第2回 エンジン2
ついに登場したCシリーズは、意欲作だった C1 以来となるスクーターだ。これまでの BMW モデルとは一線を画し、アーバン・モビリティという新カテゴリーに投入されたCシリーズを、例によって世界一細かく解説していこう。
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![C600Sport・C650GT編分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical08/02/01.jpg)
エンジン左サイドに冷却フィン付きのオイルタンクを配置する。潤滑方式はドライサンプ。現行の BMW モトラッドのエンジンはすべてドライサンプである。
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車体左側のパネルを外すと、オイル注入キャップ兼レベルゲージが現れる。エンジンオイル全量は 3.1L。推奨グレードは 5W-50 や 10W-50 等、最新のエンジンにしては珍しく硬め。
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内部に電気式レベルセンサーが設置されているので、オイル量はメーターのディスプレイで確認できる。オイル交換時以外にレベルゲージを見る必要はなさそうだ。
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ドレインプラグはエンジン真下。8mm のヘキサゴンボルトで、締め付けトルクは 28N・m。
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オイルフィルターもエンジン真下を向く。締め付けトルクは 11N・m。周囲に障害物はなく、オイル関連の整備性は高い。
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フィルターの根元には水冷式オイルクーラー。油温と水温をいち早く理想の温度に安定化させる、ヒートエクスチェンジャーとしての役割が大きい。
![C600Sport・C650GT編分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical08/02/07.jpg)
エンジン側面のオイル経路途中にメッシュ状のフィルターネットが装備される。
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インテークは重力による過給効果が見込めるダウンドラフトタイプ。エンジンのレイアウト上、自然にこうなるのだが、最近の BMW エンジンでは主流である。
![C600Sport・C650GT編分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical08/02/09.jpg)
スパークプラグにイグニッションコイルが直接取り付けられる、ダイレクト・イグニッション。いわゆるプラグコードは存在しない。BMW 全車が採用している。
![C600Sport・C650GT編分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical08/02/10.jpg)
プラグ型番は NGK の MAR8D-J で、BMW が好んで採用するダブル電極タイプ。交換推奨距離は 40,000km だが、簡単に手が入る位置ではないので、何か機会があれば早めに交換しておいたほうが良い。
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フロント右サイドパネル内のバッテリー下にエアクリーナーボックスが配置される。
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乾式のエアフィルター。短期のメンテナンス関連はこのパネル内に集中している。
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ラジエターはシリンダーヘッド直前に配置され、スパークプラグのメンテナンス時には外さなければならない。水温 85℃でサーモスタットが開き、98℃で電動ファンが作動する。下に見える冷却水のサブタンクの量はボディパネルの点検窓から目視できる。近年の BMW 純正クーラントは定期交換の必要はなく、水分揮発分を補う補水のみで良い。
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パワートレイン下部のキャタライザー内蔵のプリサイレンサー。排気系はすべてステンレス製。排圧調整フラップ等の電子デバイスは装備されず。
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ショートタイプのスリップオン式サイレンサーもステンレス。スクーターにしては珍しく『見せる』演出がされている。
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