第3回 独特の交通ルール
- 掲載日/2013年01月11日【はじめてのヨーロッパツーリング】
- 取材協力/オズ・インターナショナル、オーストリア航空 写真・文/佐川 健太郎
※ 2012年12月15日発行『BMW BIKES』Vol.61 P.74 「ヨーロッパ=ロングラン 使ってみてわかった R1200GS ホントの実力」にて、佐川健太郎さんによるヨーロッパツーリングの模様がレポートされています。
黄信号は急ブレーキに注意
ロータリーは流れを読もう
今回はヨーロッパ独特の交通ルールについて、お伝えしたいと思います。まず、欧州ではイギリスを除くほとんどの国が右側通行になっています。日本とは逆なので、最初は戸惑うことも多いですが、半日ぐらい走っていればすぐに慣れるはず。ただ、間違いやすいのがUターン。道に迷ったりすると焦ってしまい、Uターンした途端、いつものクセで道の左側を走ってしまいがちです。また、「右折」は日本の左折と同じ感覚なので大丈夫なのですが、「左折」したときにうっかり左側車線に入ってしまいがちです。特に大きな交差点では、わけが分からなくなりがちなので注意しましょう。その場で交通ルールがよく分からなかったら、まずは地元のクルマの後をついていくことです(笑)。
信号での止まり方も独特です。関西では「黄色は進め」というジョークがありますが、そんなことをしたら超キケン! ヨーロッパのドライバーは黄色信号を見るなり急ブレーキをかける場合が多いです。日本の感覚で、赤になる前に急いで交差点を通過しようとした途端、前のクルマやバイクが文字通りフルブレーキをかける場合があるので、注意が必要です。それだけ「車間を空けなさい」ということ。当たり前のことですけどね。
ドイツの市街地。大きな交差点でも、信号は小さくて見えづらいものが多い。「黄色=注意」と考えるのは日本の場合。欧州では「黄色=停止」なので、注意しよう。
ヨーロッパの道といえば、ロータリーが特徴です。円形交差点のことで、真ん中にある円形のスペースの周囲を回りながら、自分が行きたい道に進む仕組みになっています。日本でも駅前などにはロータリーが設置されている所も多いですが、欧州の場合、地方の主な交差点はほとんどがロータリー式といってもいいぐらいです。信号がなく、危険がなければ一時停止せずに進入できるため、交通がスムーズなのはメリットですが、一方で「流れ」を読まないと逆に危険。日本人がよく「ブッブー!」と鳴らされてしまう場面です。特に交通量の多い大きなロータリーでは、進入のタイミングを見計って行けるときに俊敏に行かないと、いつまでたっても入れません。周回しているときは穏やかにレーンを移動しつつ、早めのウインカーで意思表示が必要。出て行くタイミングを逸したときは、無理せずもう一周ぐるぐる回りましょう!
道路標識は
だいたい分かる
はじめてヨーロッパの道を走るとき、はたして道路標識が理解できるか心配になると思います。でも、大丈夫。日本で運転免許を取った人であれば、だいたい分かるはず。言葉は理解できなくても、欧州では標識の色や形もほとんど標準化されていて、国による違いもわずかです。大きな交差点では、行き先が明確に表示されているので運転しながらでも分かりやすく、次の街までの距離や制限速度などもキロメートル表示なので、日本人には馴染みやすいはずです。アメリカやイギリスのようにマイル表示だと、いちいち頭の中で換算しないといけませんから(笑)。
ちなみに標識に斜線が入っているものをよく見かけますが、これは「制限解除」という意味です。市街地の出口などでは速度標識でよくコレを見ます。警告などの重要情報はピクトグラム (絵文字) になっているので、そのシチュエーションを常識的に考えれば「なるほどね」となるわけです。想像力も大事ということですね。
モーターサイクルジャーナリストとして2輪専門誌やWEB等で活躍中。本サイトではニューモデル試乗やライディングテクニック講座【スマテクで乗りこなそう!】で講師を担当。公道で役立つ実践的な安全運転スキルからサーキット走行まで造詣が深く、ライテク関連の記事や映像も数多く手掛ける。『MOTOCOM』編集長。『ライディングアカデミー東京』校長。MFJ公認インストラクター。
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