VIRGIN BMW | G310R、遂に日本市場へ登場! トピックス

G310R、遂に日本市場へ登場!

  • 掲載日/2017年05月30日【トピックス】
  • 取材協力/BMW Motorrad Japan
    文/Ryo Tsuchiyama  写真/Toru Hasegawa

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中型免許で乗れるBMWがついに発売
前方吸気・後方排気エンジンや気になる車体詳細をチェック!

2017年6月1日、BMW MotorradジャパンがG310Rを発売する。車両本体価格は58万円(税込)~で、これまで高級ブランドとしてのイメージが強かったBMWとしてはかなり思い切った価格設定だ。この価格が実現したのは、BMWが提携するインドの「TVSモーターカンパニー」が生産を行うから。とはいえ、生産技術や品質管理については、BMWの本社ミュンヘン工場と同じ手法を採用しており、本国同等のクオリティを実現している。

BMWは、このG310Rを世界戦略車として位置づけている。そのターゲットはすでに市場が成熟している欧州や北米ではなく、東南アジアや南米といった「新興国」だ。これまで水平対向エンジンに代表される大排気量のプレミアムバイクを長年手掛けてきた同社だが、ここ10年ほどの新型車を振り返ると、並列2気筒のFシリーズに始まり、並列4気筒のS1000シリーズ、C650系のスクーターなど、次々に新しいセグメントへの参入を果たし、成功を収めてきた。2020年までに世界で年間20万台の販売を目指すと公言するBMWにとって、そのラインナップに500cc以下のスポーツバイクが加わることは大きな追い風だ。

ここからは前方吸気・後方排気レイアウトのエンジンなど、メカニズム的な面白さにも着目しながら車体各部の作りを見ていこう。

※撮影車はプロトタイプのため市販車とは細部の仕様が異なる場合があります。(撮影:2016年4月)

フォトTOPICS(写真点数/15枚)

G310R、遂に日本市場へ登場!
01S1000RやF800Rなど、BMWのロードスターモデルに通じるデザインを持つフロントマスク。ヘッドライトバルブは一般的なH4バルブ(12V 60/55W)を採用。透明度の高いレンズも美しい。ウインカーはオレンジバルブとクリアレンズの組み合わせ。
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02倒立式のフロントフォークはφ41mm。スプリングトラベルは140mmで、スポーツバイクとしては一般的な数値。ステアリングヘッド角は64.9°(BMWは伝統的にこの角度を「対地角」で表記する)。
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03フロントブレーキローターはφ300mmのシングルディスク。ラジアルマウントされるキャリパーはブレンボの新興国向けブランド「BYBRE(=By Bremboの意)」の4ピストン。ABSはもちろん標準装備されている。
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04最高出力25kW(34ps)、最大トルク28N・mを発生する水冷4ストローク単気筒エンジンの排気量は313cc。クランクケース右側はクラッチ、ウォーターポンプを配置するコンベンショナルなレイアウト。腰上についてはエンジン前側から吸気してエンジン後側で排気する前方吸気・後方排気というちょっと変わった方式を採用。4ストロークエンジンではこれまでホンダNSF250やヤマハYZ250など一部の競技専用車が同様の方式を採用したことはあるが、公道用市販車としてはかなり珍しい。
G310R、遂に日本市場へ登場!
05サイレンサーは車体右側に配置。後方排気で排気管長が稼げないという理由があるのかは不明だが、サイレンサーは同じクラスの車両と比べると大きく見える。
G310R、遂に日本市場へ登場!
06ホイールベース1,374mmに対して、スイングアームの長さは650mmとかなり長い。特異なレイアウトのエンジンを採用したのもスイングアーム長を長く取って操安性とサスの動作性を向上するという目的のためだ。リアのブレーキはφ240mmディスクで、ホイールは前後ともにアルミダイキャストの5本スポーク。
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07リアサスペンションはシングルで、スイングアームとフレームに直付けのリンクレス。サス本体にはプリロードアジャスターを備えている。リアサスの前方にはシリンダー後側から出るエキゾーストパイプが見える。
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08アルミダイキャストのスイングアーム形状や長さがよくわかるカット。スチールチューブラーフレームのスイングアームピボット部分は、タンデムステップステーを兼ねるアルミ製の部材でカバーされている。
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09ハンドルバーは一般的なミリバーを採用する。アルミ製のトップブリッジは中央で締結する方式だ。撮影時にはIGスイッチをオンにできなかったが、大型液晶パネルを装備しており、速度/回転数/ギア/オド&トリップ/油音/ガソリン残量/航続可能距離/平均燃費/平均速度/時刻が表示可能。この多彩な表示内容は現行BMWではお馴染みのもの。
G310R、遂に日本市場へ登場!
10BMWのデザイナーが特に形状にこだわったというガソリンタンク。S1000Rに代表されるロードスターモデルのDNAを感じる造形だ。容量は11L(リザーブは1L)。燃料消費率は約30km/Lとのことなので、容量としては十分だ。
G310R、遂に日本市場へ登場!
11シートの高さは785mm。一般的な数値だが、車体はタイトなので足つきは良好だ。リアシートは十分な厚みが確保されていて、タンデムライドにも対応している。
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12シートカウルから突き出たように伸びたテールランプ。ナンバープレートはその下にセットされる。
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13シートカウルにはアルミ製のグラブバーがセットされている。根本には荷物用のストラップなどを引っかけるためのフックが設けられている。
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14やや後退気味のステップは、アルミ製フレームカバーにマウントされる。フットレストはコンベンショナルなタイプで、ブレーキペダルはオフ車のようにペダル部に切り込みが設けられている。
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15クランクケース左側にはACGを、その前方にはセルモーターを配置。従来のBMW大型モデルでは車体各部のボルトにトルクス(Torx)ネジを採用しているが、G310Rではすべて一般的な六角キャップボルトを使用している。メインターゲットとなる新興国市場でのメンテナンス事情をふまえた仕様だ。

BMW Motorrad G310R スペック

記載の車両情報や価格表記はメーカー発表当時のものです。
最新の車両情報に関してはメーカー公式サイトをご確認ください。
エンジン形式
水冷単気筒DOHC4バルブ
排気量
313cc
ボア×ストローク
80.0×62.0mm
最高出力
25kW(34ps)/9,500rpm
最大トルク
28N・m/7,500rpm
圧縮比
10.6:1
クラッチ
湿式多板
ミッション
常時噛合い式6段
駆動方式
チェーンドライブ
フレーム
チューブラースチールフレーム
フロントサスペンション
φ41mm倒立フォーク
リアサスペンション
シングルショック
スプリングトラベル
フロント140mm / リア131mm
キャスター
102.3mm
ステアリングヘッドアングル
64.9°
ブレーキ
フロントφ300mm 4ピストン / リアφ240mm シングルピストン
ABS
BMW Motorrad ABS
ホイール
アルミ製5本スポーク
タイヤサイズ
フロント110/70 R17 / リア150/60 R17
全長
2,005mm
全幅
820mm
ホイールベース
1,374mm
シート高
785mm
車両重量
158.5kg
燃料タンク容量
11L
リザーブ容量
約1L
燃料消費率
30km/L(WMTCモード2/クラス3/1名乗車時)
価格
58万円(税込)
車体色:ストラト・ブルー・メタリック(撮影車)、コスミック・ブラック
※パールホワイト・メタリックは+7,500円(税込)
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