

|
極寒、強風、雪で遮られる視界… お世話になったアレクサンドルにお礼を伝え、私はチタを出発しました。これから向かうのはウラン・ウデという街です。1日あれば到着してしまう距離なのですが、ウラン・ウデまでの道のりは非常に辛いものとなりました。気温は一日中0度を下回り、冷たい風が強くふきすさび、体感気温は0度以下に感じます。R1200GSのフロントにはウインドスクリーンがついていますが、あまりの寒さに私は体を45度ほど倒し、風を受けないように変な姿勢でずっと運転していました。強い風が吹いていたかと思うと、突然その強さが弱まることもあり、車輌のバランスを取るのも難しく、緊張感を持ったライディングです。怖いのでスピードを出せない私をバスやトラックがゆっくりと追い抜いていきます。どう見ても過酷な環境で走っている私を助けてくれる人は誰もいません。でも、これも旅の一部です。頑張ることにしましょう。
汚い格好で臭うワタシ 「ロシアには道路標識が少なく、目的地を探すのが大変」とは前回にも書きました。ウラン・ウデでもその状況は同じです。この日に宿泊するホテルの場所がまったくわかりません…。チタではアレクサンドルに助けてもらうことができましたが、ウラン・ウデ入りをしたのは夜更けのため通りには人通りも少なく、道を聞こうにも人がいません。こんなときに頼りになるのがウラジオストックでOlgaとSashaからもらったHelpリストです。確認するとウラン・ウデで私が頼ることができる人の連絡先がここに載っているではないですか! 彼の名はNima。職業は警官です。さっそく連絡してみると、その日の業務シフトは終わったばかりで「一緒に探してあげるよ」と暖かい言葉をかけてくれました。Nimaは英語はカタコトでしか話せず、コミュニケーションには苦労しましたが、彼のおかげで目指すホテルまで何とかたどり着くことができました。ロシアの道路事情は本当に旅行者にはチンプンカンプンですので、皆さんもロシアを訪れる際はご注意くださいね。下手な季節に街をさ迷うと…凍死してしまうかもしれません(笑)。やっとの思いで探し当てたホテルに着くとNimaがこの辺りの地域の地図を買ってくれ、明日から私が通るルートのレクチャーをしてくれました。この先どのルートを進めばいいのか、地図上にラインを引いて丁寧に教えてくれます。あれこれとお世話になったNimaに何かお礼をしなければ…と彼を食事に誘うことにしました。
VISA切れまであと少し
翌日は朝早くから目が覚めました。テントの中にいても外がかなり寒いのはハッキリとわかります。テントを出るとすぐそばはバイカル湖です。湖面が近いので寒さがなおさらキツイのでしょうね。ここバイカル湖はアジア最大の湖で、その最大水深は1743mもあるとか。湖なのになぜかサメ(チョウザメ)がいるのが特徴です。海と間違うほど広いその湖面は非常に澄んでいて、その水は当然ながら恐ろしいほど冷たくなっています。湖のそばの気温も低く、バイカル湖をのんびり眺めるために近くに温泉かサウナがあってくれたら…とくだらないことを考えてしまいました。暖かければもうしばらくバイカル湖の周りを観光してみたかったのですが、VISAの関係もありますから一度ロシアを出国しなければなりません。次なる目的地のモンゴル共和国に向けロシア国境へと足を進めることにしましょう。
|
![]() Erik Andreas Jorn 35歳。スウェーデン国籍。15歳のときに渡米し、アメリカで医学を学ぶ。大学卒業後に1年間海外を放浪し、その後来日。8年間を日本で過ごした後にR1200GSでのユーラシア大陸横断を企画し、現在は旅の途中。 |