【ミラノモーターサイクルショー2024(EICMA 2024)レポート】BMW Motorradブース
- 掲載日/2025年01月27日【トピックス】
- 取材・写真・文/河野 正士

BMW MotorradがEICMA2024に復帰
新型車を多数展示
世界的なパンデミックがすっかりと収まり、それに輪を掛けるように2024年に開催されたEICMA2024は、開催110周年のアニバーサリーイヤーということも重なり、大盛況だった。開催前の発表では10パビリオン、45カ国から2100以上のブランドが参加し、会場の総面積は33万平方メートルを超えるという、事前情報のあらゆる項目で過去最高を記録していることをアピール。また会期終了後に配布されたオフィシャルインフォメーションによると、開催6日間の来場者数は60万人越え。過去最高ではなかったものの、昨年の来場者数を4万人も越え、パンデミック以前の規模を取り戻したと発表した。パンデミック後に、SNSを中心としたデジタルコミュニケーションへと移行していた多くのメーカーがEICMAに戻ってきたことも、その盛り上がりに大きく影響したと言える。
BMW Motorradも、その復帰組のひとつだ。ブースには、2024年6月に発表した2025年モデルを中心に、その後に順次発表してきた「R1300GS Adventure」や「S1000RR」「S1000R」といった新型車のほか、「R20 Concept」など多数展示。
EICMA2024のプレスカンファレンスでは、「Concept F450GS」のほかスーパーバイク世界選手権でのタイトル獲得を記念した限定モデル「M RR WSBK Champion Edition 2024 」をアンベール。大いに注目を集めた。ここでは、EICMA2024/BMW Motorradブースに展示された、それらの車両を紹介する。

プレスカンファレンスのプレゼンテーションを務めたのはBMW Motorrad責任者であるMarkus Flasch(マーカス・フラッシュ)。熱狂的なバイクフリークで、彼の言動は非常に刺激的。彼のインスタグラムのフォローをお薦めする。

このプレゼンテーション画面でも分かるとおり、Markus Flaschは2025年、17モデルの新型車およびアップデートを発表すると語った。


そのMarkus Flaschがアンベールした「Concept F450GS」。2025年の市場投入を予定しているという。G310GSのアップデートモデルが発表されるかも、という事前情報を得ていたが、フタを開けてみれば、これまでのGシリーズとはまったく異なり、Fのモデル名が付いているが歴代Fシリーズのなかでも最軽量の450という新カテゴリーに挑んできたことに驚いた。



エンジンは排気量450cc並列2気筒。詳細は発表されていないが、シリンダーヘッドカバーの形状からSHOCではないかと想像する。出力は48hpで、欧州の出力限定の免許区分A2カテゴリーに属すると発表されている。また現地でBMW Motorrad関係者から話を聞いたところ、エンジン開発はBMW Motorradだが、量産に関してはGシリーズを製造開発しているインドのTVS Motor社に委託することになるだろう、とのこと。またリリースでは高いパフォーマンスと扱いやすさを謳っていることから、このピンと足の伸びたエンデューロレーサーのようなスポーティなスタイルは、“高いパフォーマンス”側に振り切ったスタイルであり、市販時にはG310GSに寄った“扱いやすさ”を前面に押し出したスタイルになるのではないかと想像する。


6.5インチのTFTディスプレイを装備し、BMWコネクティビティも搭載。他のBMW Motorradモデル同様の拡張性を期待できる。スイッチ類もBMW Motorradではお馴染みの装備が並ぶ。



ホイールサイズはフロント19/リア17インチ。マグネシウムパーツなども使用し、車重は175kgに仕上げられている。またリリースには「a special, never-before-used ignition offset=これまで採用されていない特別なイグニッションオフセット」という記述がある。どのようなエンジンフィーリングになのか、非常に楽しみである。




スーパーバイク世界選手権でのタイトル獲得を記念した限定モデル「M RR WSBK CHAMPIONS EDITION 2024」も発表された。チャンピオンを獲得したファクトリーライダー/トプラック・ラズガットリオグルのゼッケンにちなみ54台が生産されるこの限定車は、M1000RR/M コンペティションをベースに、カーボン製コンポーネンツを多数採用。ファクトリーマシンと同じカラーシングを施し、Mカーボンタンクカバーにはタイトル獲得を記念する特別なグラフィックとともに、トプラック自身によるサインも施されている。



スーパーバイク世界選手権を戦ったM1000RRも展示された。またプレスカンファレンスにはファクトリーライダーのトプラック・ラズガットリオグルとマイケル・ファン・デル・マークも来場。インタビューなどに答えていた。

ヴァレンティーノ・ロッシが、BMWのファクトリードライバーとしてWEC世界耐久選手権に参戦した、チームWRTの耐久レース車両/BMW M4 GT3 EVOも展示された。


新型「S1000R」は、プラットフォームを共有するスーパースポーツ「S1000RR」とスタイリングイメージを合わせ、シンメトリーな2眼ヘッドライトを新たに採用。



新型「M1000R」。






2024年5月にイタリア・コモ湖で開催されたコンコルソ・ディ・エレガンツァ・ヴィラデステで発表された「R20 Concept」も展示されていた。R18に搭載されたビッグボクサーエンジンをベースに、排気量を2000ccにまで拡大しながら、コンパクトでスポーティなロードスタースタイルに仕上げられている。

チューブレススポークホイールを採用した「R12」。

新形状の大型ウイングレットを採用した新型「S1000RR」。

オートメイテッド・シフト・アシスト(ASA)を採用した新型「R1300GS Adventure」。

「F900GS」。

フロント周りをリニューアルした新型「C400X」。

「EC02」。

S1000RR同様、より大型化されたMウイングレット3.0を採用した「M1000RR」。

新型「M1000XR」はエンジンをパワーアップし、Mウイングレットによって空力も改善。

M1000RRを使ったライディングシュミレーターは大人気だった。