VIRGIN BMW | 第6回 Kシリーズの拡充 BMWバイクの歴史

第6回 Kシリーズの拡充

  • 掲載日/2008年01月31日【BMWバイクの歴史】
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K100RT/LTの登場
ハイスピードツアラーの拡充

1980年代中盤から1990年代は、ベーシックかつスポーティーなモデルである「K100RS」と「K100」が発表されるなどKシリーズ拡充の時代と言えました。ラグジュアリーなツーリングモデルやエントリーユーザー向けの小排気量モデルへとモデルを拡充する…その手法はRシリーズと同様でした。

次に、1984年にツアラーとしてのキャラクターを前面に打ち出した「K100RT」が登場。巨大なフェアリングは決して大げさなものではなく、エアロダイナミクスとライダーの快適性を追求した実用的なもので、時速180キロ以上での高速クルージングを可能とする実力を秘めていました。速度無制限のアウトバーンとそこを走ることに対する多くのニーズがドイツにはあり、それに加えて元来が航空機メーカーであったために風洞実験設備を持つことが、この大型フェアリングの設計を可能としたのです。

K100RTのパワートレーンはそれまでのモデルから特に変更は加えられていませんでしたが、これは低速からトルクフルでフラットなエンジン特性が、ラグジュアリーなRTにもマッチしたものであったからです。

K100RTの発表後、世界中のモーターサイクルメーカーがよりゴージャスな装備を施したツアラーを続々とリリースしたため、BMWはRTをグレードアップした「K100LT」を発表しました。LTとはラグジュアリー・ツーリングを意味しています。

RTからの主な変更点は、ウインドスクリーン上端部の形状変更、トップケースの標準装備、ハイ・コンフォートシートの追加、盗難防止用アラームシステム(オプション)の追加など。日本仕様では、ハザードランプやオーディオシステム用のアンテナとスピーカーなども標準装備となっていました。

K100LTは、左右のインテグラルケースに各々35リットル、トップケースに20リットル、シートカウル内に9リットルと、合計99リットルもの収納スペースを確保。さらに、リアサスペンションにはボーゲ製ニボマットサスペンションを採用し、すこぶる良好な乗り心地を実現していました。これらは、高速巡航時や最大積載時の使用状況を想定したもので、いかなる場合でも安定した走行を約束してくれるものでした。

K75シリーズの登場
単なる廉価版ではない魅力

1985年には、K100シリーズのエンジンを3/4にスケールダウンした3気筒750ccモデル、K75シリーズが発表されます。エンジンのボア・ストロークはK100と共通で、構造的にはまさしくK100のエンジンから1気筒を減らしただけのモデルですが、マスの中心から約15キロの車重が削減されたことはハンドリングに大きな恩恵をもたらしていました。

また、K100のタイヤサイズはフロント18インチ・リア17インチであったのに対して、K75シリーズはモデルごとにタイヤサイズを変更するなど、きめ細かい設定で各モデルのキャラクターを打ち出しています。

シリーズとしては、1985年にビキニカウルを装着してシティーランを重視した「K75C」、1986年にはハーフカウルとリア・ディスクブレーキ装備で高速巡航性能を重視した「K75S」、さらにアンダーカウルとハードな足回りを追加した「K75SS」、カウルを持たないベーシックモデル「K75」が発表され、ラインナップは急速に拡大。1990年には大型カウル装備でツーリング性能を重視したK75RTも発表されています。

上級モデルの廉価版と見られることが多い小排気量モデルですが、K75シリーズは、3気筒独特のトルキーな出力特性や軽快でバランスのとれたハンドリングなど、上級モデルとは違った味わいがあるモデルとして高く評価されました。なお、BMWは1988年のK100RSからABS(アンチロックブレーキシステム)を採用し始めました。電子制御によってブレーキの油圧をコントロールするこのシステムは、安全性を重要視するBMWらしい装備として、世界中から高い評価を受けたのです。

K1からK1100LTまで
4バルブ化と排気量の拡大

1989年には、BMW初といっても過言ではないスーパースポーツとしてのモーターサイクル「K1」がデビューしています。ベースはKシリーズですが、近未来的なフルカバードボディーは従来のモデルとは一線を画すものでした。

エンジンは4バルブ化され、従来のKシリーズの90馬力から100馬力に出力はアップ。吸気系にはフューエルインジェクションの電子制御式が採用されるなど、その中身も大きく進化していました。また、パワーアップに伴い、サスペンションも刷新。GS系モデルに採用されていたパラレバーを移植し、タイヤもロープロファイルのラジアルタイヤを採用するなど、スーパースポーツを明確に意識した構成は多くのBMWファンを驚かせました。1990年に入るとK1の4バルブエンジンはK100RSにも採用され、K100RS-4Vとして発表されます。このK100RS-4Vの中身はK1そのものと言えるほど進化しており、K1との構造的な違いはエンジンマウントにラバーブッシュが入った程度。

また、リアサスペンションもパラレバーが採用されたほか、ABSの装着によりライダーの安心感はより増幅され、高出力化とともにあらゆる条件下で楽しめるトータルバランスがRSでも追求されたのでした。

1991年になると、Kシリーズのエンジンは1093ccまで拡大されることとなります。排気量の拡大は、BMWが世界で初めて実現したモーターサイクル用排ガス浄化システムによる排気効率の低下を排気量アップで補い、豊かな低速トルクを維持するためのものであったと言われています。

そして、このエンジンを最初に搭載したのが「K1100LT」でした。最高出力は100馬力のままでトルク重視のセッティングが施されたK1100LTは、大型のフェアリングやABS、105リットルまで拡大されたラゲッジスペースなどを得て、世界最高峰のツアラーとしての評判を獲得しています。1992年にはK1100LTのエンジンが移植された「K1100RS」が発表されました。LT同様、排気量のアップはもっぱらトルクの向上に割り当てられ、最高出力は100馬力のままでした。

しかし、K100RS-4Vをベースにした車体にはパラレバーやマルゾッキ製のフロントフォークが組み合わされ、強化されたブレーキシステムやABSなどの搭載によって、K-RSのスポーツツアラーとしてのキャラクターは完成の域に達したのです。

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