オイル交換はなぜ必要なのでしょうか?
- 掲載日/2007年01月29日【BMWバイクQ&A】
- 監修/アウフヴィント 岡村 裕史さん
オイルが担う役割は非常に重要で
エンジンの寿命にかかわってきます
エンジンオイルを交換しないで走り続けると…劣化したエンジンオイルのために、シリンダーやコンロッドやバルブステムが設計以上に磨耗してしまいます。もちろん、ピストンやカムシャフトが多少焼き付いていても、エンジンは多くの場合、結構回り続けます。しかし、燃費が悪化したりオイル消費が増えたり、設計どおりのトルクを発揮できずにオートバイ本来の「走る」、「曲がる」、「停まる」を楽しめないエンジンになってしまいます。時には一気に焼き付いて突然エンジンが停止し、ライダーの命に危険が及ぶこともあります。そこで、オートバイメーカーは推奨のオイル交換時期を指定しているのです。
それではエンジンオイルがどのようにエンジンを守っているのか、オイルの役割をおさらいしてみましょう。
1.減摩作用
エンジン内で擦れ合う各部品の間で油膜を保持し、文字どおり磨耗を減少させます。
2.冷却作用
ピストンピン部などの外気にも冷却液にも触れることが無い部分はオイルが循環することで冷却されています。
3.緩衝作用
ボールベアリングなどの点や線で接触して圧力を伝える部分では、油膜が衝撃を分散・緩和して部品の損傷を抑えています。
4.防錆作用
エンジン部品の金属が空気にさらされて錆を生じるのを防いでいます。
5.密封作用
エンジン内部にはいたるところに耐久性とスムーズな運転を維持するために適正な隙間(クリアランス)があります。この隙間にオイルが入ることで密封し、漏れを防いでいます。
6.清浄作用
エンジン内部に発生したスラッジや金属粉を取り込んで分散させ、カーボンスラッジや金属粉による部品の磨耗を抑えます。オイルフィルタで回収しきれない細かいスラッジは、オイル交換時にオイルと共に排出されます。特にBMWのオイルパンは古いオイルが完全に抜けるよう、ドレンボルト部の設計にも配慮がなされています。
このように様々な役割をもたされるエンジンオイルは、ベースオイルに粘度指数向上剤や酸化防止剤、減摩剤など様々な添加剤を配合して作られています。エンジンの運転で高温にさらされ攪拌剪断される中で、ベースオイルや添加剤が劣化し、スラッジや金属粉を取り込み、自身が酸化することでオイルとしてのエンジン保護機能が低下してくるのです。BMWでは世界中でのさまざまな走行条件や気候、そしてランニングコストを勘案した上で、相当に余裕を持って交換時期を設定しています。しかし、日本の都市部に多い渋滞路はエンジンに走行風が当らないため、エンジンやオイルにとってドイツ本国を始めとする他の国とは比較にならないくらい負担が掛かっています。
大切なモーターサイクルを永く調子よく安全にお乗りいただけますよう、是非、メーカー推奨時期でのオイル交換をお勧めいたします。なおオイル交換の推奨期間や距離は、オーナーお一人お一人のご使用条件によって異なります。どのようにモーターサイクルを楽しまれているかお聞かせ下さいまして、最寄のディーラーにご相談下さいませ。
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