VIRGIN BMW | 第2回 いよいよ旅立ち ユーラシア大陸横断

第2回 いよいよ旅立ち

  • 掲載日/2006年10月22日【ユーラシア大陸横断】
  • コラムニスト/Erik Andreas Jorn

BMWで走る海外ツーリングの画像

我がR1200GSが盗難未遂に!
予想外のアクシデントが起こりました

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旅の行程もほぼ決まり、いよいよ出発の日が近づいてきました。ロシアに渡りいきなり「R1200GS」に乗るのには不安がありましたから、少し早めにR1200GSを手に入れて、日本でしばらく乗って体を馴らします。初めて乗るR1200GSは私が予想した通りのナイスなバイクでした。パニアケースを取り払えば渋滞の多い東京も軽快に駆け巡ることができます。以前から仕事で都内を走り回るときにはバイクで移動してきましたが、このR1200GSもシティユースでも充分に活躍してくれるバイクでした。親しい友人への挨拶や、やり残した仕事の整理などのためR1200GSで都内を駆け回っていましたが、そこで大きなアクシデントが発生しました。R1200GSが盗難未遂に遭ったのです。

東京の日本橋近くに、私が毎週仕事で訪れる場所があります。今までずっとバイクで何度もそこに行き、駐車してきましたが、何の問題も起こったことがありませんでした。出発がもう近づいてきたある日、いつものように深夜にバイクのそばに戻ると、鍵穴にキーが挿せません! よく確認してみると鍵穴をこじあけようとした形跡が…。盗まれなかったのは幸いでしたがエンジン始動はもちろん、ハンドルロックすら解除することができず、途方にくれてしまいました。だからと言ってそのまま放置しておけば犯人がまた戻ってくるかもしれません。真夜中でしたけれど、知人に電話をかけ、レッカー車を手配してもらうことに。しかし「ハンドルロックが解除できない車両はレッカー車にあげられないので…」と何社ものレッカーサービスにレッカーを断られてしまいました。何社にも連絡をし、やっとレッカーをお願いできる会社が見つかったときにはホッと一安心でした。それからレッカー車が到着するまでの間に「盗まれなくてよかった…」という安堵の気持ちが湧き起こりましたが「旅の行程でもまたこんなことが起こるかもしれない」と不安な思いも頭をよぎりました。車両をレッカーしてもらい、いつまでに鍵穴を直せるのかを後日確認したところ「鍵穴のリペアを試してみるけど。最悪の場合、ハウジングを丸ごとドイツから送ってもらうことになるかもしれない」とのこと。そうなると出発の日程には、確実に間に合いません。祈る気持ちでリペアを試していただくと、何とか鍵穴のリペアは無事に成功、事なきを得ました。今回のトラブルは、知人の多い日本の出来事なのでスムーズに解決しましたが、これが出発後に起こっていたなら…。きっと大変だったことでしょう。旅の最中に同じことが起こらないよう注意しなければいけませんね。

トラブルのない旅のため
点検整備は徹底的に行います

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鍵穴の修理は無事終わりましたが、車両の基本整備をまだ行っていません。実は、旅の相棒のR1200GSは知人から譲っていただいた車両。タイヤはそろそろ交換の時期で、その他消耗品も一度チェックしてもらった方が良さそうです。そこで知人の紹介で「 ヤナセモトラッド芝浦 」に点検をお願いすることに。タイヤはもちろん交換、オイルやブレーキパッドなどもしっかりチェックしてもらいます。私はあまりメカには詳しくないので、点検メニューはほぼお任せ。日本を離れると、ヨーロッパに入るまではBMWディーラーのメカニックに整備してもらえる機会はないでしょう。日本にいる間にしっかりと整備していただかなければ。タンクを外し、電装系の細かなところまでしっかりとチェック。あられもない姿になっていく相棒を見ながら「がんばって走ってくれよ」と祈る気持ちになってきました。タンクが外れ、むき出しになった車体やメカニックの作業を見ていると、万が一のトラブルの際に自分でどこまで対処できるのか、不安になってきます。いざというときに私の力で対処できることって…パンク修理程度でしょう。「大丈夫、コイツはきっと壊れない」。メカニックの方の作業を見ながら、自分に言い聞かせるように念じている私がいました。特に大きなトラブルは見当たらなかったようで、車両の整備はこれでバッチリです。

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車両の整備は万全になりましたが、私の体も準備が必要。長期間、海外渡航をされた人ならご存知でしょうけれど「予防接種」が必要なのです。「予防接種は熱帯の国に行くだけなのでは?」とお思いの方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。ユーラシア大陸横断に備えて、ちゃんと予防接種をしてもらいましょう。医学を学んできた私ですが、実は注射はあまり好きではありません(笑)。あの細い針が体に差し込まれるかと思うと…ゾッとしてきます。まぁ、私は医学を学んできましたが医師を目指しているわけではなく、学問としての医学を学ぼうとしているので、注射嫌いでも別に構いませんよね?

海を渡ればそこはユーラシア
私の旅はついにスタートです

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挨拶や準備も完了し、ついにロシアへの出発の日がやってきました。

ロシアのウラジオストックへ向かうフェリーは富山県の「伏木港」から出ています。「伏木~ウラジオストック」までは“ルーシー号”という汽船に乗り約40時間の旅。ルーシー号はロシアまで運ばれる日本の中古車が満載された貨物船でもありますが、一般の旅行者も快適な船旅ができる設備が用意されています。船内にはバーやカード遊びができるスペースが用意されており、ロシアまでじっくり時間をかけて旅を満喫できると聞いています。飛行機での海外渡航を考えると、この航路の旅はそれほど高いコストではありません。お勧めの海外渡航ルートでしょう。

東京を出発し、関越道をひたすら走りながら伏木港へと向かいます。東京を離れるにつれ、ビルに覆われた都会の景色に少しずつ山野の緑色が加わってきました。景色の変化とともに「ああ、ついに日本を離れるんだな」という実感が湧いてきます。ほぼ1日かけて東京から伏木港まで走りましたが、1日の間にこの7年間の日本での思い出がいくつも甦ってきました。飛行機での旅だとあっという間に目的地に着いてしまうので、思い出を振り返る時間すらありません。思い出をかみ締める時間を持って旅ができる、その国の空気を肌で感じながら旅ができる、バイクでの旅の魅力はこのようなところにあるのでしょう。東京から伏木港までの(今回の行程から考えると)短い距離の中でもう感傷的な気持ちになってしまいました。日がくれる頃に伏木に着き、翌日の出発までゆっくりと周囲を散策します。美しい海に面し、すぐ近くには山野が広がる伏木港、日本的な景色です。最後に楽しむ日本がこの場所でよかったかもしれません。最後に食べた日本食もいつも以上に味わい深いものだった気がします。日本の皆さん、私はこれからユーラシア大陸に渡ります。そして私の旅がついに始まるのです!

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プロフィール
Erik Andreas Jorn

35歳。スウェーデン国籍。15歳のときに渡米し、アメリカで医学を学ぶ。大学卒業後に1年間海外を放浪し、その後来日。8年間を日本で過ごした後にR1200GSでのユーラシア大陸横断を企画し、現在は旅の途中。

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