F750GS(2018-) スペックと燃費現行モデルカタログ

F750GS(2018-)

ファンデューロのコンセプトを今なお色濃く受け継ぐ
GSシリーズ最軽量モデル

F750GSは、BMW GSシリーズの中でももっとも親しみやすく、なおかつ汎用性の高いモデルだ。そのルーツは1994年発売のF650ファンデューロにあり、「ファンライド」と「エンデューロ」の造語であるそのコンセプトを今なお色濃く受け継いでいるモデルでもある。

2000年には「GS」の名称が冠されたF650GSとしてモデルチェンジ。さらに2008年にはそれまでの652cc水冷単気筒エンジンから798cc水冷並列2気筒エンジンへ変更され、パワーとトルクの向上を図るとともに「エフロク」の名で親しまれた扱いやすさをさらに高めた。

そして2018年、エンジンレイアウトは同じながらも、まったくの新設計となる853・水冷並列2気筒エンジンとなった「F750GS」として2度目のフルモデルチェンジを受けた。クランク位相はこれまでの360度から270度の不等間隔爆発へと変更され、とくにオフロードでのトラクション性を高めた。さらにこのクランクを逆回転とし、前後ホイールによるジャイロ効果を軽減するため、高速域においても軽快なハンドリングを実現している。

搭載されるフレームはスチールシェル構造ブリッジ式で、こちらも完全な新設計。これまでシート下に配置されていた燃料タンクは一般的なレイアウトとなるエンジン上部に移された。また、ドライブチェーンも一般的な左出しレイアウトへと変更されている。

ここまではF-GSシリーズ共通の仕様で、F750GSはオンロードからオフロードはもちろん、市街地走行でも扱いやすい特性としている点が特徴だ。エンジンの最高出力は77psと前後ホイールはアルミキャストで、フロントを19インチ径として穏やかで扱いやすいハンドリングと、荒れた路面での安定性を両立。ブレーキ時のタイヤロックを防止するABSと、滑りやすい路面でのスリップを抑制するASC（スタビリティ・コントロール）を標準装備し、安全性も確保している。また、6.5インチフルカラーTFTメーターはメーカーオプションで装着可能だ。

さらに、日本仕様には「スタンダード」と「プレミアムライン」というオプションが用意され、電子制御サスペンションやトラクションコントロール、オートシフター、クルーズコントロール、キーレスライド、LEDヘッドライトなどを装備することも可能になっている。

GSシリーズの末弟的ポジションながらも、BMWならではの最新装備で快適かつ安全なツーリングを楽しめる。また、GSシリーズ最軽量でコンパクトな車体と足つきのよさは、F750GSでしか味わうことができないアドバンテージだ。