハンドルポストに取り付けるタイプ。写真はブラック塗装されたスチール製だが、今後はやはり、ステンレス製に移行するという。
唯一パイプ形状を持たないRnineT用のナビゲーションステー。カウル内にマウントされ、純正のナビステーよりもライダー目線の移動が少ないポジションになる。
RnineT用のナビゲーションステーは、ETC車載器のアンテナ用マウントとしても機能する。必要なアイテムを目立たぬように装着し、車体のスタイリングを邪魔しない優れたステーとなっているのだ。
今回、ステーの取り付けなど取材と撮影にご協力いただいたのは、大阪市鶴見区に店舗を構えるBMWモトラッド正規ディーラーの『モトラッド大阪中央』だ。装着が簡単とはいえ、作業は専門店のスタッフにお任せするのが安心、確実だ。