

|
乗っていじる楽しみを体験 クラフトの滝本です。前回のマフラー編はいかがだったでしょうか。今回はサスペンションのカスタムです。BMWは日本製のオートバイと違い、テレレバーやパラレバー、デュオレバー、テレスコピックなど、さまざまなサスペンション構造を採用していますから、まずは特徴的なテレレバーとデュオレバーを簡単におさらいしましょう。その上で、サスペンションのカスタムにはどのようなものがあるか、あるいは交換するとどのように変化するのか、ということを解説します。自分は腕が無いからサスペンションをカスタムしても違いが分からない、なんて言わないで下さい。上手い下手は関係なく、車体の挙動を探る気持ちがあればサスペンションのカスタムは誰でも効果を実感することができるのです。そして、サスペンションを調整することによって、ライディングだけではなくいじる楽しみも覚えていただき、より幅のある豊かなバイクライフを堪能して下さい。 それでは、本題に入る前に基本に戻ってサスペンションの機能についてご説明しましょう。まず、車体を支える。これがサスペンションの第一の機能です。第二は、路面からの衝撃を緩和吸収し、タイヤの路面追従性を向上させること。そして最後、フロントがテレスコピッックフォーク(BMWならF800S,ST,G650Xなど)の場合は操舵の働きもします。この3つがサスペンションの主要な機能です。それでは、もしサスペンションが無かったとしたらどうなるのでしょうか・・・。「走る」というのが答えです。でも、それは単に走ると言うだけであって、安心して曲がることもスムーズにスタートをすることもできません。安定感が全く無くなり、安全から遠くかけ離れた楽しくない乗り物になってしまうのです。さて、私たちが一般的にサスペンションと呼んでいるパーツは、大別すると「スプリング」と「ダンパー」の2つから成り立っており、それぞれに果たす役割が違っています。スプリングは伸び縮みすることで路面の凹凸を吸収し衝撃を緩和します。しかし、これだけだとスプリングの動きがいつまでも収まりません。そこでエネルギーを熱に変換して無駄な動きを抑制します。これを減衰力といい、この役割を担っているのがダンパーです。どちらかだけが高性能でも良いサスペンションとはいえません。この2つが上手くバランスして、はじめてサスペンションは素晴らしい性能を発揮するのです。
では、サスペンションをカスタムするとどうなるのでしょうか。まず、自分の走りに合わせた幅広いセッティングができるようになり、乗り心地が大きく変わります。BMWの純正サスペンションは非常によくできていて誰が乗っても楽しい走りができますが、一般的に社外品のサスペンションは純正より広い範囲で調整が可能です。それによって、セッティングがバッチリ合うと、より楽に曲がることができるようになりますし、サーキット走行のような高いレベルでの走りにも対応できるようになります。また、車高を調整して足付き性も向上させることも可能です。経年変化で性能が低下した場合、純正は交換となりますが、社外品はオーバーホールによって性能を復活させることができるのも大きな特徴と言えるでしょう。 サスペンションの機能、カスタムの利点はある程度お分かりいただけたと思います。もちろん、カスタム用サスペンションは各メーカーでオリジナリティのあるデザインやカラーリングを採用しているので、装着すれば車体のアクセントになり、外観上の変化も楽しめるでしょう。BMWに取り付け可能なものは海外メーカー製を中心に多くの製品が発売されており、それらは高品質のものが多いことから、質感を高めるという意味でも効果的です。また、私どもクラフトでもオリジナルスプリングとゴールドバルブの組み合わせで減衰力のきいたオリジナルのスポーツサスペンションを開発しています。性能やデザインなど、あれこれ迷いながらチョイスするのもサスペンション・カスタムの楽しみかもしれませんね。
|
![]() 滝本 幸一 ボクサートロフィー参戦など、BMWでサーキット走行を楽しむクラフト(神奈川県大和市)の店長。BMWといえばツーリングという従来のイメージを塗り替えるため、BMWでスポーツすることに熱心なBMWフリーク。 |