VIRGIN BMW | 第10回 トラブルへの対処法 はじめてのヨーロッパツーリング

第10回 トラブルへの対処法

  • 掲載日/2013年03月01日【はじめてのヨーロッパツーリング】
  • 取材協力/オズ・インターナショナル、オーストリア航空 写真・文/佐川 健太郎
    ※ 2012年12月15日発行『BMW BIKES』Vol.61 P.74 「ヨーロッパ=ロングラン 使ってみてわかった R1200GS ホントの実力」にて、佐川健太郎さんによるヨーロッパツーリングの模様がレポートされています。

シミュレーションして
備えていれば慌てない

最終回は、万が一のトラブルについてです。土地勘もなく言葉も通じず、どこに連絡すればいいのか分からない……。海外ツーリングでのトラブルは最悪のパターンですよね。一番よくあるのが迷子。見知らぬワインディングで、目印や看板などもないと自分がどこを走っているのか分からなくなってしまうことがあります。そんなとき、ナビがなくてもスマホがあれば GPS 機能を使えるので、いざというときに便利です。

グループツーリングであれば、万が一の場合でも心強いですよね。コミュニケーション手段はインカムがベスト。先頭と最後尾が装備してだけでも、機動力がまったく違ってきます。もしはぐれてしまっても、今は携帯電話があるので大丈夫……と油断しがちですが、電波状態は保障できません。そこで焦って動き回ってしまうと、かえって居場所が分からなくなってしまうので、気持ちを落ち着けてその場から動かないことが基本です。よくありがちなのは、欧州の交差点で一般的なロータリーを通過するときに、合流のタイミングを失って分断されてしまう例。先行する集団は、「曲がり角では必ず後続を待つ」などの決まりごとを作っておくといいでしょう。

BMWヨーロッパツーリングの画像

オイルの消費が激しいのは空冷フラットエンジンだから? それとも走り方に違いが? 向こうのボクサー乗りはエンジンオイルを携行してまめに給油している姿が目立つ。

故障や事故など、深刻なトラブルに見舞われる場合もあります。故障した場合にはどこに連絡すればいいのか、事故に遭ったときはどういう手続きを取ればいいのか、自動車保険の内容、ロードサービスの料金と内容、免責事項などについて、出発前にバイクをレンタルした店でよく聞いておくことです。また、自分がケガで入院した場合などに備えて、海外旅行保険に加入しておくと安心。保険期間も1週間程度であれば、金額も数千円程度で収まります。大事なのは、何かあったときの対応を自分なりにシミュレーションして、心の準備をしておくこと。そうすれば、いざというとき慌てずに済みます。もちろん、細心の注意を。

人に助けを求める
勇気を持とう

今回、実はワインディング走行中にアクシデントが発生しました。迷い込んだ細い路地で、メンバーのひとりがコーナーを曲がり切れず、道路脇の岩壁にエンジン側面をヒット。幸いライダーにケガはなく、シリンダーヘッドを削っただけでした。フラットツインの恩恵なのか、横に張り出したシリンダーが足を守ってくれたかたちです。「BMWで良かったね」と皆で納得。ただし、割れたヘッドカバーからオイルがこぼれて大変なことに。山頂近くの峠道なので、その場ではどうしようもなく、とりあえずスローペースで走りながら、最初のドライブインで助けを求めました。幸いなことにカフェの主人がコーキング剤を持っていたので、とりあえずそれでオイル漏れを応急修理。だましだまし 50 キロほど引き返して、イタリア・トレントの街にあったディーラーに駆け込みました。運よくヘッドカバーの在庫があったので事なきを得ましたが、ややもすると1日足止めを食らうところでした。このときも、同行していた現地ガイドがいろいろ手配してくれたので助かりましたが、もしひとり旅だったら、かなりキツい展開になったことでしょう。

本当に困っていると、誰とはなしに声をかけてくれるのは万国共通。見知らぬ土地で何かあったら、すべて自分で解決しようとせず、人に助けを求める勇気も必要です。でも、トラブルのひとつやふたつは、むしろ旅の良い思い出になるかも。

10 回連載でお届けしてきた「はじめてのヨーロッパツーリング」、いかがでしたでしょうか。今すぐでなくとも、いつの日かぜひ欧州をバイクで旅してみてください。きっと貴方の人生に彩りを与えてくれるはずですよ。

本コラムのご愛読、まことにありがとうございました!(VIRGIN BMW.com 編集部)

BMWヨーロッパツーリングの画像
傷ついたヘッドカバーを新品に交換するまで約10分。メーカー系ディーラーではない店だったが腕はたしか。閉店間際だったが、疲れ切った我々を気持ち良く迎えてくれた。
プロフィール
佐川 健太郎

モーターサイクルジャーナリストとして2輪専門誌やWEB等で活躍中。本サイトではニューモデル試乗やライディングテクニック講座【スマテクで乗りこなそう!】で講師を担当。公道で役立つ実践的な安全運転スキルからサーキット走行まで造詣が深く、ライテク関連の記事や映像も数多く手掛ける。『MOTOCOM』編集長。『ライディングアカデミー東京』校長。MFJ公認インストラクター。

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