最新のテクノロジーを駆使してライダーの身体を守る。創業から今までダイネーゼが追いかけ続けているテーマだ。昨今のダイネーゼはレースの世界で研究開発を続けてきた孤高のエアバッグシステム「Dエア」をコンシューマー向けにも販売をスタート、現在もそのラインナップの幅を広げている。これまではレーシングスーツやスポーツジャケットなど、どちらかというとスポーツ志向のアイテムが中心ではあったが、今年ついに待望のツーリングジャケットが日本市場に登場した。それがここで紹介するサイクロン・Dエアジャケットだ。
Dエアシステムの概要はまさに現状では世界最先端と呼べる仕様だ。万が一の際にエアバッグが必要だとシステムが判断すればわずか0.03秒でエアバッグが膨張し、鎖骨から肩、胸部、脊椎に至る広範囲を均等に保護してくれる。もしもダメージを負ってしまったら回復に時間がかかる部位を効果的に保護するのがDエアシステムの真髄なのだ。
サイクロンに組み込まれているDエアはレーシングスーツに搭載されるシステムとは異なり、ストリート走行に特化したアルゴリズムを持っている。ハイサイドやスリップダウンなどの転倒時に作動するだけでなく、四輪車など障害物との衝突でもエアバッグは展開するのも大きなポイントだ。このストリート用エアバッグの研究・開発にもダイネーゼは多くの歳月をかけてきており、イタリア警察への制式採用などすでに実績も充分だ。
「いかなる状況でもライダーの安全が第一」これはダイネーゼ製品に脈々と受け継がれる伝統だ。その姿勢は世界に先駆けてABSやASCなどの先進装備を市販車に採用してきたBMWに通じるものがある。バイクとウエア、その双方で世界最高レベルの安全性を構築できるのはBMWオーナーの特権だ。そして、そのチャンスはいま目の前にある。
下部にはGPSを内蔵。Dエアシステムはハイサイド・スリップダウン・他車への衝突と、すべて時速10km以上で作動する。センサーによる加速度&角度の検出に加えてGPSによる速度解析もシステムの精度を高めている。