VIRGIN BMW | 第2回 ヨーロッパの交通環境 はじめてのヨーロッパツーリング

第2回 ヨーロッパの交通環境

  • 掲載日/2012年12月28日【はじめてのヨーロッパツーリング】
  • 取材協力/オズ・インターナショナル、オーストリア航空 写真・文/佐川 健太郎
    ※ 2012年12月15日発行『BMW BIKES』Vol.61 P.74 「ヨーロッパ=ロングラン 使ってみてわかった R1200GS ホントの実力」にて、佐川健太郎さんによるヨーロッパツーリングの模様がレポートされています。

一日で3ヶ国を回れる
恵まれた道路環境

今回は、ヨーロッパの交通環境についてお伝えしたいと思います。早くから近代化が進み、モータリゼーションが発展したヨーロッパでは、移動手段の主役はクルマです。国同士が陸続きということもありますが、国境を超えて都市から田舎まで道路網が整備されているのが特徴ですね。「ひとつの欧州」を謳う EU 諸国ではもはや国境には検問もなく、ただ「ここからイタリア」みたいな標識があるのみ。日本で言えば、「ようこそ、○○県」のようなものです。空港の入国審査などでは厳重なチェックがあったりするのに、逆に拍子抜けしてしまいますね。それだけ、クルマやバイクを使った移動は自由ということです。

もうひとつ感じたのは、生活道路と自動車道路がはっきり区別されていること。市街地は基本的に歩行者や自転車が優先で、クルマが入れないゾーンもけっこうあります。ミュンヘンの中心部にある歩行者専用道路は世界的に有名ですね。沿道にはお洒落なカフェや古い建物などが並び、人々が静かな時間をゆったりと楽しんでいます。その一方で、アウトバーンなど、速度無制限の区間を持つ高速道路網が国を超えて張り巡らされているのです。ちなみに、ともに自動車道路の意味を持つドイツの「アウトバーン」とイタリアの「アウトストラーダ」は、オーストリアを通じてつながっているので、長距離移動にはとても便利。ですから、“一日で3カ国を走破する”といった夢のようなことが、簡単に実現できてしまうのです。

BMWヨーロッパツーリングの画像

ヨーロッパと言えば石畳。古い市街地などは景観を大事にして石畳を残している場所も多く、歩行者専用になっていたりします。郊外はほとんどアスファルト。

欧州は速度レンジが高く、みんな飛ばしているイメージがあると思いますが、それは場所にもよります。例えば、速度無制限で知られるアウトバーンも都市近郊ではだいたい 80km/h に規制されているようです。それが郊外に進むにつれ、100km/h → 120km/h → 速度規制解除、といった具合に流れが速くなっていきます。一般道でもやはり場所によって細かく設定されていて、ワインディングも思い切り飛ばせる区間があると思えば、山間部でも街中に入ると 30 ~ 40㎞/h に制限されていたり、と速度標識が目まぐるしく変わるのでけっこう大変。街の入口にはだいたいオービスが設置されているので、速度制限はちゃんと守ったほうがいいですね。気持ち良いのは郊外に伸びるカントリーロード。緑の絨毯が広がるチロル地方の田舎などは、平均 80 ~ 100㎞/h ぐらいで巡航できてしまいます。渋滞もほとんどなく、時間が正確に読めるため、旅のプランニングが立てやすいというのも嬉しいですね。

BMWヨーロッパツーリングの画像
特に速度レンジが高いと感じたのはオーストリア。美しい緑の広がる丘陵地を、高速道路並みのアベレージで突っ走る快感はヨーロッパならでは。
BMWヨーロッパツーリングの画像
尾根沿いを走るワインディングはだいたいハイスピード区間。ただし、右側通行でブラインドも多いので気を抜けない。ガードレールがない場所もあったり……。

ガードレールの形は
安全対策のため

ヨーロッパを走っていて感心したのは、安全対策が徹底されていること。高速道路や一般道を問わず、ガードレールの端が地中に向けて斜めに埋め込まれているのに気付きます。日本ではあまりの見慣れない光景ですが、これはクルマがガードレールに激突したときの衝撃を和らげて、末端が突き刺さらないようにするための工夫だそうです。日本でも、多くの犠牲者を出した高速バスの事故が記憶に新しいところですが、こうした事故をなるべく防ごうという意思が感じられますね。

市街地には至るところに減速帯が設けられていたり、横断歩道は車道より一段高くなっていて、それ自体がバリアーになっているようなところもあり、歩行者とドライバー、双方が安全に移動できる環境が整っていると思いました。ただ、注意したいのは路面。ヨーロッパの市街地は「石畳」が多いのですが、ドライならともかく雨天ではかなり滑りやすくなります。路面状況をよくチェックしながら走ることもポイントですね。

BMWヨーロッパツーリングの画像
現地ライダーによると、バイクの場合、ガードレール末端にパニアケースをぶつける事故が多いそう。「なだらかな傾斜のおかげで助かった」とか。真実のほどは?
プロフィール
佐川 健太郎

モーターサイクルジャーナリストとして2輪専門誌やWEB等で活躍中。本サイトではニューモデル試乗やライディングテクニック講座【スマテクで乗りこなそう!】で講師を担当。公道で役立つ実践的な安全運転スキルからサーキット走行まで造詣が深く、ライテク関連の記事や映像も数多く手掛ける。『MOTOCOM』編集長。『ライディングアカデミー東京』校長。MFJ公認インストラクター。

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